業界初※1 浮遊する新型コロナウイルスの不活化を実証

エアロシールド株式会社のプレスリリース

エアロシールド株式会社(本社:大分県大分市、代表取締役:長谷川忠、以下、エアロシールド社)と株式会社富士通ゼネラル(当社親会社、以下富士通ゼネラル社)は、一般財団法人日本繊維製品品質技術センターと共同で、業界で初めて紫外線水平照射技術「n-UV技術」により、空間に浮遊する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2※3、デルタ株)が1分で99%以上不活化することを確認しました。なお、本技術はエアロシールド社が独自に有しており、有人空間で紫外線を水平照射してウイルスや細菌などを不活化するものです。
富士通ゼネラルグループは、今後も清潔・除菌分野における研究開発に注力し、世界の空気環境対策へ貢献していきます。

n-UV技術とは
「n-UV技術」は、室内の浮遊ウイルスや細菌を不活化する事を目的に、エアロシールド社が開発した独自の空気環境対策技術です。

ウイルスや細菌の核酸(DNA/RNA)に直接ダメージを与えることで知られる紫外線(波長:254nm)を、効率よく前面に反射させる『紫外線専用反射板』および、紫外線の下方照射を防止する『水平ルーバー』の構造により、室内空間上部への水平照射を可能とし、有人空間で人に影響を与えず浮遊ウイルスや細菌を不活化する点が特長です。なお、紫外線の室上部照射は、CDC(米国疾病対策センター)が十分な換気ができない場合に推奨している空気清浄方式※4の一つです。

【実証試験の背景】
現在、厚生労働省は新型コロナウイルスの感染経路について、「感染者(無症状病原体保有者を含む)から咳、くしゃみ、会話などの際に排出されるウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル(飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)の吸入が主要感染経路と考えられる」※5としています。さらに、「エアロゾルは空気中にとどまりうることから、換気不十分な環境などでは、感染が拡大するリスクがある」※5と報告しています。また、富士通ゼネラル社においても、「エアロゾル粒子の上昇」の挙動解析を実施し、口から出た後20秒程度で天井に到達することを確認しています。
今回、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2、デルタ株)を1㎥の密閉空間にエアロゾルのように浮遊させ、「n-UV技術」を用いて不活化する実証試験を行いました。

実証試験の特長】

  1. 業界初 空間に浮遊している新型コロナウイルスの不活化を実証
  2. n-UV技術」により、新型コロナウイルスSARS-CoV-2、デルタ株)1分で99%以上不活化

※1 紫外線を水平照射し、浮遊する新型コロナウイルスを99%以上不活化することにおいて。2021年11月19日時点(富士通ゼネラル社調べ)
※2 nucleotide cut Ultraviolet(核酸カット紫外線技術)
※3 Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2
※4 Centers for Disease Control and Prevention Summary of Changes Update as June 2, 2021
※5 新型コロナウイルス感染症Covid-19 診療の手引き 第6.0版

実証試験方法と結果
<方法>
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2、デルタ株)の懸濁液を1㎥の密閉空間内でネブライザーを用いてエアロゾルのように浮遊させます。この空間内に「n-UV技術」を搭載した試験装置を設置し、撹拌用のファンで対流を発生させ空気を循環することで、浮遊ウイルスに紫外線を照射します。
「n-UV技術」を搭載した試験装置の通電開始を0分として、開始から1、3、10分後の密閉空間内の空気を、リン酸緩衝生理食塩水回収液20 mlが入ったバイオサンプラーにバブリングすることで、ウイルスを回収しました。この回収液0.1ml当たりのウイルス感染価をプラーク法にて測定して、1㎥当たりの新型コロナウイルスの感染価とし、減少率を算出しました。なお、本検証は密閉した試験空間の結果であり、実使用空間における効果を検証したものではありません。

▲浮遊ウイルス感染価測定試験イメージ

<結果>
密閉空間内に浮遊する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2、デルタ株)は、紫外線水平照射技術「n-UV技術」により、試験装置を稼働しない場合と比較して、1分間で99.1%、3分間で検出限界の99.9%減少することを確認しました。

▲浮遊ウイルス感染価測定結果
 

▲試験装置通電時の回収液0.1ml当たりのプラーク形成​

【ご参考】
・会話で発生するエアロゾル粒子の上昇(挙動解析結果)
 (株式会社富士通ゼネラル、株式会社環境シミュレーションが共同で実施)
 
<シミュレーション条件>
 ―マスクを着用していない状態で会話した際の飛沫を想定。その中でもエアロゾル粒子の粒径2~5µm
のみで熱流体解析を用いて、粒子の挙動を算出した。
 ―部屋サイズ:3.7m×4.0m×2.75m
 

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