【研究情報】「熟成ホップエキス」の新たな機能を発見

株式会社ファンケルのプレスリリース

株式会社ファンケルは、「熟成ホップエキス」(1)について、化粧品の原料化と新たな機能に関する研究を行っています。このたび、「熟成ホップエキス」を配合した乳液のヒトでの連用試験を実施したところ、毛穴の状態改善効果と皮膚炎症に対する抑制効果を確認しましたのでお知らせします。
なお、本研究成果は、2021年11月13日から11月14日に実施された第85回日本皮膚科学会東京支部学術大会にて発表しました。また、キリンホールディングス株式会社(社長 磯崎功典、以降キリンと表記)と共同で特許出願をしています。

<研究方法・結果>
健常皮膚を有する17人に5%「熟成ホップエキス」配合乳液と「熟成ホップエキス」無配合の乳液(以降、無配合乳液と表記)を半顔ずつ朝晩の2回を4週間連続で使用し、使用前後の皮膚状態を測定しました。その結果、「熟成ホップエキス」配合乳液の使用面は使用前後の比較で毛穴体積が縮小したのに対し、無配合乳液の使用面には縮小が見られませんでした(図1)。このことから、「熟成ホップエキス」を配合することで毛穴の体積を小さくし、毛穴の目立ちを抑制することが期待されます。

次に、炎症に関連するタンパク質である、好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)(2)の角層中の量を測定しました。その結果、「熟成ホップエキス」配合乳液使用面は、無配合乳液使用面に比べてNGAL量の増加が抑制されました(図2)。このことから、皮膚の炎症を抑制する効果が期待できます。
<研究背景・目的>
当社ではこれまでに「熟成ホップエキス」が角栓の構成成分の一つであるケラチンを膨潤させることをキリンとの共同研究で確認をしています。また、皮脂の構成成分であるリノール酸に対する酸化防止効果も当社で確認をしています。これらの結果から毛穴状態の改善効果が期待されます。そこで「熟成ホップエキス」を配合した化粧品を使ったヒトでの連用試験を行い、実使用での毛穴状態の改善効果について確認しました。
今後展望
今後も、「熟成ホップエキス」を化粧品原料としての可能性をさまざまな角度から研究を進めてまいります。また、今回取得した毛穴に対する機能性の結果を応用し、幅広い製品への検討をしていきます。

【用語説明】
(1)熟成ホップエキス:
ヨーロッパで古くから薬用ハーブとして生活の中で親しまれている「ホップ」の健康機能に着目して開発されたキリン独自の素材。
(2)好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL):
NAGL:Neutrophil Gelatinase-Associated Lipocalinの略。好中球、表皮細胞などから産生されるタンパク質で、細菌感染における自然免疫応答において重要な役割を持つと考えられている。急性腎不全や尋常性痤瘡(ニキビ)などに関連して発現量が高くなることが報告されており、炎症との関連が示唆されている。

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