共同研究講座「先端ファイトケミカル健康学講座」開設式を開催【丸善製薬株式会社 × 国立大学法人弘前大学】

丸善製薬株式会社のプレスリリース

左から:【弘前大学】石橋恭之医学研究科長、福田眞作学長【丸善製薬株式会社】代表取締役社長日暮泰広、執行役員桒原浩誠

丸善製薬株式会社(本社:広島県尾道市、代表取締役社長:日暮泰広)と国立大学法人弘前大学(所在地:青森県弘前市、学長:福田眞作)は、2025年4月1日付で、共同研究講座「先端ファイトケミカル健康学講座」を開設し、6月23日に弘前大学医学部大会議室にて開設式を執り行いました。

講座開設の背景

日本は 「人生100年時代」を迎え、全ての国民が元気に活躍し続ける社会、安心して暮らすことができる社会を創造していくことが求められています。また、近年国民の生活スタイルも多様化し、健康に対する意識も高まったことにより、生活者が「自分の健康は、自分のために、自分で守る」という考え方が広まって、個々人に寄り添った健康ソリューションを提供するニーズが高まってきています。
このような時代のニーズに応えるために、弘前大学と丸善製薬は、互いに連携することになりました。

弘前大学COI—NEXT(※1)では、2005年から実施してきた「岩木健康増進プロジェクト(※2)」の超多項目健康ビッグデータをベースに予防医療に焦点を当てた研究を進めております。
また、丸善製薬は、ポリフェノールを代表とするファイトケミカル(植物由来の機能性成分)およびその腸内細菌代謝物に着目して、植物成分が人体でどのように力を発揮しているのか研究し、人々の健康寿命延伸への寄与を目指しております。

講座の概要

植物由来の機能性成分の代表例としてポリフェノールがあり、多くの研究がその有効性を示していますが、吸収率が低く、作用機序には未解明な点も多くあります。コーヒーやリンゴに含まれるクロロゲン酸、柑橘類に含まれるヘスペリジン、米ぬかに含まれるγ-オリザノール、ウコンに含まれるクルクミンなど一部のポリフェノールは、腸内細菌によって代謝されると共通して3-(4-hydroxy-3-methoxyphenyl)propionic acid(HMPA)が検出されます。これまでに丸善製薬ではHMPAについて抗肥満作用、血糖値上昇抑制作用、LDL-コレステロール低減作用などの健康効果を見出してきましたが、一方でヒトにおいて観察研究を通じて体内のHMPAと健康指標との関連を解析した例はありません。
本共同研究講座では植物由来成分の機能性発揮を多角的に捉え、岩木健康増進プロジェクトを通じて植物由来成分およびその代謝物を対象にそれらの濃度や変動するバイオマーカー、生活習慣、食習慣、健康指標との関わりを明らかにし、人々の健康寿命の延伸に貢献することを目的としています。

<講 座 名>『先端ファイトケミカル健康学講座』
<契約期間>2025年4月1日 〜 2028年3月31日
<設置場所>弘前大学大学院医学研究科附属健康未来イノベーションセンター(青森県弘前市在府町5)
https://coi.hirosaki-u.ac.jp/

開設式の様子

弘前大学福田学長より「現在、弘前COI-NEXTの下、企業による24の大型共同研究講座が開設されている。参画企業と丸善製薬にとって新たな取り組みが生まれることを期待している。ご縁を大切に長いお付き合いにしたい。」との挨拶がありました。

また丸善製薬日暮は「弘前大学と丸善製薬による共同研究講座の開設は非常に意義深い。弘前大学の知識と経験を活用し、私たちが抱える課題に対する新たな解決策を見出すことができると確信している。」と述べ、講座の目的や研究の方向性について以下のように語りました。

「本講座では、植物成分が体内でどのように代謝され、どのような腸内フローラを持っていれば健康に活かせるのかを明らかにしたい。特にポリフェノール摂取後に血液中で検出されるHMPAという成分が、体の恒常性維持に寄与する可能性があることに着目している。弘前大学の健康ビッグデータを活用することで、科学的に意義深い知見の創出が期待される。」

今後の展開

丸善製薬は、「自然の恵みをつなぎ、人々が美しく健康でいられる社会づくりに貢献する」というパーパスのもと、科学的根拠に基づいた素材開発に取り組んでまいりました。

本講座はその理念を学術の現場で具現化するものであり、産学連携の理想的なモデルとして、地域社会、そして国民全体の健康に寄与することを目指します。

(※1)弘前大学COI-NEXT拠点
弘前大学では、2022年10月に文部科学省・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」に採択されました。弘前大学COI-NEXT拠点では、健康を基軸に、若者が地域で働きたいと思える成長産業として魅力的なヘルスケア産業を創出することによって、地域の人々を健康にしながら経済発展し、全世代の人々が生きがいをもって働き続けることができ、心身共にQOLの高い状態での健康寿命を延伸する、well-beingな地域社会モデルの実現をめざしています。これまでの弘前大学COI拠点の成果を発展的に承継し、持続的に成果を創出する自立した産学官共創拠点の形成を目指すプロジェクトです。

(※2)岩木健康増進プロジェクトと弘前大学COI拠点
弘前大学が青森県弘前市岩木地区で2005年から継続実施している大規模合同健康調査で、約3,000項目という世界に例のない膨大な健診項目を設けることで、巨大な健康ビッグデータを記録しています。弘前大学では、2013年に文部科学省・JSTによる「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」に採択され、岩木健康増進プロジェクト健診の超多項目健康ビッグデータの解析により、認知症・生活習慣病などの早期発見を可能にし、予防方法の創出と検証を行い、その成果を社会実装する研究活動を弘前大学COI拠点で展開しました。(2013~2022年)

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