HACK YOUR HEALTH 睡眠トラッキングに新たな形を

株式会社S’UIMINのプレスリリース

在宅向けの睡眠脳波計測サービスを展開する「株式会社S’UIMIN」は、眼・歯・血液の詳細な検査を盛り込んだ健康診断を提供する「医療法人社団大地の会 KRD日本橋」と協業し、個人が自分の健康をナビゲートできる社会の実現に向けた事業を開始します。入院検査レベルの睡眠計測を健康診断と掛け合わせ、心身の詳細な状態評価、複数の改善アプローチ、効果のシミュレーション等を示すことにより、個人の身体づくりを促すために PHR (Personal Health Record) を最大限に活かすサービスを目指します。睡眠と心身の状態の関係を調査する疫学的研究を兼ね、100名の無料モニターを対象とした試験的サービスから協業事業をスタートします。

  • なぜ、健康診断×睡眠計測なのか?

「日本人の4人に1人は睡眠に何かしらの悩みや問題をかかえている」という報告があり、コロナ時代の生活様式の変化による睡眠への悪影響も指摘されるようになりました。

睡眠の問題は「不眠症」「睡眠不足」や「睡眠時無呼吸」など多岐にわたり、自覚できないまま重大事故や重度の疾患につながることもあります。また、睡眠不足が日中の集中力を著しく低下させたり、逆に精神的な不調が原因で不眠症陥ったりすることは珍しくありません。さらに、近年の医学的研究により、認知症や心疾患をはじめとするさまざまな重大疾患が、睡眠状態の悪化とともに進行することも知られています。
 

 

これは、睡眠が、心身の健康と密接に影響しあっていることを意味します。逆に考えれば、詳細な睡眠計測は健康診断と組み合わせることにより、睡眠の問題にとどまらず、あらゆる健康問題の評価指標や検出材料、あるいは改善アプローチとして機能する可能性を秘めているのです。

たとえば、「睡眠不足によって、食欲を抑制するホルモンの分泌が抑えられ食欲が高まる」という医科学の知見があります。もしも肥満傾向のある被験者に、睡眠不足の翌日に食事量が増えている傾向が確認できれば、「十分に眠ることによって、食欲を抑えられる可能性が高いので、寝室の環境を改善しましょう」といった指導が可能になります。

従来は食事制限や運動習慣が一般的だった肥満の対策に、睡眠改善という新しいアプローチを提案できるのです。データの蓄積と解析により、将来的には認知症や心疾患等の重大疾患の僅かな兆候を、睡眠データから掴んで早期の対策につなげられるような仕組みを目指します。

睡眠や健康の状態は、同じく個人の身体に関する遺伝子情報とは対照的に、日々の互いの状態を反映します。睡眠計測と健康診断は、個人の「今の状態」「僅かな兆候」「改善効果」などを把握するための最適な組み合わせであり、長寿高齢化が進む現代社会において重要とされる健康寿命を伸ばすための、一人ひとりの主体的・効果的な健康づくりを促すことにつながると考えています。
 

 

  • S’UIMINとKRD日本橋のリソース

睡眠計測と健康診断は、いずれも高精度に、同時に実施し、データを適切に管理・参照するからこそ、両者の「相乗効果」を高めることができます。

筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構を母体とするS’UIMINは、睡眠計測サービス「InSomnograf®」を開発し、サービス展開しています。頭部に電極を貼り脳波を計測するため、身体の動きを計測して睡眠を推定する簡易睡眠計測と異なり、在宅でも詳細な睡眠の質を正確に把握できるのが大きな特徴です。

KRD日本橋は、従来の健康診断、眼科ドック、歯科ドックと同等の検査、および70項目を超える詳細な血液検査を一括して行い、年2回の継続的な検査データを蓄積するシステムを確立しています。

本事業では両者を組み合わせることにより、被験者一人ひとりの5日間の睡眠状態、行動データ、食事内容、詳細な血液の状態、眼や歯や臓器の働きなどを同時に検査し、半年後にも同内容のフォローアップ検査を実施する体制が整います。これにより、「あらゆる重大疾患予防や健康寿命を伸ばすため」という睡眠計測の新たな形が実現すると考えています。

【柳沢正史(S’UIMIN取締役会長CSO) コメント】
睡眠計測を「睡眠改善のため」だけでなく「あらゆる健康問題の解決のため」に役立てることは、睡眠医科学の究極のゴールのひとつ。詳細な健康診断との組み合わせに、大きな可能性を感じています。本事業によって必要な知見を集めながら、睡眠医科学の成果を社会に還元するという挑戦を加速させていきたいと考えています。

【田中岳史(KRD日本橋院長)コメント】
人間の睡眠状態の維持に深く関わるのが、体内時計(サーカディアンリズム)です。中でも睡眠の質は体内時計の調整に最も関与する因子と言えます。睡眠の質は身体の代謝、循環、ホルモンバランスなどばかりではなく、精神活動の健全維持に大きな影響を与えます。睡眠の状態と心身の状態の相互関係を研究調査することによって個々の健康維持、増進に大きく貢献できるものと確信しています。

