日本メナード化粧品株式会社のプレスリリース
*1 肌に赤みの濃淡があり、まだらに見える状態
〇肌の赤ムラに悩む女性は60%!赤ムラはシワよりも美肌に与える影響が大きい?
メナードは肌の赤色のムラ(赤ムラ)に着目し、一般女性921人を対象にアンケートを実施しました(参考資料1)。その結果、約60%の女性が頬の赤ムラを気にしていることが分かりました。また、肌の赤ムラとシワの程度を調整した3種類の顔画像(【P】赤ムラが多い/シワが少ない、【Q】赤ムラが多い/シワが多い、【R】赤ムラが少ない/シワが多い)を用意し、美しいと思う順位を付けてもらったところ、「赤ムラが少ない/シワが多い画像【R】が1番美しい」と感じると答えた人が約60%と最も多く、赤ムラが多い/シワが少ない画像【P】よりも多い結果でした。つまり、多くの人が「シワよりも赤ムラが少ない肌の方が美肌に見える」と感じているといえます。この調査から、赤ムラは美肌印象に与える影響が大きく、気にしている方も多いため、肌を美しく見せるうえで重要な要因であることが分かりました。
図1 赤ムラの美肌印象に対する影響
〇色ムラを数値化する技術を開発
一方、これまでの肌の色ムラ評価は目視評価のみで行われることが多く、客観的な点数化が困難でした。今回、目視評価と空間周波数解析と呼ばれる画像解析方法とを組み合わせることで、肌の画像から色ムラを瞬時に精度良く数値化する技術を開発しました(参考資料2)。
図2 色ムラ得点の例
シワは一般的に多くの女性が感じる肌悩みですが、今回の調査結果から、シワがあっても赤ムラを軽減することで美肌印象を高めることができると考えられました。また、今回開発した色ムラ評価技術は、素肌を美しく見せる新しい美容提案や商品開発に活かしてまいります。
<参考資料>
1. 赤ムラに関するアンケート結果
【調査概要】
調査期間 :2020年7月13日~2020年7月20日
調査対象 :10代~80代女性
有効回答数:921名
調査方法 :WEBアンケート
1-1. 約60%の女性が、肌の赤ムラを気にしている
一般女性(10~80代、921人)を対象にWEBアンケートを実施した結果、約60%の人が頬の赤ムラを気にしていることが分かりました。
図3 自身の頬の赤ムラに関するアンケート
1-2. 肌の“赤ムラが少ない”方が、“シワが少ない”よりも美しいと感じる
赤ムラとシワの多さを調整した3枚の顔画像(【P】:赤ムラが多い/シワが少ない 【Q】:赤ムラが多い/シワが多い 【R】:赤ムラが少ない/シワが多い)に、美しいと思う順位を付けてもらった結果、「“赤ムラが少ない/シワが多い”画像【R】が1番美しい」と感じる人が約60%と最も多く、“赤ムラが多い/シワが少ない”画像【P】よりも高い結果でした。また、画像【R】を選んだ理由は「肌がきれいに見える」が最も多く、「健康的に見える」「若々しく見える」という回答もありました。この結果から、シワよりも赤ムラが少ない方が、肌がきれいに見え、顔全体の印象も美しく感じられることが分かりました。
図4 赤ムラ、シワが見た目の美しさに与える影響
2. 肌の色ムラの点数化
2-1. 色ムラスコア算出式の開発
女性の頬の肌画像(色ムラの程度が異なるもの)30枚を用意し、38名の評価者に肌の色ムラ(色の不均一性)の程度を比較する目視評価*を行ってもらいました。また、同じ肌画像について空間周波数解析**を行い、目視評価の結果と組み合わせることで肌画像の色ムラの程度を算出する式(色ムラスコア算出式)を求めました。
色ムラの中でも赤ムラの程度の差は、これまで捉えることが困難でしたが、今回開発した色ムラスコア算出式では、赤ムラの程度の差も精度良くとらえることが可能です。
* 目視評価
今回は、評価者に30枚の画像をランダムに2枚ずつ見せてどちらの画像が色ムラが少ないかを比較してもらい、その結果を統合して評価する一対比較法を行いました。最終的に、色ムラの程度について順位を付けました。
図5 今回の目視評価について
** 空間周波数解析
空間周波数は画像における一定の長さに含まれる明暗の縞模様の数で、縞模様が太いほど空間周波数が低く、縞模様が細かいほど空間周波数が高くなります。また、縞模様の明暗の差が大きいほどその空間周波数の成分の強度が大きく、明暗の差が小さいほど成分の強度が小さいことを表します。肌画像には様々な空間周波数が含まれており、それぞれの空間周波数の成分がどれくらい強いかで肌画像の特徴を示すことができます。
図6 空間周波数について
2-2. 色ムラスコア算出式による色ムラの評価
開発した色ムラスコア算出式を用いて肌画像を解析することで、色ムラの程度を数値化して評価できるようになりました。この評価は自動化されており、画像を用意するだけで瞬時に結果を出すことが可能です。加齢変化の研究や化粧品の評価、肌状態のカウンセリングツールなど、様々なシチュエーションで活用が期待できます。なお、今回開発した色ムラスコア算出式は、肌の赤ムラだけではなく総合的な色ムラも評価することが可能です。
図7 様々な肌画像に対する色ムラスコアの算出
*本研究成果の一部は、2021年9月18日から19日にかけてオンライン開催される「第26回日本顔学会大会(フォーラム顔学2021)」にて発表予定です。