アッヴィ、進行期パーキンソン病患者さんに対する第III相ピボタル試験結果を発表

アッヴィのプレスリリース

アッヴィ、進行期パーキンソン病患者さんに対する第III相ピボタル試験において、ABBV-951(ホスレボドパ/ホスカルビドパ)が経口レボドパ/カルビドパ療法と比較して、運動機能の日内変動の改善を示したと発表

 

●進行期パーキンソン病の患者さんを対象とするABBV-951(ホスレボドパ/ホスカルビドパ)持続皮下注射療法による12週間の第III相、無作為化、二重盲検、ダブルダミー、実薬対照、ピボタル試験において、主要評価項目を達成

●ABBV-951を持続投与(24時間/日)した患者さんにおいて、経口レボドパ/カルビドパと比較し、日常生活に支障となるジスキネジアを伴わない「オン」時間が統計的に有意に増加、「オフ」時間も有意に減少

●全身性の有害事象はレボドパ/カルビドパ療法の確立された安全性プロファイルと概ね一致しており、注入部位における有害事象は大部分が軽度から中等度の非重篤な結果

●優越性を直接比較した本試験から得られたデータは、今後の各国での承認申請における重要な要素

 

イリノイ州ノースシカゴ、2021年10月28日-アッヴィ(NYSE: ABBV)は、第III相、無作為化、二重盲検、ダブルダミー、実薬対照試験において、ABBV-951(ホスレボドパ/ホスカルビドパ)の24時間持続皮下注射が、経口レボドパ/カルビドパに対し、進行期パーキンソン病(PD)の患者さんの運動機能の日内変動を軽減させる効果について統計的な優越性を示したと発表しました。12時間後における日常生活に支障となるジスキネジア(不随意運動)を伴わない「オン」時間(パーキンソン病症状日誌に基づき評価)がベースラインから増加することが示され、主要評価項目を達成しました1。この結果は、今後の各国での承認申請において重要な要素となります。

 

12週目での「オン」時間の増加は、ABBV-951の2.72時間に対し、経口レボドパ/カルビドパ(LD/CD)では0.97時間でした(p=0.0083)1。「オン」時間の改善は1週目から認められ、12週間継続しました1。正規化した1日あたりの平均「オフ」時間のベースラインからの改善も、経口LD/CDと比較し1週目から12週間目まで継続して減少し、類似したパターンを取りました1。12週間後の「オフ」時間の減少は、ABBV-951の2.75時間に対し、経口LD/CDでは0.96時間でした(p=0.0054)1

 

アッヴィのバイスチェアマン兼プレジデントであるマイケル・セヴェリーノM.D.は次のように述べています。「パーキンソン病は、進行性で不可逆性の神経疾患であり、消耗性の症状を伴うことから、日常生活に困難をきたします。我々は患者さんの長年のニーズに応えようと懸命に取り組んでおり、進行期パーキンソン病患者さんにとって新たな治療選択肢の可能性を示す今回の結果を喜ばしく思います」

 

米国神経学会フェローで、ワシントン大学臨床准教授、ワシントン州立大学エルソン S. フロイド医科大学臨床助教授であり、試験の責任医師であるセルカーク・ニューロロジーのジェイソン・アルドレッドM.D.は次のように述べています。「患者さんは、消耗性疾患であるパーキンソン病の症状と日常生活に支障となるジスキネジアを制御する、より多くの治療選択肢を必要としています。今回のデータは有望であり、進行期パーキンソン病治療薬の有効性の評価に使用される重要なエンドポイントについて良好な結果を示すものでもあります」

 

