サンスター、ブロッコリーなどを含む野菜・果物混合物および配合素材の腸内環境への影響に関する研究結果を第26回日本食物繊維学会学術大会にて発表

サンスターグループのプレスリリース

 サンスター株式会社(以下、サンスター)は、ブロッコリーなどのアブラナ科野菜を含む野菜・果物混合物とその配合素材が、有益な腸内細菌であるビフィズス菌やフィーカリ菌の増加など、腸内環境に及ぼす影響を明らかにし、その研究成果を「第26回日本食物繊維学会学術大会」(2021年11月6日(土)~7日(日)、オンライン開催)にて、株式会社メタジェンと共同で発表しました*1。

【研究の背景・目的】
 近年、腸内環境を整えることが腸だけでなく、全身の健康維持に役立つ可能性が示唆されています。特に、腸内細菌が産生する酢酸や酪酸などの短鎖脂肪酸は腸内環境を整える効果があることが知られています。そのため、腸内細菌の短鎖脂肪酸産生を促進することは、全身の健康を保つために非常に重要です。
 サンスターは野菜や果物のもつ作用に着目し、30年以上研究を行ってきました。今回は、ブロッコリーなどのアブラナ科野菜を含む野菜・果物混合物とその配合素材が腸内環境に及ぼす影響について研究を行いました。

【研究概要】
■in vitro培養試験
 有益な腸内細菌であるビフィズス菌あるいはフィーカリ菌に試験素材を添加して培養後、菌の増殖、培養上清中の酢酸量および酪酸量を測定しました。試験素材として野菜(ブロッコリー、ビフィズス菌で醗酵した人参(以下、ビフィズス菌醗酵人参)、ほうれん草、人参、かぼちゃ、キャベツ)と果物(りんご)およびそれら野菜・果物の混合物を使用しました。
 試験素材を添加した全ての群で無添加群と比較してビフィズス菌(図1)とフィーカリ菌(図2)が有意に増加しました。また、無添加群と比較して、野菜・果物混合物、ブロッコリー、ほうれん草、人参、キャベツ、りんご添加群では酢酸量の有意な増加が認められました。さらに、野菜・果物混合物、ブロッコリー、ビフィズス菌醗酵人参、人参、かぼちゃ、キャベツ添加群では酪酸量の有意な増加も認められました。

 

 

図1. ビフィズス菌の増殖図1. ビフィズス菌の増殖

図2. フィーカリ菌の増殖図2. フィーカリ菌の増殖

■ヒト腸内環境を模したヒト便培養試験
 健常成人6名より採取した新鮮便を用いて便懸濁液を作成し、そこへ試験素材(野菜・果物混合物、ブロッコリー、ビフィズス菌醗酵人参)を添加して培養しました。培養後、菌叢変化の評価と上清中の短鎖脂肪酸の測定を行いました。
 野菜・果物混合物、ブロッコリー、ビフィズス菌醗酵人参添加群において、無添加群と比較して有益な腸内細菌であるビフィドバクテリウム属細菌の有意な増加、疾患との関連性が報告されているビロフィラ属細菌、エガセラ属細菌の有意な減少が認められました。また、ブロッコリー、ビフィズス菌醗酵人参添加群では有益な腸内細菌であるフィーカリバクテリウム属細菌が有意に増加しました。さらに、試験素材添加群の全てにおいて短鎖脂肪酸である酢酸(図3)、酪酸(図4)が有意に増加しました。

図3. 酢酸産生量図3. 酢酸産生量

図4. 酪酸産生量図4. 酪酸産生量

【結論】
 本研究より、in vitroの試験系において、アブラナ科野菜を含む野菜・果物混合物とその配合素材は、有益な腸内細菌であるビフィズス菌やフィーカリ菌を増やす可能性が示されました。さらに、ブロッコリー、醗酵人参、野菜・果物混合物はヒト腸内環境を模した試験系において、有益な腸内細菌の増殖に加え、疾患との関連性が報告されている腸内細菌の抑制をするとともに、有益な短鎖脂肪酸の産生増加に働き、腸内環境改善作用を持つ可能性が示されました。

*1 2021年11月6日(土)口頭発表
  演題:野菜・果物混合物および配合素材の腸内環境改善効果

【株式会社メタジェンについて】
腸内環境をデザインするリーディングカンパニー。慶應義塾大学および東京工業大学における腸内環境研究で培われた確かな技術、メタボロゲノミクス®により個々人の腸内環境を適切に評価し、その制御を行うことで病気ゼロの実現を目指しています。

【サンスターの野菜や果物の研究について】
サンスターは、「常に人々の健康の増進と生活文化の向上に奉仕する」の社是のもと、オーラルケア製品、化粧品、健康食品などの事業を行っています。社員向け福利厚生施設「サンスター心身健康道場」の健康メソッドから、野菜・果物のもつチカラに着目し、30年以上その健康に役立つ効果の研究を行い、製品の開発を行ってきました。今後もより良い情報・サービス・製品をお届けすることで、人々の健康寿命の延伸に寄与することを目指していきます。

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