L8020協議会のプレスリリース
「L8020乳酸菌」を通じた歯の健康維持を提唱する、L8020協議会(所在地:広島市西区商工センター6丁目6番29号 会長:広島大学大学院医系科学研究科 二川浩樹教授)は、「口から始まる認知症予防プロジェクト」を発足いたしました。プロジェクト第1弾として、2021年7月31日(土)~8月13日(金)に、全国の50歳以上75歳以下の男女624名を対象に、「マスク着用による口腔内環境に関する意識調査」を実施しました。
そこで今回、マスク着用による口腔内環境に関する意識調査を行いました。今回の調査では、マスク着用後、2人に1人が粘つきを、4割の人が口臭の悪化・口腔内の渇きを実感していることが分かり、コロナ禍のマスク着用によって口腔内に不快感を覚える人が多くいることが判明しました。
本調査結果に対して鶴見大学名誉教授・花田信弘氏から見解を伺うと共に、マスクを手放せない環境における対策など、ご意見を伺いました。
■「マスク着用による口腔内環境に関する意識調査」概要
調査期間: 2021年7月31日(土)〜8月13日(金)
調査方法: Webアンケート調査
調査対象: 全国の50歳以上75歳以下の男女624名
調査内容: 対象者に連続して5時間不織布マスクを着用してもらい、着用後の口腔内の不快感に関してアンケート調査を実施。
※集計結果は100%にならない場合がございます。
■調査サマリー
① 2人に1人が、マスク着用による口腔内の不快感を表明、マスクなしでは約9割の人が快適と回答。
② 半数以上の人が、マスク着用による口腔内の【粘つき】を実感。
③ 4割以上の人が、マスク着用による【口臭】の悪化を実感。
④ 約4割の人が、マスク着用による口腔内の【渇き】を実感。一方「うるおった」と感じる人も一定数存在。
⑤ マスク着用による【だ液量】は6割以上が変わらないと回答、変化を実感する人は少ない。
一方で「減った」、「うるおった」と感じる人も一定数存在し、結果にばらつきがあることが判明。
■調査結果
① 2人に1人が、マスク着用による口腔内の不快感を表明、マスクなしでは約9割の人が快適と回答。
「マスクを5時間着用後のお口の不快感のレベルを10段階で示してください」という質問に対し、「とても快適」(段階1)~「どちらかといえば快適」(段階5)と回答した方は50.2%、「どちらかいえば不快」(段階6)~「とても不快」(段階10)と回答した人は全体の49.8%を占め、約5割の人がマスク着用時に口腔内の不快感を覚えていることが判明しました。
また、「マスク着用前のお口の不快感のレベルを10段階で示してください」という質問に対し、「とても快適」(段階1)~「どちらかといえば快適」(段階5)と回答した人は全体の88.1%を占め、マスクがない状態では、口腔内の不快感を覚える人は少ないことが分かりました。
② 半数以上の人が、マスク着用による口腔内の【粘つき】を実感。
「マスク着用前と比較して、お口の【粘つき】は変化しましたか」という質問に対し、「粘ついた」と回答した人が46.3%と最も多く、次いで「変わらない」と回答した人が39.4%となりました。
「粘ついた(46.3%)」「とても粘ついた(4.5%)」と回答した人の合計は50.8%に上り、反対に「さっぱりした(9.3%)」「とてもさっぱりした(0.5%)」と答えた人の合計は10%未満となりました。
この結果により、半数以上の人がマスク着用後、口腔内の粘つきを実感していることが分かりました。
③ 4割以上の人が、マスク着用による【口臭】の悪化を実感。
「マスク着用前と比較して、【口臭】は変化しましたか」という質問に対し、「変わらない」と回答した人が47.1%と最も多かったものの、「悪化した」と回答した人が38.9%と2番目に多い結果となりました。「悪化した(38.9%)」「とても悪化した(4.0%)」と回答した人の合計は42.9%に上り、「改善した(9.3%)」「とても改善した(0.6%)」と答えた人の合計は10%未満となりました。
この結果により、4割以上の人がマスク着用後、口臭の悪化を実感していることが分かりました。
【鶴見大学名誉教授・花田信弘氏の見解】
コロナ禍では、マスクの着用や、集団生活では会話を控えることが求められるため、唾液分泌の基本である舌と顎運動による機械的刺激が少なくなりがちです。唾液分泌が減ると口臭の主要な原因である歯周病菌が増殖しやすくなります。このような理由から、【粘つき】や【口臭】の悪化を実感する人が多くなったと考えられます。
