人生100年時代、歯は資産?! 歯にかかるお金を大調査 / いい歯の日

歯科専門メディアが【歯と口腔ケアに対する意識と支出金額に関する実態調査】を実施

WHITE CROSS株式会社のプレスリリース

歯科医療情報プラットフォームのWHITE CROSS株式会社(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:赤司征大、以下「WHITE CROSS」)は、20代〜50代の男女500名を対象に「歯と口腔ケアに対する支出の実態調査」を実施しました。長期化する人生における歯と口腔ケアの”投資価値”を考えるきっかけとして、これらの調査結果を公開いたします。

■調査トピック

・歯や口腔ケアの目的は「健康維持」が最多で75%

・年間に歯ブラシ、歯磨き粉などセルフケア製品への支出は「1000円未満」が約80%と全世代で驚くほど低い

・WHITE CROSSの試算によると、歯が抜けた時にインプラント等の補綴治療を行った場合の30年間コストは1本あたり100万円を超える

・一方で、「歯にかかる生涯コストの予想」を尋ねた設問では「50万円未満」が52%にのぼり、実際の支出見込みとの間に大きなギャップが見られた

・歯科クリーニングの定期的な支出有無による40〜100歳の期間における投資対効果の試算では、最大約700万円の差が生じる可能性あり

■調査概要

調査方法:インターネット調査

調査対象:20代〜50代 男女

回答数:500サンプル

調査実施日:2025年9月19日 ~ 20日

歯にかけるお金は、全世代で驚くほど少ない!

「年間どのくらい歯や口腔ケアにお金をかけているか」という質問では、ほとんどの世代で極めて低い支出水準となりました。

まず、歯や口腔ケアに関する支出は、歯科医院で行う治療・定期検診と、自宅で行う日々の歯磨きなどのセルフケアにかける費用を合わせても、0円と回答した人が23%、5千円未満も35%とかなり低水準であることがわかりました。

また、特に歯ブラシや歯磨き粉などセルフケア製品への支出では「0円」が22%、「500円未満」が34%と半数以上。「1000円未満」の合計では約80%に達しました。

歯や口腔ケアは何のため?健康維持が最多

「あなたにとって口腔ケアとは何か」という質問では、「健康維持」が75%と最も多く、次いで「エチケット(40%)」、「将来の医療費削減(22%)」が続きました。

「歯や口腔内状態を整えることは健康維持につながる」という意識が浸透していることが伺えます。

口腔機能の低下は健康寿命を縮める!

高齢になると、う蝕や歯周病で歯を失いやすくなり、咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)といった口腔機能が低下します。これは、食事が十分に摂れず低栄養に陥りやすくなるほか、噛む力や回数の減少が筋肉量の低下にも影響。咀嚼刺激が減ることで脳や筋肉の働きも鈍り、要介護となるリスクが高まります。

さらに、口腔機能の低下は誤嚥性肺炎の発症にも関係します。食べ物や唾液、口腔内の細菌が誤って気道に入ることで肺炎を起こし、70歳以上の肺炎患者の約7割、90歳以上では9割以上が誤嚥性肺炎とされています。

つまり、口腔ケアは単に歯を守るためのものではなく、栄養・筋力・免疫のすべてを支える“健康寿命の基盤”なのです。

歯科医院でしか買えない「歯科医院専売品」を使っている人はどれくらい?

皆さんは、ドラッグストアでは買えない「歯科医院専売品」をご存じでしょうか。一般の市販品よりも機能性・専門性が高い製品で、歯科医院の受付などで販売されています。

このような歯科医院専売品の認知度を聞いた設問では、歯ブラシ、歯みがき粉に関しては「知っていて購入したことがある」が過半数を超え、認知と活用が進んでいることがわかりました。

実際に歯科医院専売の製品はどれくらいあるか、フッ化物配合歯磨剤を例に見てみましょう。

以下の図は、東京歯科大学衛生学講座 准教授/歯科医師の石塚洋一先生が作成された日本で販売されている主なフッ化物配合歯磨剤を市販品、歯科医院専売品に分けて一覧にしたものです。(日本歯科評論2024年8月号掲載)

ご覧いただいたとおり、歯科医院専売品のラインナップはとても豊富で、歯科医院では患者さんの個々の口腔内状態に応じて歯科衛生士や歯科医師からのおすすめを聞くことができます。

ただし、これらの商品を押し売りすることはないので、積極的に案内をしていない歯科医院もあるかもしれません。歯科医院専売品に興味を持たれた方は、次の診察で自分に合った歯ブラシ、歯みがき粉について相談してみるのもよいかもしれません。

歯科医院でしか受けられない「プロケア」を使っている人はどれくらい?

