【北海道初のSIB実証 をさらに拡充。2年目は新たなスキームで展開】

成果連動型民間委託契約ソーシャルインパクトボンド(SIB)を活用した運動促進事業「フィットジャーニー」、昨年度はKPIの達成率116%を実現。今年はさらに拡充して実施。

一般社団法人ちくだいKIPのプレスリリース

一般社団法人ちくだいKIP(本拠地:北海道中札内村、代表:山田 共彦、以下「ちくだいKIP」)は、北海道中札内村(村長:川尻 年和、以下「中札内村」)、株式会社すくらむ(本拠地:札幌市、代表:久保 匠、以下「すくらむ」)、そして新たに帯広信用金庫を資金提供者と連携し、成果連動型民間委託契約ソーシャルインパクトボンド(以下「SIB」)を活用した「フィットジャーニー」事業を今年度も実施いたします。

 フィットジャーニーとは 

「フィットジャーニー」は、運動に無関心な人でも自然に参加しやすい仕組みを取り入れた運動促進プログラムです。

 特徴 

  1. ナッジ理論の活用

    「やらなければならない」ではなく、「気づいたらできていた」と感じられるように、心理的ハードルを下げる工夫を随所に盛り込みます。

  2. 多様なアプローチ

    ・基本プログラム / 4コース展開で各コース全6回

    ・新設イベント / 全7回予定です

     を組み合わせ、無関心層が気軽に第一歩を踏み出せる導線を設計しています。

  3. 生活に溶け込む運動

    村民の生活リズムや地域行事に寄り添い、「ついでに」「みんなと一緒に」参加できる形を重視。特別な準備や高い体力は不要です。

  4. 参加者同士のつながり

    運動をきっかけに世代を超えた交流が生まれ、コミュニティづくりにもつながっています。昨年度は「健康になっただけでなく、友達が増えた」という声も寄せられました。


 SIB(ソーシャルインパクトボンド)とは 

SIBとは、行政が直接事業費を負担するのではなく、民間の投資家や金融機関が事業に資金を提供し、その成果に応じて行政が成果報酬を支払う仕組みです。

このモデルでは、

  • 成果が出なければ行政の支出は最小限に抑えられ、 

  • 成果が出れば投資家にリターンが支払われ、 

  • 住民は質の高いサービスを受けられる、 

という「三方良し」の構造が特徴です。

日本ではまだ事例が少なく、全国的にも新しい官民連携の資金調達モデルとして注目されています。

今年はこのSIBに加えて、地域金融機関の融資と民間投資家の投資を組み合わせた“ハイブリッドモデル”で取り組みます。

(詳細はページ下部「ハイブリッドモデルの仕組み」をご参照ください)

新たな資金調達構造「ハイブリッドモデル」の仕組み

 昨年度の実績(2024年度) 

2024年度の「フィットジャーニー」では、設定したKPIを大きく上回る成果を収めました。

  • KPI1(応募者数):目標100人に対し、116人(達成率116%)

  • KPI2(応募者のうち運動無関心層):目標48人に対し、58人

SIBを通じた運動促進プログラムが、特に「運動無関心層」に対して高い効果を持つことが実証されました。

詳細な分析や参加者の声については、インパクトレポートをご参照ください。

また、昨年度のプレスリリースはこちらをご覧ください

今年度の実施内容(2025年度)

  •  4コース展開で各コース全6回

  •  加えて、新たに 7回の運動イベント を開催予定

  •  KPI基準をさらに引き上げ、KPI1は昨年比30%増

  •  KPI2は「昨年の最高値を今年の最低値」とする挑戦的な水準へ 


アップデートのポイント

  1. 資金提供者の拡充と増額

    新たに帯広信用金庫が資金提供者として参画。行政・民間事業者・金融機関が一体となる全国でも稀有な公民連携モデルが実現しました。

    特に本年度は、地域金融機関による融資と民間投資家による投資を組み合わせた「ハイブリッドモデル」を導入。昨年度より資金規模を増額し、より多くの住民にプログラムを届ける体制を整えています。

