色移りせず色持ちが良い×心地よい使用感の両立に成功 塗ると自然に「透明層」「色素層」「バーム層」に分離

ポーラのプレスリリース

ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:釘丸和也)は、優れた使用感でありながら、カップなどに色移りせず色持ちも良いリキッド状の口紅製剤の開発に成功しました。本成果は、ポーラ・オルビスグループから発売される製品に活用されます。

  • 色移りなどを気にせずメークを楽しんでほしいという思いから

口紅において、カップなどに色が移らないことは非常にニーズが高く、さまざまな技術が開発されてきました。しかしこれまでの技術は被膜剤で口紅の膜を固めるものが主流で、固まるまでに時間がかかる点や、ゴワゴワ感・乾燥感を感じる点に改善の余地がありました。そこで、心地よく快適に使えるよう、膜を固めなければ色移りは防げないという常識を捨て、その他の手段で「色移りせず色持ちも良い」という機能性を実現できないかと、新たな技術の開発に取り組みました。
 

  • 機能性と使用感の両立の秘密は、塗ってすぐに3層に分かれる製剤設計にあり

色移りや色持ちのメカニズムに着目して検討を重ねた結果、塗布前は均一なリキッド状でありながら、塗るとわずか数分で表面に透明な層、中間に色素を多く含む層、そして唇側にバーム状の層ができる技術を構築し、「色移りせず色持ちも良い」口紅を開発することに成功しました。

透明層が色素層を覆っているため、カップなどに色素が付着しにくいことが確認できました(図1)。また唇に接しているバーム層は唇への密着性に優れ、色素層ともなじみがよいため、より長く色やツヤがキープできるようになりました(図2)。

また、口紅の膜を固めないことから優れた使用感が得られ、なめらかさや保湿感が高く評価されました。(補足資料1)。

 

  • 「固めない」ことで課題の一挙解決に成功

本技術では「膜を固めない」という逆転の発想のもと「層形成をコントロール」したことにより課題を一挙に解決することに成功しました(補足資料2)。

まず、透明層を形成する主成分には、色素層やバーム層の主成分と混ざりにくく放っておくと自然に分離するものを採用しました。同時に、各層の主成分になじみやすく、かつ蒸発しやすい成分を配合することで、塗布前は均一に混ざった状態がキープされますが、塗布した後はこの成分がすぐに蒸発し、すみやかに層状に分離するよう設計しました。さらに水分と反応してバーム状になる成分を採用。この成分が唇の水分と出会うことでバーム層が形成され、長時間密着します。

ポーラ化成では今後も、機能性と使用感の両立をはじめ、お客様のさまざまなニーズに応える技術の開発に取り組んでいきます。
 

  • 【補足資料1】 使用感の評価について

13名の化粧品専門評価者がリキッドタイプの従来品と使用感を比較評価したところ、実際の使用において、開発品は「保湿感」や「なめらかさ」が高く評価されました。これにより、「色移りせず色持ちも良い」だけでなく「心地よく快適に使える」ことが確認できました。ツヤや発色といった仕上がりや総合評価においても良好な結果でした。

 

  • 【補足資料2】 層に分かれるメカニズムと「色移りせず色持ちも良い」機能を発揮するしくみ

■層に分かれるメカニズム
唇に塗布すると、均一に混ざるように間を取り持っていた成分が蒸発するとともに、水分になじみやすい成分が唇側に集まり、唇の水分と反応してバーム層が形成されます。これにより、透明層、色素層、バーム層に分かれます。

■「色移りせず色持ちも良い」機能を発揮するしくみ
透明層が表面を覆っているため、カップなどが直接色素に触れにくく、色移りを防ぐことができます。またバーム層が唇と色素層をつなぎ留め色やツヤが長く保たれます。

■使用感
口紅の膜が固まらないため、なめらかさや保湿感に優れた心地よい使用感です。またバーム層が長時間にわたり密着し続けるため心地よい使用感も長続きします。

 

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