株式会社ファーメンステーションのプレスリリース
独自の発酵技術で未利用資源を再生・循環させる社会を構築する研究開発型スタートアップの株式会社ファーメンステーション(本社:東京都、代表取締役:酒井 里奈、以下ファーメンステーション)は、間伐材等の木質由来の高濃度エタノールの製造を実現し商用化いたしました。今後化粧品原料等で展開を予定しております。
また、日本ゼトック株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:神保 貞夫、以下日本ゼトック)と、木質のアルコール発酵時に発生する発酵副産物を活用し、木質発酵エキスを化粧品原料として共同開発しました。対象とした木質は「山桜」の木部で、「桜樹木発酵エキス」として今後販売を予定しております。本取り組みを通じて、木質からエタノールを製造するのみならず、その発酵副産物も余すことなく原料化する取り組みが実現いたしました。
ファーメンステーションでは、規格外の農産物や食品・飲料製造時に出る副産物といったフードロス/ウェイスト、その他の未利用バイオマスを原材料とし、独自の発酵技術・製造設備を活用したエタノール等の発酵原料の技術開発、商用化製造を加速し、「バイオものづくり」に貢献するとともに、未使用資源のアップサイクルに取り組む企業とのパートナーシップの拡大に取り組みます。
ファーメンステーションは、「木質エタノール」をはじめとした「アップサイクル×発酵でつくる機能性サステナブル原料」を、2023年5月17日~19日にパシフィコ横浜で開催予定の「第11回化粧品産業技術展 CITE JAPAN 2023」に出展します。また、日本ゼトックも同展示会に出展し、「桜樹木発酵エキス」を展示する予定です。
■ファーメンステーションの未利用バイオマス由来エタノールの開発・製造技術
ファーメンステーションがこれまでにエタノール化を実現した未利用バイオマスは多岐に渡り、公表済み(商用化)のものでは、米(休耕田・規格外)、炊飯米(余剰炊飯米)、りんご搾りかす(搾汁残渣)、バナナ(規格外)、じゃがいも(規格外)、桃(規格外)、ゆず搾りかす(搾汁残渣)、飴(規格外)、ワイン残渣(ぶどう搾りかす)、パン(パン耳廃棄)等があります。ファーメンステーションでは、この多種多様な未利用バイオマスからエタノール化を行ってきた技術・ノウハウをもとに、独自の未利用バイオマスデータベースおよび発酵微生物ライブラリをプラットフォーム化しており、今回の木質由来のエタノール開発においてもスピーディーに商用レベルでの製造を実現しました。
ファーメンステーションの製造するエタノールは、未利用資源のアップサイクルであることに加え、由来の明確な原材料をもとに100%国内製造していることで実現するトレーサビリティ、100%再生可能エネルギーで操業する国内工場で製造した環境負荷の低い製造、独自のテクスチャーや香りのコントロールなどの機能性など、既存のバイオエタノールにない特徴を有しております。これらの特徴をいかし、様々な用途に応用が可能な原料として、化粧品・日用品・香水・衛生用品をはじめとした高付加価値市場での活用が進んでおり、加えて、昨今需要が高まるバイオプラスチック原料や燃料(SAF)等の用途としても引き合いがあります。
国内において、流通しているバイオエタノールの多くは海外の穀物等を原材料とし国外で製造され輸入されるものが大半ですが、昨今の食糧原料の高騰やバイオエタノールの需要増加等もありバイオエタノールの供給力の安定化や増加が求められております。また、円安等の影響からも国内におけるバイオエタノール調達方法の拡充が求められる中で、ファーメンステーションは、国内で数少ない工業用アルコール(エタノール)の製造許認可事業者として、食糧と競合するような新たな資源を生産・使用せず、国内で大量に発生する未利用バイオマスを原材料に、完全に国内で製造をするモデルを有しており、多様な市場で需要が高まるバイオエタノール需要に応えてまいります。国内でも様々な用途で未利用バイオマス由来のエタノール開発の動きが生まれている中、今後積極的に外部パートナー企業とも連携し、「バイオものづくり」において技術提供や共創を通じた技術開発・製造を行っていく予定です。
■日本ゼトックと共同開発した「桜樹木発酵エキス」
エタノールを製造する際に発生する発酵副産物は、従来のエタノール製造においては廃棄の対象になるなど有効に活用されない場合が多いものです。一方、ファーメンステーションでは、これまでもアルコール発酵時に発生する発酵副産物(発酵粕)を活用し、機能性を有する発酵エキスとして化粧品原料化するなど、ごみゼロの製造プロセスとアップサイクル素材化を徹底してまいりました。
この度、木質のアルコール発酵時に発生する発酵副産物を活用し、日本ゼトックと木質発酵エキスを化粧品原料として共同開発しました。対象とした木質は「山桜」の木部で、「桜樹木発酵エキス」(アスペルギルス/サッカロミセス)/ヤマザクラ木発酵エキス)として今後販売を予定しております。本取り組みを通じて、木質からエタノールを製造するのみならず、その発酵副産物も余すことなく原料化する取り組みが実現いたしました。