また、調査の結果を見ると、「変わらない」と回答した方も多く見られますが、生活環境や職業によっては、会話回数に応じて、唾液分泌の減少幅が少ない方もいるため、【粘つき】や【口臭】をそこまで実感しない方も一定数いたのではないでしょうか。
④ 約4割の人が、マスク着用による口腔内の【渇き】を実感。一方「うるおった」と感じる人も一定数存在。
「マスク着用前と比較して、お口の【渇き】は変化しましたか」という質問に対し、「変わらない」と回答した人が47.1%と最も多かったものの、「渇いた(33.5%)」「とても渇いた(3.8%)」と回答した人と合わせると37.3%と、約4割の人がマスク着用後に口腔内の渇きを実感していることが分かりました。
一方で「うるおった(15.1%)」「とてもうるおった(0.5%)」と回答した人の合計は15.6%と、一定数存在することが判明しました。
⑤ マスク着用による【だ液量】は6割以上が変わらないと回答、変化を実感する人は少ない。
一方で「減った」、「うるおった」と感じる人も一定数存在し、結果にばらつきがあることが判明。
「マスク着用前と比較して、【だ液量】は変化しましたか」という質問に対し、「変らない」と回答した人が61.4%と最も多かったものの、「減った(24.4%)」「とても減った(1.9%)」と回答した人の合計が26.3%、一方で「増えた(12.2%)」「とても増えた(0.2%)」と回答した人の合計が12.4%と、一定数存在することが分かりました。
マスク着用による口腔内の【粘つき】や【渇き】、【口臭】の変化と比較し、【だ液量】の変化を実感する人は少ないことが判明しました。
【鶴見大学名誉教授・花田信弘氏の見解】
マスクが苦手な方、運動量の多い方、あるいはN95など高性能マスクや、マスクを二重で着用している方は息苦しさから口呼吸をすることが多くなってしまいます。このようなコロナ禍の背景から、口腔内の乾燥を実感する方は多いと思います。
一方、過度な口呼吸をしない場合でも、先に述べたように、コロナ禍で会話が少なくなり舌と顎運動による機械的刺激が減少することで、唾液分泌量が減り口腔内は乾燥します。ただ、マスク内の湿度は高いため、乾燥を実感する人がそこまで多くないのが現状です。
■鶴見大学名誉教授/上海理工大学特任教授 花田信弘氏のコメント
多数の変異株の出現でコロナ禍は収束の目処が立たず、マスクを着用する生活はこれからも続くと思われます。今回の調査結果を見ると、マスクをすることで口元が隠れるため、口腔ケアが疎かになっている方が多く見受けられます。口腔ケアを怠ると口腔の微生物は、血液から循環器へ、嚥下(えんげ)で消化器へ、誤嚥(ごえん)(寝ている間の不顕性誤嚥(ふけんせいごえん))で呼吸器へと3つ方向へ同時に拡散していきます。
コロナ禍だからこそ、自分の身を守るために多くの方に口腔ケアに注目していただきたいです。口腔ケアが全身の健康に繋がることを意識して、さらに丁寧な口腔ケアを是非心がけてください。
花田信弘教授プロフィール
花田 信弘(はなだ のぶひろ)
歯科医師、歯学博士
現職:鶴見大学名誉教授、上海理工大学特任教授
1981年 九州歯科大学歯学部 卒業
1885年 九州歯科大学大学院歯学研究科 修了
1987年 米国ノースウェスタン大学医学部微生物・免疫学講座 博士研究員
1990年 岩手医科大学歯学部 助教授
1993年 国立感染症研究所口腔科学部 部長
2002年 国立保健医療科学院口腔保健部 部長
2008年 鶴見大学歯学部 教授
2021年 鶴見大学名誉教授
2021年 上海理工大学特任教授・光触媒国際研究院公衆衛生・健康医療部門長
学会理事、日本口腔感染症学会理事、日本バイオフィルム学会理事
先日、厚生労働省健康日本21計画策定委員、内閣府新健康フロンティア戦略賢人会議分科会委員、内閣府消費者委員会委員、日本歯科医学会学術研究委員会副委員長。
「L8020乳酸菌」とは
「L8020乳酸菌」は、むし歯菌・歯周病菌の発育を阻止し、口腔環境を改善する効果のある乳酸菌で、広島大学大学院医系科学研究科 二川浩樹教授によってむし歯のない子供から発見されました。
L8020協議会とは
「L8020乳酸菌」を通じて、厚生労働省や日本歯科医師会が推奨している、「満80歳で自分の歯を20本以上守ることを目指した8020運動」に貢献したいと考え、2014年に発足。二川教授が会長となり、「L8020乳酸菌」を使用して製品化・商品化、販売を行っている企業21社が参加しています。
http://l8020.info/index.html