メディパルホールディングスとプリメディカによる、順天堂大学との産学共同研究開始について

~日本人女性の痩せ体型がもたらす健康リスクのメカニズム探索・解明~

株式会社プリメディカのプレスリリース

株式会社メディパルホールディングス(東京都中央区、代表取締役社長:渡辺 秀一、以下、「メディパル」)と、同社の連結子会社である株式会社プリメディカ(東京都港区、代表取締役社長:富永 朋、以下、「プリメディカ」)は、このたび順天堂大学と、「日本人女性における痩せ体型がもたらす健康リスクのメカニズム探索(研究課題番号:E24-0068)」を目的とした産学共同研究(以下、「本研究」)を開始しましたので、お知らせします。

 日本人女性の痩せ率は先進国の中で最も高く*1、糖尿病や骨粗鬆症などの健康リスクと関連する可能性が示されています。痩せ体型が健康リスクをもたらすメカニズムについてはいまだ十分に解明されていませんが、近年では、さまざまな疾患リスクの背景因子として腸内細菌叢※1に注目が集まっています。 腸内細菌叢は体型や食事などの生活習慣により変化するため、痩せ体型がもたらす健康リスクの背景には腸内細菌叢が関連している可能性があります。

 そこで、本研究では、BMI18.5 未満の痩せ体型の女性と BMI18.5 以上の非痩せ体型の女性に対し、腸内細菌叢やその関連因子に違いがあるかを調査します。なお、腸内細菌叢の解析はプリメディカの腸内フローラ検査サービス「Flora Scan®」※2を用いて実施します。

 本研究において、代表機関である順天堂大学では、研究統括・試料収集・統計解析の実施・腸内細菌叢の分析結果の解釈を行います。また、共同研究機関であるメディパルは、分析結果の解釈と社会実装を、同プリメディカでは、分析と分析結果の解釈を、それぞれ担います。

 メディパルの代表取締役社長 渡辺 秀一は、「当社グループは、『流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。』の経営理念のもと、『医療と健康、美』のフィールドにおいて事業を展開しています。本研究で、女性の痩せ体型と腸内細菌叢やその関連因子を明らかにすることで、心身ともに健やかに過ごせるための食習慣や生活習慣の示唆につながることを願っています」と、述べています。

 プリメディカの代表取締役社長 富永 朋は、「病気の診断や治療、スポーツを通した健康維持など、人類の健康寿命の延伸に寄与する取り組みを多くされている順天堂大学と共同研究を開始できることを大変嬉しく思います。腸内細菌叢の解析により、女性特有の疾患リスクや健康リスクの早期発見に貢献し、女性の生涯にわたる健康に寄与できるよう取り組んでまいります」と、述べています。

 痩せ体型には、食習慣、代謝・内分泌異常、病気治療で使用する化学療法等の多様な原因があると考えられていますが、今回の本研究を通じて、痩せ体型がもたらす健康リスクの関連因子およびメカニズムを解明し、すべての女性が心身ともに健康で、自分らしく活躍できる社会の実現を目指していきます。

※1 腸内細菌叢(腸内フローラ)

消化管、主に大腸に棲息する腸内細菌の集まり。ヒトの腸管には、1,000 種類以上、100兆個もの腸内細菌が存在する。

※2 Flora Scan®(フローラスキャン)

京都府立医科大学、摂南大学、プリメディカの三者共同研究の成果を社会実装した腸内フローラ検査サービス。特許取得済みの腸内環境評価システム*を用いて、日本人特有の腸内フローラタイプを 5 つに分類し、疾患との関連性や菌の多様性を評価。

ウェブサイト:https://flora-scan.com/

*特許第 7193810 号「疾患リスク評価のための腸内細菌叢のタイプ分類方法」

<ご参考>

 近年、肥満体型だけでなく痩せ体型も全死亡や疾患のリスクを高めることが示唆されています*2。特に、痩せ体型の女性は骨粗鬆症*3や月経不順*4など、女性特有の疾患リスクが高くなることが知られています。さらに、若年痩せ女性は非痩せ女性に比べ、耐糖能異常を有する人が多く、糖尿病リスクも高いことが示唆されています*5。このように、痩せ体型はさまざまな健康リスクをもたらすことが示されていますが、その関連因子やメカニズムはまだ十分に解明されていません。我が国では、若年女性の痩身願望が強く*6、20 代の痩せた女性の割合が 1980 年頃より大幅に増加し、約 20%に達しています。これは先進国の中で最も高い水準です。そのため、痩せによる健康リスクの保有者は今後さらに増加する懸念があり、痩せに対する健康リスク対策の策定が急務となっています。

参考文献

*1 Takimoto, H., Yoshiike, N., Kaneda, F., & Yoshita, K. (2004). Thinness Among Young Japanese Women. American Journal of Public Health, 94(9), 1592-1595.

*2 Bhaskaran, K., Dos-Santos-Silva, I., Leon, D. A., Douglas, I. J., & Smeeth, L. (2018).

Association of BMI with overall and cause-specific mortality: a population-based cohort study of 3·6 million adults in the UK. The Lancet Diabetes & Endocrinology, 6(12),944-953.

*3 Lim, J., & Park, H. S. (2016). Relationship between underweight, bone mineral density and skeletal muscle index in premenopausal Korean women. International Journal of Clinical Practice, 70(6), 462-468.

*4 Wu, L., Zhang, J., Tang, J., & Fang, H. (2022). The relation between body mass index and primary dysmenorrhea: A systematic review and meta ‐ analysis. Acta Obstetriciaet Gynecologica Scandinavica, 101(12), 1364-1373.

*5 Sato, M., Tamura, Y., Nakagata, T., Someya, Y., Kaga, H., Yamasaki, N., Kiya, M., Kadowaki, S., Sugimoto,D., Satoh, H., Kawamori, R., & Watada, H. (2021). Prevalence and Features of Impaired Glucose Tolerance in Young Underweight Japanese Women. J Clin Endocrinol Metab, 106(5), e2053-e2062.

*6 Yasuda, T. (2023). Desire for thinness among young Japanese women from the perspective of objective and subjective ideal body shape. Scientific Reports, 13(1).

                                           以上

【株式会社メディパルホールディングス】

持株会社として「医療用医薬品等卸売事業」、「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」ならびに「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」などを行う関係会社の株式を所有する事による当該関係会社の経営活動の管理・支援およびメディパルグループにおける事業開発等を行う。

ウェブサイト:https://www.medipal.co.jp/

【株式会社プリメディカ】

「病気のリスク検査から始まる予防医療を世の中に広く浸透させ、『医療費の増加』や平均寿命と健康寿命の差がもたらす『介護負担の増加』といった現代医療が抱える構造的な課題の解決を目指します。」を企業理念に掲げ、予防医療事業と最先端医療技術の研究開発事業を行う。メディパルホールディングスの連結子会社。

ウェブサイト:https://www.premedica.co.jp/

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