歯科専売品の認知が進んできている一方で、「歯科医院で受けることができる専門的な機材を使った歯のクリーニングや、最新技術を用いた検査があることを知っていますか?」という設問では、知らなかったと答えた人の割合が非常に多い結果に。

歯科医院で受けられるこれらの専門的なクリーニングは「プロケア」と呼ばれ、自宅で行う歯磨きなどの「セルフケア」だけでは対応しきれないハイレベルなクリーニングです。日々の歯磨きが重要であることは間違いありませんが、定期的に歯科医院でプロケアを受けることで、口腔内をより良い状態でキープすることが期待できます。

ちなみに、パウダークリーニングなどの最新設備の充実度は歯科医院によってばらつきがあるため、今後の歯科医院選びの一つの参考にしても良いかもしれません。

1本の歯を補う費用は200万円超え?“将来コスト意識”はまだ低い

「歯にかかる生涯コスト」を尋ねた設問では、「50万円未満」と回答した人が52%にのぼり、「100万円未満」を合わせると約75%になりました。

これは、保険制度が整った日本ならではのコスト意識の低さなのかもしれませんが、将来の歯科治療リスクに対する資金的な備えが不十分である可能性があります。

WHITE CROSSの試算では、1本欠損時におけるインプラント治療の30年間コストは以下の通り。

見落とされがちなのは「維持費」。特にインプラントは定期的なメインテナンスが必須になるため、何歳の時点でインプラントを入れるかによって、生涯コストは変わります。

治療は“終わり”ではなく“始まり”です。定期メインテナンスや再製作を含めると、30年間で100万円を超えるケースが大半で、想像以上の長期コストがかかることが分かります。

ちなみに、これは1本の欠損歯に対する治療の試算なので、複数の歯に対応するとなるとさらに高額な費用がかかります。

最大700万円の差!「歯の資産」への投資対効果を試算するデンタル・ファイナンシャルプランニング

厚生労働省「令和6年歯科疾患実態調査」によると、永久歯における欠損歯を有する人は60代後半から一気に増加していく傾向にあると示されています。

また、同調査の中では「何歳の時点でどれくらいの歯が抜けているか」の数字も明らかにされており、70歳の時点で6本以上、85歳では13.7本となっています。

人生の後半に思いもよらない高額な治療費用が発生する可能性は、決して低くないことが分かると思います。

仮に、寿命を100歳とし、40代から年4回の保険内クリーニングを継続することで、70歳の時点での歯の欠損を4本防げると仮定した場合の費用の差は以下の通り。

定期的なケアの有無によって、最大約700万円の差が生じる可能性があるということになります。

この試算には資材等にかかる物価の上昇は加味されていないため、実際にはさらに高額の費用がかかると予想されます。

定期ケアは「積み立て投資」のようなもので、コツコツ続ける必要があります。

また、現時点でむし歯がないという人であっても、セルフケアだけでは取りきれない汚れは確実に蓄積していきますし、歯周病を含む口腔内状態の悪化は自身で気づくことが難しいもの。問題が出てからでは遅いというケースも少ないため、全ての人に定期的な受診をおすすめしたいです。

プロケアとセルフケアの両立が「歯の資産」を守る鍵

日々のセルフケアに加えて、定期的なプロケアやハイスペックな歯科専売品を取り入れることは、歯の資産を維持し将来の医療費を抑えるための重要な投資です。

口腔状態は、全身の健康・栄養・生活の質(QOL)を支える基盤。

私たちWHITE CROSSは、歯科が「病気を治す場所」から「健康を守るジム」のような存在へ進化していく未来を見据えています。

歯への支出を「コストではなく将来への投資」と捉えるデンタル・ファイナンシャルプランニングという新しい概念を通じ、ひとりでも多くの方が生涯の医療費を減らすための歯科投資としての口腔ケアを考えるきっかけにしていただければ幸いです。

WHITE CROSS株式会社について

「歯科医療の社会的価値を高める。」をパーパスとし、歯科医療専門職に向けたメディアプラットフォームを運営しているヘルステックカンパニーです。

日本経済が停滞する中、医療費を含む社会保障費が増加しており、健康寿命を延ばし医療費を抑える施策が求められています。最近では、口腔の健康と全身の健康の関連性が注目され、国民皆歯科健診が推進されるなど、歯科医療の役割が変化しています。WHITE CROSSは、歯科医療業界の可能性をデジタル技術で支援し、社会全体の発展に貢献することを目指しています。

WHITE CROSS株式会社 会社概要

本社:東京都渋谷区恵比寿南1-20-6 プレファス恵比寿南 4F

設立:2015年3月

株主:ニッセイ・キャピタル株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社、伊藤忠商事株式会社、ライオン株式会社、株式会社モリタ、CRGインベストメント株式会社等

会社HP:https://whitecross.jp/

サービスサイト:https://www.whitecross.co.jp/

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