<アデランス産学連携>第32回日本乳癌学会学術総会においてアデランスがモーニングセミナーを共催

抗がん剤治療による脱毛の予防における研究成果を発表

株式会社アデランスのプレスリリース

 毛髪・美容・健康・医療のウェルネス事業をグローバル展開する株式会社アデランス(本社:東京都品川区、代表取締役社長 鈴木 洋昌)は、2024年7月11日(木)~7月13日(土)に仙台国際センター(宮城県仙台市)において開催された第32回日本乳癌学会学術総会で、アデランスがスポンサーシップをとるモーニングセミナーを開催しました。

 会期中の7月12日(金)にアデランス共催のセミナーが実施され、大分大学医学部 先端がん毛髪医療開発講座[アデランス] 准教授の河野 洋平先生が講演し、大分大学医学部長 消化器・小児外科学講座 教授の猪股 雅史先生が座長を務めました。

 セミナーテーマは「がん患者のアピアランス支援」で、抗がん剤治療による脱毛を抑制する研究に関する知見が報告され、セミナー会場は立ち見が出るほど満席の大盛況となりました。

左より、河野先生、猪股先生左より、河野先生、猪股先生

 日本乳癌学会は「乳がんに関する基礎的ならびに臨床的研究を推進し、社会に貢献するとともに、社員及び会員である医師等の乳癌の研究、教育及び診療の向上を図ること」を目的に、10,000人にも及ぶ会員数を擁する一般社団法人で、医師のみならず看護師も多く参加する学会です。

 第32回を迎える今回の学術総会は、「社会への還元を目指した叡智の集結-Shaping the world ahead-」をテーマに宮城県仙台市で開催され、アデランスが本学会にセミナー共催するのは8回目となります。

 アデランスはトータルヘアソリューションにおけるリーディング企業の使命として、経営理念の一つである「最高の商品」の開発および毛髪関連業界の発展を目指し、機能性人工毛髪や医療用ウィッグの研究開発、育毛・ヘアスカルプケア関連研究、抗がん剤脱毛抑制研究など、産学連携において毛髪関連の研究を積極的に取り組んでおります。

 その産学共同研究の成果を国内外の学会を通じて発信し、また、世界の研究者に研究成果を発表いただくことは、毛髪界の更なる進展となり、ひいては多くの方の髪の悩みの解消に寄与し、当社のCSR(企業の社会的責任)であると考えております。

 

■アデランスランチョンセミナー 講演概要

テーマ

 「がん患者のアピアランス支援」

座長

 大分大学医学部長 

 消化器・小児外科学講座 教授

 猪股 雅史先生

演者

 大分大学医学部 先端がん毛髪医療開発講座[アデランス] 准教授

 河野 洋平先生

演題

 最適な抗癌剤治療を目指して

  ~酸化ストレス制御による脱毛治療開発~

講演内容

 がん治療成績向上に伴い、がん経験者数も増加している。がん患者のサバイバーシップ支援が求められ、治療に伴う脱毛など外見変化に対する医療現場のサポートの重要性はますます高くなっている。大分大学では、抗がん剤脱毛の治療開発研究を中心としたがん患者のアピアランス支援に取り組んでおり、抗がん剤脱毛の現状とこれまでの研究成果について報告する。

 我々は酸化ストレスが関与する抗がん剤脱毛の病態に対する抗酸化物質αリポ酸誘導体の効果に注目している。臨床研究では多機関共同研究による乳がん患者100名を対象として、化学療法期間中にαリポ酸誘導体を頭皮に塗布し、脱毛後の回復を促進する結果を示した。リバーストランスレーショナル研究として、抗がん剤脱毛の治療ターゲットとなる病態を明らかにし、αリポ酸誘導体の効果について頭皮冷却療法との作用の相違点など検討した。シクロフォスファミド誘発脱毛モデルにおいて、皮膚冷却およびαリポ酸誘導体経皮投与はいずれもシクロフォスファミドにより起こる皮膚血管透過性亢進を抑制した。さらにαリポ酸誘導体は血管内皮細胞のアポトーシスを抑制した。研究成果に基づいて開発上市されたαリポ酸誘導体配合頭皮用ローションは消化器がん患者における回復期の毛質を改善する効果も示している。

 これまでの研究成果により抗酸化物質αリポ酸誘導体を活用したアピアランス支援は、がん患者のQOLを向上する可能性を示している。今後も基礎・臨床研究を継続し、がん治療における外見変化に対するサポートに貢献していきたい。

講演中の河野先生講演中の河野先生

  • 学会概要

学会名称 :第32回日本乳癌学会学術総会

会  期 :2024年7月11日(木)~7月13日(土)

会  場 :仙台国際センター(宮城県仙台市)

会  長 :東北大学大学院医学系研究科 乳腺・内分泌外科学分野 教授

      石田 孝宣 先生

※アデランス共催のセミナーは7月12日(金)に開催しました。

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