ABBV-951群で報告された有害事象(AE)の大部分は非重篤で、軽度から中等度のものでした1。重篤なAEの発現率は、ABBV-951群で8%、経口LD/CD群で6%でした1。治療下で発現した死亡に至るAEは、経口LD/CD群にて1例、ABBV-951群では発現しませんでした1。ABBV-951群で5%以上の高頻度で報告されたAEは、注入部位におけるAE(紅斑、疼痛、蜂巣炎、浮腫、紫斑、出血、結節、硬結、感染症、掻痒)、ジスキネジア、「オン・オフ」現象、転倒、幻覚(幻視を含む)、平衡障害、便秘および末梢性浮腫でした1。注入部位におけるAEの発現率は、ABBV-951群で経口LD/CD群より高く、その多くは非重篤で、軽度から中等度、治療なしあるいは治療により治癒し、全身性の合併症へ至ったものはありませんでした1。幻覚および精神疾患のAEの発現率は、ABBV-951群で経口LD/CD群よりも高く1、その大部分は非重篤で、軽度から中等度でした。転倒、および転倒に伴う傷害の発現率は、ABBV-951群が経口LD/CD群よりも低いという結果になりました1。試験治療の中止に至ったAEは、ABBV-951群の患者さんで21.6%、経口LD/CD群で1.5%でした1

 

第III相試験の全結果は、今後学会や査読誌で公表する予定です。ABBV-951による治療は現在試験が進行中であり、ABBV-951の使用は承認されておりません。ABBV-951の安全性および有効性について、規制当局による評価はされていません。

 

IIIM15-736試験2

第III相、無作為化、二重盲検、ダブルダミー、実薬対照試験において、進行期パーキンソン病の患者さんを対象としてABBV-951(ホスレボドパ/ホスカルビドパ)の有効性、安全性および忍容性を経口LD/CDと比較しました。患者さんへ運動機能の状態を評価するためのパーキンソン病日誌(PD日誌)を提供しました。主要評価項目である『「良い」時間』は、ジスキネジアを伴わない「オン」時間および日常生活に支障とならないジスキネジアを伴う「オン」時間と定義しました。対照として『「悪い」時間』を「オフ」時間および日常生活に支障となるジスキネジアを伴う「オン」時間と定義しました。主要評価項目である『「良い」時間』を収集し、連続した3日間で平均を算出、一般的な覚醒時間である16時間で正規化しました。ベースライン値は、無作為割付前のPD日誌による3日間に収集し、正規化された『「良い」時間』の平均としました。世界80施設(日本は除く)において、進行期PDの成人患者さん約130名が本試験に参加しました。本試験は2群により構成され、第1群の患者さんには、ABBV-951溶液を持続皮下投与し、さらにレボドパ/カルビドパのプラセボの経口カプセル剤を投与しました。第2群の患者さんには、ABBV-951のプラセボ溶液を持続皮下投与し、さらにレボドパ/カルビドパのカプセル化錠剤を含む経口カプセルを投与しました。治療期間は12週間でした。本試験に関する詳細はwww.clinicaltrials.gov(NCT04380142)をご覧ください。

 

ABBV-951について

ABBV-951(ホスレボドパ/ホスカルビドパ)は、持続皮下注射用のレボドパ/カルビドパのプロドラッグ溶液で、経口治療薬で運動症状を制御できない進行期パーキンソン病の治療薬として現在試験が進行中です。

 

パーキンソン病について

パーキンソン病の患者数は全世界で1,000万人以上です3。パーキンソン病は振戦、筋固縮、動作緩慢および平衡障害を特徴とする進行性かつ慢性の神経障害です4。パーキンソン病の運動症状は、脳におけるドパミン産生細胞の消失によって引き起こされ、ドパミン産生細胞の約60~80%が消失した時点で発現し始めます4。症状は経時的に緩徐に悪化し続けます5。パーキンソン病に対する根治的治療法は知られていませんが、症状の軽減に有用な治療法があります6

 

パーキンソン病が進行すると、「オン」状態(症状が概ねよく制御されている)から「オフ」状態への変動が起こります。この間、振戦やこわばりが再び出現し、動作がさらに困難になります7。日常活動を著しく妨げるジスキネジア(不随意運動)が現れることもあります7。運動機能の日内変動やジスキネジア等の運動合併症の発現は、病気の進行とレボドパ濃度の変動に起因し、治療開始2~5年後に50%、治療開始10年で約80~100%の患者さんで運動合併症の発現が報告されています8

 

神経疾患領域におけるアッヴィ

アッヴィは、神経・精神障害を抱える患者さんがその人らしく生きるため継続した取り組みを行っています。この未踏の地への挑戦を重ねるごとに、患者さん、介助者や臨床医の皆さんのためにソリューションを発見し提供していくという固い決意と情熱を抱き前進しています。当社の神経疾患領域のポートフォリオは、アルツハイマー病、双極性障害、うつ病、片頭痛、パーキンソン病、脊髄損傷、脳卒中後痙縮、統合失調症、脳卒中等の神経・精神障害に対する承認された治療法と強固なパイプラインで構成されます。