  2. プログラムの進化

    昨年度のプログラムをベースとしつつ、新たにイベント型を加えることで、運動無関心層のさらなる巻き込みと定着を狙います。

  3. 成果基準の挑戦

    昨年度の成果を「最低ライン」と設定し、KPIをより高い水準へ引き上げました。


 ハイブリッドモデルの仕組み 

今回の「フィットジャーニー」は、従来のSIBスキームに加えて、以下の新しい資金調達構造を採用しています。

  • 基盤部分(全体の約4割):帯広信用金庫による融資で賄い、地域金融機関が地域課題解決に直接関与する形を実現。 

  • 成果連動部分(全体の約6割):株式会社すくらむが拠出し、成果に応じてリターンが決まる形で実施。 

このように、「融資による安定性」×「投資による成果志向」を組み合わせることで、従来のSIBをさらに進化させた全国的にも先進的なモデルとなっています。

コメント

「少子高齢化が急速に進む現代においては、誰もがいきいきと自立した生活を送る地域を作っていくことが重要です。運動は、健康づくりの最も身近で効果的な手段であり、日々の活力を高めるためにも欠かせないものです。

一方で、運動をしたい気持ちがあってもなかなか踏み出せない方や、苦手意識を持っている方が多く存在することも事実です。こうした課題に対して、関係機関と連携し、その知見を活用することで、誰もが取り組みやすい運動を推進していくのがフィットジャーニーです。

フィットジャーニーでは、まだ運動習慣がない方や、運動が苦手な方でも楽しんで継続できるよう、特色のある4つのコースをご用意しています。自分に合ったコースに参加し、運動を継続していくことで、村民の皆様の健康づくりと運動習慣化の輪がますます広がっていくことを期待しています。」

人口減少、少子高齢化が進む中で、ちくだいKIP様が世代を問わず、地域住民の方々の健康を促進するために取り組んでいることは、経営理念の一つに「十勝に暮らす人々の豊かさを追求する」を掲げる当金庫が非常に共感するところです。 資金面にとどまらず、当金庫が有する様々な非金融面の支援メニューを活用し、今後もちくだいKIP様のプロジェクトを支援するとともに、地域課題の解決、地域を元気にする取り組みを共に行っていきたいと考えております。

ちくだいKIP、中札内村、帯広信用金庫、そして私たちすくらむという4者の協働体制でフィットジャーニーを進められることに、大きな意義を感じています。民間事業者、行政、金融機関、投資家が一堂に会し、村民の健康という共通の目標に向かって歩みを進めること自体が、全国的にも非常に稀有な取り組みです。 昨年度は目標を上回る成果を達成しましたが、今年度は事業規模をさらに拡大し、より多くの住民に運動の楽しさと健康づくりの機会を届けられるよう挑戦します。

今回はSocial Impact Bond(以下、SIB)を活用しながらも、ベースの事業費部分(全体の4割)は地域金融機関による融資を活用し、成果連動部分(全体の6割)を私たち民間投資家が提供するハイブリッドモデルで実施するという新しいスキームで実施します。

この取り組みを成功させることで、地域の資金を、「地域のチャレンジングな取り組みに活用する仕組みづくり」に貢献したいと考えております。 全国の皆さまにもぜひこの挑戦に注目していただければ幸いです。

少しずつ村内での認知が上がってきており、今夏の盆踊りではたくさんの方にお声掛けいただきました。

今年も行くよ!とか、今回は友達誘ったの!など、嬉しい声を聞くことができています。フィットジャーニーが達成したい一番のことは、「できるだけ多くの人に始めの一歩を踏み出していただくこと」です。ですから、無理のない運動をあくまでも自然に楽しめるプログラムに工夫してあります。

例えば膝に痛みのある方は、膝に負担をかけないストレッチング方法を個別に提案しています。コミュニケーションが苦手な方はカンパイコースで仲良くなってしまいましょう!今年も楽しくて効果的なフィットジャーニーで、より健康なみなさんでいられるよう全力でお手伝いいたします!


 今後の展望 

本事業は単なる運動教室にとどまらず、地域住民の健康寿命の延伸とコミュニティづくりの両立を目指します。成果を重ねることで、全国の自治体・金融機関・民間事業者に広がる先行モデルとなることを期待しています。


 お問い合わせ先 

一般社団法人ちくだいKIP

担当者:村田浩一郎、川口亜佑子

電話番号:0155-49-5628

メールアドレス:info@chikudaikip.com

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