 

在宅での睡眠脳波計測のイメージ在宅での睡眠脳波計測のイメージ

 

  • 具体的な実施内容

本事業ではまず、100名の無料モニターを募集し、睡眠と心身の状態の関係を調査する疫学的研究を兼ねた試験的サービスを展開します。

モニター受診者には本事業のサービス(計167,500円相当)を無料でお試しいただき、サービスへの感想やフィードバックをいただきます。また、受診者の同意のもとで取得データを解析することにより、睡眠と健康の関連についての新たな知見を集め、睡眠医科学への貢献も果たしながらサービスを進化させていきます。

 

  • 本事業が目指す未来

現代の日本は、生活習慣病をはじめとするさまざまな病気の早期発見、治療、予防などを目的とした「健康診断」が社会に広く浸透し、世界トップレベルの平均寿命の達成に貢献してきました。しかしその多くは、測定結果を基準値の比較による異常検出が中心で、個人の体質や数値の経年変化を細かく加味した健康づくりの詳細なアプローチを示すサービスはまだ少数です。

超高齢化社会の到来に向けて健康寿命を伸ばす重要性が指摘されていますが、依然として「病気になってから治す」ための医療が中心で、個人が主体的に「健康を作り、維持する」ための医療は発展途上と言わざるを得ません。

私たちはこの要因の一つに、個人の健康や医療に関する情報を時系列的に管理するPHRが、最適な形で整備・活用されていないことがあると考えています。たくさんの検査を受けても、データが検査ごとに分断され、個別に効果的な健康づくりへの指針や情報を十分に参照できないため、一人ひとりが自らの健康づくりに主体的・積極的になれないのです。

たとえ話をすれば、地図の情報が不十分なために、最適なドライブ経路を決められないようなものかもしれません。「渋滞状況」「道路料金」「迂回ルート」「沿道の風景」などの情報が集約された地図が手元にないために、「経路を自分で選択する」という発想に至らず、ドライブを充実させるためにルートを選択する習慣が浸透しないのです。

本事業のゴールは、個人が自らの健康を自らにナビゲートするに必要な情報を、必要に応じていつでも参照できるサービスを確立すること。一人ひとりの健康の詳細は”地図”と、それに基づくいくつかの”改善ルート”を示すことによって、「健康は自らデザインできるもの」というパラダイムシフトを起こすことです。

その先に「悪化への恐怖」ではなく「改善できる楽しみ」をモチベーションに、一人ひとりが自らの人生のために「いま、どんな健康づくりに取り組むか」を主体的に選択できる世界が実現すると考えています。
 

  • 組織概要

◎医療法人社団大地の会  KRD日本橋 
(住所:東京都中央区日本橋本町4丁目4番地 東山ビル2階)
医療法人社団大地の会KRD日本橋は、「人生100年時代の健診施設」を標榜し、これからの時代を生きるビジネスパーソンのため、病気の早期発見だけでなく予防に注力した健診サービスを提供しています。KRD日本橋で提供する健診は、詳細な血液検査に加え、眼と歯の検査も同時に実施します。それだけでなく健診結果をクラウド上で管理できることや、年に2回検査することで身体の状態を動的に管理することができます。また受診後に健康相談やイベントなども用意しており、受診して頂いた方に併走するサービスを提供しています。

◎株式会社S’UIMIN 
(住所:東京都渋谷区初台1-51-1 初台センタービル817)
株式会社S’UIMINは、世界トップレベルの睡眠医科学研究所である「筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構」(WPI-IIIS)」の機構長である柳沢正史が起業し、大学発ベンチャーとして睡眠計測サービス「InSomnograf®」を開発、提供しています。「世界中の睡眠に悩む人々にとっての希望の光となる」をビジョンに、予防から治療、改善までを網羅した睡眠医療を確立させ、一人ひとりが睡眠に悩むことなく幸せに暮らせる社会の実現を目指します。

◎睡眠計測サービス「InSomnograf®」について
株式会社S’UIMINの睡眠計測サービス「InSomnograf®」は、睡眠を簡便に、科学的・客観的に検査します。軽くて装着しやすく、入院検査レベルの睡眠計測を自宅等のあらゆる場所で行うことができます。取得したデータをAIが迅速に解析し、レム睡眠、ノンレム睡眠などの経過を表した睡眠経過図や、眠りの深さ、中途覚醒指数などの約20の睡眠指標を一晩ごとに算出します。さらに数日間の睡眠データとアンケートを睡眠専門医が総合的に評価したレポートを提供します。眠りの質や特徴、不眠症、睡眠時無呼吸症候群などの障害の可能性が一目瞭然に分かります。身体の動きから睡眠を”推定”する活動量計の測定と異なり、頭部のセンサーによって睡眠の質を科学的に調べることができます。また、大がかりな検査入院を要する終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)に比べて汎用性が高く、日常環境での睡眠を計測できる特徴があります。

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。