~医療資源が限られる最北端の離島と協定を締結し、がん検診受診率の倍増を目指す~
Craif株式会社のプレスリリース
尿がん検査「マイシグナル」を全国で提供するCraif株式会社(所在地:東京都文京区、CEO:小野瀨 隆一、以下Craif)は、北海道利尻町(町長:上遠野 浩志)および利尻島国保中央病院と連携し、利尻町におけるがん検診受診率の倍増を目指す「利尻町がん検診推進プロジェクト」を発足しました。これに伴い、町民のがん検診受診率向上に向けた「利尻町がん検診推進連携協定」を締結したことをお知らせいたします。
本プロジェクトでは、がん検診受診率が20%台(*1)と全国平均を大きく下回る北海道・利尻町において、Craif・利尻町・利尻島国保中央病院の三者が連携し、政府の「がん対策推進基本計画」が掲げるがん検診受診率60%の達成を目指します。日本最北端に位置する利尻町は、医療資源が限られる環境の中、がんの早期発見・早期治療によって住民の健康を守り、重症化による医療費の増加を防ぐことが喫緊の課題です。本取り組みではCraifがこれまで自治体や企業、大学などと培ってきたがん検診に対する行動変容のノウハウを活かし、がん検診を「一部の人の特別な行動」ではなく「日常の生活習慣」へと転換することを目指します。がん検診の習慣化を地域に根付かせることで、住民の意識と行動の変化を促進し、持続可能ながん予防の仕組みの構築を実現してまいります。
*1.対策型検診受診率の平均値(利尻町調査データR5)
■ 取り組みの背景
Craifは「人々が天寿を全うする社会」の実現を目指し、医療の中心を“治療”から“予防”へとシフトさせ、がんをはじめとした疾患の早期発見・早期治療に取り組んでいます。日本では高齢化が急速に進み、2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんで亡くなる時代に突入しています。一方で、がん検診の受診率は約40%(*2)と、国際的にも低水準にとどまっています。特に北海道では、医療機関や人材の不足、広大な地理的制約などが影響し、全国的にも検診率の低い地域が多く存在します。中でも離島である利尻町では、医療資源が限られており、がんの早期発見が難しくなることで、重症化や医療費の高騰につながるリスクが高まっています。
こうした背景を受けて、Craifは2023年、北海道大学や旭川医科大学、サツドラホールディングス株式会社などとともに、がん早期発見・早期治療に向けたコンソーシアム「CRUSH-Cancer」(*3)を設立。コンソーシアムの一環として、2024年に北海道岩内町にて尿がん検査「マイシグナル」を用いた前向き観察研究を実施し、その結果、ステージ0での肺がんの早期発見・治療に成功(*4)するなど、予防医療の実績を積み重ねています。
今回の利尻町との取り組みは、こうした北海道における活動をさらに深化させるものです。特に医療資源が限られており検診率が低い利尻町で、効果的に検診率を上げることで、住民の命を住民自らが守り、将来的な医療費の抑制にも貢献してまいります。
*2.国立がん研究センターがん対策情報センター
*3.Cooperative Research group for Urinary miRNA-SCREENING-Hokkaido-Cancerの略
*4.詳細はこちら https://craif.com/20250616/
■ 「利尻町がん検診推進プロジェクト」の詳細
・概要:がん検診受診率(*5)が20%台と低迷する利尻町において、今後3年間で受診率を60%まで引き上げ、がんの早期発見・早期治療の実現を目指します。
・推進体制:Craif、利尻町、利尻島国保中央病院
※啓発・技術協力「CRUSH-Cancer」
・具体的な取り組み(予定):
- がんに関する啓発活動(広報・住民向けイベントなど)
- 意識調査およびヘルスケアデータの収集・分析・活用
- がん検診の受診体制の拡充
- がん検診受診インセンティブ設計(商品券付与や「マイシグナル」の提供を検討中)
*5.対策型検診が対象
■「 マイシグナルシリーズ」について
「マイシグナルシリーズ」は、予防と早期発見につなげる、がんリスク検査です。このシリーズはマイクロRNA×AIでがんリスクを高精度に評価する検査「マイシグナル・スキャン」、より手軽にがんリスクを評価する検査「マイシグナル・ライト」、がんに特化した遺伝子検査「マイシグナル・ナビ」、DNAダメージをモニタリング・予防につなげる検査「マイシグナル・チェック」で構成されています。どの検査も尿やだ液を採取するだけで、体に負担なく検査することが可能です。4つの検査を通じて、自らの体質的なリスクを知り、日々のDNAのダメージをモニタリングすることで発症予防をサポート。それでも防ぎきれないがんを早期発見することを一気通貫でサポートし、がんの予防と早期発見を促進することを目指した包括的ながん対策です。
詳細はWebサイトをご覧ください。
マイシグナルシリーズは医療機器ではありません。解析した情報を統計的に計算することによりリスクを判定するものであり、医療行為としてがんに罹患しているかどうかの「診断」に変わるものではなく、リスクが低いと判定された場合でもがんが無いまたは将来がんにかからないとは限りません。
■ Craifについて
Craifは、2018年創業の名古屋大学発ベンチャー企業です。尿などの簡単に採取できる体液中から、マイクロRNAをはじめとする病気に関連した生体物質を高い精度で検出する基盤技術「NANO IP®︎(NANO Intelligence Platform)」を有しています。CraifはNANO IP®︎を用いてがんの早期発見や一人ひとりに合わせた医療を実現するための検査の開発に取り組んでいます。さらに、すい臓がんが当たり前に早期発見できる世の中を目指し、「すい臓がん啓発プロジェクト powered by マイシグナル」を発足し、がんの啓発活動を推進しています。
【会社概要】
社名:Craif株式会社(読み:クライフ、英語表記:Craif Inc.)
代表者:代表取締役 小野瀨 隆一
設立:2018年5月
資本金:1億円(2024年3月1日現在)
事業:がん領域を中心とした疾患の早期発見や個別化医療の実現に向けた次世代検査の研究・開発、尿がん検査「マイシグナル®︎」の提供
本社:文京区湯島2-25-7 ITP本郷オフィス5F