商品名 :桜樹木発酵エキス(BG)
表示名称:(アスペルギルス/サッカロミセス)/ヤマザクラ木発酵エキス、BG
INCI名 :Aspergillus/Saccharomyces/Prunus Serrulata Wood Ferment Extract Filtrate, Butylene Glycol
また、今回の粗原料とした「山桜」は、岩手県岩泉町の森林で育つ山桜の伐採木を活用しています。岩手県岩泉町には、町の総面積の9割を占める森林が広がっています。広葉樹を中心とした天然林と人工林がモザイク状に分布しており、樹種ごとに丁寧に選別して用いる林業が昔と変わらず今も営まれています。広葉樹は伐採した切り株からまた新たに芽吹いて再成長するため、植林する必要がありません。これは萌芽更新と呼ばれます。定期的に木を切りだして森の若返りを図ることは、里山の維持には欠かせないものです。伐採により切り開かれた土地には明るい日光が差し込み、様々な植物が育つことで生物多様性が保たれます。今回開発した「桜樹木発酵エキス」は、このような里山で営まれる自然との共生サイクルの恵みを活用した商品となります。
■第11回化粧品産業技術展 CITE JAPAN 2023への出展について
ファーメンステーションは、「アップサイクル×発酵でつくる機能性サステナブル原料」を、2023年5月17日~19日にパシフィコ横浜で開催予定の「第11回化粧品産業技術展 CITE JAPAN 2023」に出展します。「木質エタノール」をはじめとしたアップサイクル発酵原料をはじめ、初公開する原料も複数展示いたします。原料サンプルや一部当該原料を配合したサンプル商品もご用意しておりますので、アップサイクル原料・発酵原料をお探しの化粧品メーカーの商品開発・研究開発・マーケティング等のご担当者様のお越しをお待ちしております。
<展示会概要>
・展示会名:第11回化粧品産業技術展 CITE JAPAN 2023
・開催期間:2023年5月17日(水)~19(金) 10時~17時(最終日は16時終了)
・開催場所:パシフィコ横浜 ノース/展示ホール/アネックスホール
・出展ブース番号:展示ホール A7-20
【ファーメンステーションについて】
ファーメンステーションは「Fermenting a Renewable Society(発酵で楽しい社会を!)」をパーパスに、未利用資源を再生・循環させる社会を構築する研究開発型スタートアップです。岩手県奥州市に研究開発拠点兼自社工場(奥州ラボ)を持ち、独自の発酵・蒸留技術でフードロス/ウェイストおよびその他未利用バイオマス由来のエタノールやサステナブルな化粧品原料などを開発・製造しています。これらのアップサイクル原料を化粧品・日用品の原料やその他バイオプラスチック等の産業資材の中間原料として製造販売する原料事業のほか、自社ブランドによるオーガニック化粧品事業、原料提案から製品開発まで一貫して引き受けられる化粧品・ライフスタイル製品等のODM/OEM事業を行っております。また、食品・飲料工場の製造過程等で出る副産物・食品残さなどの様々な未利用資源を活用しアップサイクルすることで、新たな高付加価値の商品を生み出す事業開発を大企業との共創を通じて取り組んでおります。
エタノールの製造過程で生成される発酵粕は、化粧品原料や地域の鶏や牛の飼料として利用し、さらに鶏糞は水田や畑の肥料にするなど、廃棄物ゼロの循環型モデルを構築し、地域循環型社会の形成にも取り組んでおります。
また、地域社会、環境、カスタマー、従業員に対して多面的・包括的な利益を生む事業活動を実践する企業を認証する国際的な制度「B Corp 認証」を取得しています。
会社名 : 株式会社ファーメンステーション
代表者 : 代表取締役 酒井 里奈
所在地 : 〒130-0005 東京都墨田区東駒形2丁目20-2
設立 : 2009年7月7日
事業内容 : フードロス/ウェイストおよびその他未利用バイオマス由来のエタノール・発酵原料の研究開発および製造販売、化粧品・雑貨OEM/ODM、未利用資源を活用した事業共創、自社オーガニックブランド事業
自社サイト : https://fermenstation.co.jp/
オンラインショップ: http://www.fermenstation.jp/
共同開発商品紹介 : https://fermenstation.co.jp/collabo/#products
OEM/ODMご案内 : https://fermenstation.co.jp/oem/
このニュースに関するお問い合わせは、下記までお願いいたします。
株式会社ファーメンステーション 北畠 Tel:03-6206-9485 E-mail:info@fermenstation.jp