 

当社は神経疾患分野の研究に積極的に投資を行っており、マサチューセッツ州ケンブリッジおよびドイツのルートヴィヒスハーフェンに研究施設Neuroscience Discoveryを構えます。当社はこの難しい治療領域における研究とレジリエンスにより、神経・精神障害についての病態生理への理解を深め、人々の生活に変化をもたらす疾患修飾療法へと繋がる可能性のある創薬ターゲットを探求しています。

 

アッヴィについて

アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvieFacebookInstagramYouTubeLinkedInやでも情報を公開しています。

 

日本においては、1,300人を超える社員が、医療用医薬品の開発、輸入、製造販売に従事しています。自己免疫疾患、肝疾患、神経疾患、がんの各領域を中心に、患者さんの人生を豊かにしたいと願い、日々の業務に取り組んでいます。詳しくは、www.abbvie.co.jpをご覧ください。

 

 

Forward-Looking Statements

Some statements in this news release are, or may be considered, forward-looking statements for purposes of the Private Securities Litigation Reform Act of 1995. The words “believe,” “expect,” “anticipate,” “project” and similar expressions, among others, generally identify forward-looking statements. AbbVie cautions that these forward-looking statements are subject to risks and uncertainties that may cause actual results to differ materially from those indicated in the forward-looking statements. Such risks and uncertainties include, but are not limited to, failure to realize the expected benefits from AbbVie’s acquisition of Allergan plc (“Allergan”), failure to promptly and effectively integrate Allergan’s businesses, competition from other products, challenges to intellectual property, difficulties inherent in the research and development process, adverse litigation or government action, changes to laws and regulations applicable to our industry and the impact of public health outbreaks, epidemics or pandemics, such as COVID-19. Additional information about the economic, competitive, governmental, technological and other factors that may affect AbbVie’s operations is set forth in Item 1A, “Risk Factors,” of AbbVie’s 2020 Annual Report on Form 10-K, which has been filed with the Securities and Exchange Commission, as updated by its subsequent Quarterly Reports on Form 10-Q. AbbVie undertakes no obligation to release publicly any revisions to forward-looking statements as a result of subsequent events or developments, except as required by law.

1.AbbVie. Data on file

2.Study Comparing Continuous Subcutaneous Infusion Of ABBV-951 With Oral Carbidopa/Levodopa Tablets For Treatment Of Motor Fluctuations in Adult Participants With Advanced Parkinson’s Disease. ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04380142? term=NCT04380142&draw=2&rank=1. Accessed October 27, 2021.

3.Statistics. Parkinson’s Foundation. Available at: https://www.parkinson.org/UnderstandingParkinsons/Statistics#:~:text=More%20than%2010%20million%20people. Accessed October 27, 2021.

4.About Parkinson’s: Parkinson’s 101. The Michael J. Fox Foundation for Parkinson’s Research. Available at: https://www.michaeljfox.org/understanding-parkinsons/i-have-got-what.php#q2. Accessed October 27, 2021.

5.Parkinson’s Disease: Challenges, Progress, and Promise. National Institute of Neurological Disorders and Stroke. Available at: https://www.ninds.nih.gov/Disorders/All-Disorders/Parkinsons-Disease-Challenges-Progress-and-Promise. Accessed October 27, 2021.

6.Parkinson’s Disease. National Institute on Aging. Available at: https://www.nia.nih.gov/health/parkinsons-disease. Accessed October 26, 2021.

7.Wearing off and motor fluctuations. European Parkinson’s Disease Association. Available at: https://www.epda.eu.com/about-parkinsons/symptoms/motor-symptoms/wearing-off-and-motor-fluctuations/. Accessed October 27, 2021.

8.Freitas ME, Hess CW, Fox SH. Motor Complications of Dopaminergic Medications in Parkinson’s Disease. Semin Neurol. 2017;37(2):147-157. doi:10.1055/s-0037-1602423).

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