免疫と骨の健康に関わるタンパク質「RANKL」が 皮膚のバリア機能及び保湿機能を強化することを発見  第6回日本骨免疫学会にて発表

ノエビアグループのプレスリリース

ノエビアグループは、免疫と骨の健康に関わるタンパク質である「RANKL」が、皮膚における異物侵入及び水分の流出を防ぐバリア機能と保湿機能に重要なタンパク質「タイトジャンクションプロテイン1」及び「フィラグリン」を増加させ、両機能を強化することを明らかにしました。これにより「RANKL」が皮膚の恒常性維持に関与していることが明らかになりました。この研究成果を2021年6月30日~7月2日に開催される「第6回日本骨免疫学会」にて発表いたします。

【研究背景】
・免疫と骨の健康に関わるタンパク質「RANKL」と皮膚の関係に着目
皮膚は外界と接しウイルスや微生物をはじめとした異物や刺激から身体を守るはたらきをしています。この異物に対する免疫応答には皮膚に存在するランゲルハンス細胞の維持が重要です。「RANKL」はランゲルハンス細胞にはたらきかけ、細胞の生存期間を延長させることが報告されています。また、「RANKL」は骨形成と骨破壊のバランスを制御し、恒常性の維持に必須のタンパク質であることも知られています。しかしながら、表皮細胞に対する機能については明らかになっていません。今回は、「RANKL」の表皮細胞でのバリア機能及び保湿機能に対する効果について研究を行いました。

【研究成果】
1. 「RANKL」が表皮に多く発現するタンパク質であることを確認
太陽光の影響を受けていないヒトの腹部から採取した皮膚組織を用い、免疫染色法により「RANKL」を赤色に蛍光染色し、蛍光顕微鏡で観察しました。その結果、表皮と真皮の細胞が赤く染色され、特に表皮細胞がより強く染色されたことから、「RANKL」は表皮に多く発現するタンパク質であることが確認されました。

表皮に多く発現する「RANKL」

2. 「RANKL」が皮膚のバリア機能及び保湿機能を強化することを発見
「RANKL」の機能を解析した結果、「RANKL」の発現量を高めた表皮細胞ではバリア機能と保湿機能に重要なタンパク質「タイトジャンクションプロテイン1」及び「フィラグリン」が多いことが分かりました。これにより、「RANKL」が「タイトジャンクションプロテイン1」と「フィラグリン」を増やし、皮膚のバリア機能及び保湿機能を強化することが明らかになりました。

表皮細胞における「RANKL」の発現量によるバリア機能と保湿機能に重要なタンパク質の発現比率変化

免疫と骨の健康に関わるタンパク質RANKLは皮膚の表皮に多く存在し、皮膚バリア機能及び保湿機能にも重要な因子であることが明らかになりました。

【今後の展開】
今回の研究により免疫と骨の健康に関わるタンパク質「RANKL」が皮膚のバリア機能及び保湿機能に関係することが明らかになりました。今後は研究成果を基礎化粧品の開発へ応用する予定です。

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