【マンダム TRPチャネルに関する企業セミナー開催レポート】TRPチャネル研究で広がる動物実験代替法の開発

(株)マンダムのプレスリリース

2021年11月12日(金)日本動物実験代替法学会 第34回大会において、TRP(トリップ)チャネル研究の権威である富永真琴教授を講師としてお招きし企業セミナーを開催しましたのでご報告いたします。
本セミナーでは富永教授から最新の研究成果や応用技術について、マンダムの研究員からTRPチャネルの動物実験代替法への応用についてご紹介しました。

【企業セミナー概要】
■学会名:日本動物実験代替法学会 第34回大会
■開催日:2021年11月12日(金)
■テーマ:刺激感受性:温度感受性TRPチャネルの生理機能
■登壇者:自然科学研究機構・生命創生探究センター 富永真琴教授
     株式会社マンダム 製品評価研究所 高石雅之
 

【講演内容】

■富永教授
人が痛みや温度を感じるメカニズムにTRPチャネルが関与していることから始まり、生物の進化の過程においてTRPA1が機能変化してきたことや、熱帯と温帯の蚊で温度感受性行動が異なることなどのTRPチャネルの温度に関わる話や、蚊やマウスの唾液によってTRPV1、TRPA1活性を抑制するという鎮痛作用メカニズムについて講演。

■マンダム研究員
感覚刺激における動物実験代替法として確立した、ヘアカラー製品・クレンジング剤・清涼化粧品に関するTRPチャネル技術を用いた試験法について講演。

※画像は講演の様子:TRPチャネルの象徴例である「唐辛子」柄のネクタイでご講演される富永先生

 

 

《TRPチャネルとは》

TRPチャネルは五感とは別の、温度や化学刺激を感じ取る細胞の感覚センサーです。例えばTRPV1は約43℃以上の温度で活性化されますが、トウガラシの辛みの主成分でも活性化して灼熱感を与えるように、温度だけでなく化学刺激も感じます。

 

マンダムは2005年から富永真琴教授とTRPチャネルの共同研究を行い、化粧品業界においてTRPチャネル研究を牽引してきました。このTRPチャネルは2021年ノーベル医学・生理学賞の受賞テーマである「温度・触覚の受容体」のひとつであり、世界的に注目度の高い研究分野です。
また、2007年からは「日本動物実験代替法学会」を介して助成金制度を開始し、動物実験代替法の開発を積極的に支援してきました。自社においても「動物実験の置き換え(Replacement)」に着目した代替法の開発に取り組んでおり、TRPチャネルを活用した独自の皮膚感覚評価法を確立しました。
今後も、TRPチャネル研究を牽引する企業、また動物実験代替法を推進する企業として、TRPチャネル研究を応用した動物実験代替法の開発や発展に積極的に取り組んで参ります。

【登壇者プロフィール】

富永 真琴教授/自然科学研究機構・生命創生探究センター
日本におけるTRPチャネル研究の第一人者。2021年ノーベル医学・生理学賞を受賞したカリフォルニア大学のDavid Julius教授のチームに日本人として唯一参画し、TRPV1の機能発見に貢献した。

 

 

高石 雅之/株式会社マンダム
2016年、TRPチャネル技術に関する研究成果を基に自然科学研究機構にて学位(理学博士)を取得。日本化粧品工業連合会 動物実験代替法部会にも参画し、新規試験法の開発にも注力している。

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