株式会社アデランスのプレスリリース
日本医学会総会は、142の分科会が加盟している日本医学会が日本医師会と協力して主催する学術集会で、1902年に第1回開催後、4年毎に開催されてきた伝統ある集会です。第31回となる今回は「ビッグデータが拓く未来の医学と医療~豊かな人生100年時代を求めて~」をメインテーマに、現地開催に加え、ライブ配信も実施されました。
会期中の4月22日(土)にアデランス共催のセミナーが実施され、大分大学医学部 先端がん毛髪医療開発講座[アデランス] 准教授の河野 洋平 先生が講演し、大分大学医学部 消化器・小児外科学講座 教授の猪股 雅史 先生が座長を務めました。
ご講演中の河野先生(手前)と座長の猪股先生(奥)
河野先生(左)と猪股先生(右)
■アデランス共催「ランチョンセミナー11」講演概要
セミナーテーマ
「抗がん剤による皮膚毛包周囲環境の変化に基づく脱毛治療戦略」
座長
大分大学医学部 消化器・小児外科学講座 教授
猪股 雅史 先生
演者
大分大学医学部 先端がん毛髪医療開発講座[アデランス] 准教授
河野 洋平 先生
講演内容
がん治療の進歩により生存期間が延長し、働きながら外来治療を続ける患者が増えた現代では、抗がん剤誘発脱毛をはじめとする外見症状のケアは、その研究の意義が大きい。これまで我々は抗がん剤脱毛における皮膚の病態や、抗酸化物質αリポ酸誘導体の有用性を報告してきた。抗がん剤脱毛に対する、これまでの取り組みとともに研究結果に基づく治療戦略を紹介する。
我々は抗がん剤脱毛動物モデルの毛包周囲環境を観察し、血管透過性の亢進による抗がん剤の毛包周囲への漏出と、続発する皮膚ダメージの病態を示した。この病態に対しαリポ酸誘導体は毛包周囲の血管内皮細胞アポトーシスを抑制し、抗がん剤による血管透過性亢進を軽減する。さらに毛包周囲の酸化ストレスを軽減し、脱毛回復を促す可能性を示した。一方、現在最も臨床応用されている皮膚冷却法について、抗がん剤投与時の冷却は血管を収縮し血管透過性亢進を軽減することで同様に脱毛回復を促すと考えられた。今回、皮膚血管透過性の制御が抗がん剤脱毛治療の一要素である可能性を報告する。今後はこれらの治療を組み合わせることで、より効果的な抗がん剤脱毛治療が開発されることを期待している。
アデランスはトータルヘアソリューションにおけるリーディング企業の使命として、経営理念の一つである「最高の商品」の開発および毛髪関連業界の発展を目指し、機能性人工毛髪や医療用ウィッグの研究開発、育毛・ヘアスカルプケア関連研究、抗がん剤脱毛抑制研究など、産学連携でも毛髪関連の研究を積極的に取り組んでおります。その産学共同研究の成果を国内外の学会を通じて発信し、また、世界の研究者に研究成果を発表いただくことは、毛髪界の更なる進展となり、ひいては多くの方の髪の悩みの解消に寄与し、当社の CSR(企業の社会的責任)であると考えております。
学会概要
学会名称:第31回日本医学会総会
会期 :2023年4月21日(金)~4月23日(日)
会場 :東京国際フォーラム(東京都千代田区)他
会頭 :朝日生命成人病研究所長
国立国際医療研究センター名誉理事長
春日 雅人 先生
※アデランス共催のランチョンセミナーは、4月22日(土)に開催しました。
株式会社アデランスは、おかげ様で2023年をもって創業55周年を迎えます。新時代を表す「NEXT ADERANS」として掲げ、創業当初からの理念「世界のブランド アデランス」を目指し、毛髪・美容・健康・医療・衛生のグローバルウェルネスカンパニーとして夢と感動を提供し続けていきます。