~情報の浸透や取り組みの継続に壁。個人の努力だけでなく周囲との関わりのなかで実現へ~
株式会社エムティーアイのプレスリリース
株式会社エムティーアイが運営する、すべての女性の一生に寄り添うウィメンズヘルスケアサービス『ルナルナ』は、2020年11月より、女性のカラダとココロの理解浸透プロジェクト「FEMCATION(フェムケーション)」を実施しており、本プロジェクトの取り組みのひとつとして、大規模調査をまとめた「FEMCATION白書」を公開しています。
『ルナルナ』のサービス誕生から25周年を迎えた今回は、白書の第4弾として、「プレコンセプションケア」に関する実態調査結果をお届けします。
「プレコンセプションケア」とは、ライフプランを見据え、男女を問わず将来の妊娠や出産を考えながら、生活習慣や健康と向き合う取り組みで、近年は国も「健やか親子21(第2次)」※1などで重要性を唱えるなど、政策としても重要性が高まっています。本白書では、その概念を「妊娠の準備」に限定せず、“将来の選択肢を持ち続けるための新しいライフデザイン”として捉え、人々の意識と行動を多角的に分析しました。
プレコンセプションケアを浸透させる上での課題や、社会として取り組むべきポイントを「日常的な健康管理行動の実態」、「妊娠・妊活への意識と実態」、「社会で支えるプレコンセプションケア」の各章ごとに明らかにしていきます。
★「FEMCATION白書」第4弾の詳細はこちら:https://lnln.jp/about/actions/#femcation
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日常的な健康に気を付けている割合は男女ともに約7割 ●「健康に気を付けている」と回答した人は全体で68.6%で、男女ともに約7割が関心を示し、取り組み内容としては「食事」「睡眠」「運動」が中心となった。一方、「定期的な検査・健康診断」の実施は23.9%にとどまり、特に20代ではさらに低い結果に。 ●健康管理に取り組む目的として「妊娠を見据えた身体づくり」は全体で10.1%にとどまる。 ●健康管理の継続を妨げる要因としては、「モチベーションが続かない」29.2%が最多。そのほか、「自分に合った方法がわからない」23.3%、「経済的負担」23.1%、「体力が続かない」20.5%などもあげられ、個人の意志だけでなく、知識・体力・時間・経済面の複合的な背景が健康管理や行動継続への壁となっていることが示された。 ●配偶者・パートナーからのサポートがある場合、健康行動の実施率は一貫して高く、一例として「バランスの良い食事をする」に取り組む割合はサポート数に応じて38.0%→46.8%→59.8%と上昇。行動継続には周囲の支えが寄与していると考えられる。 ●企業や自治体の健康支援制度については、「知らない・わからない」が最多で、企業の場合は30.3%、自治体の場合は53.7%。認知度は低い一方で、制度の充実度については、企業・自治体ともに約6割が「充実している」と回答。 〈12P~30P〉 |
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20~30代では半数~6割が将来「子どもが欲しい」と回答するなか ●子どもを「ぜひ欲しい/どちらかといえば欲しい」と回答した人は20代では女性67.8%、男性60.6%。30代では女性43.1%、男性54.8%。 ●妊活・将来の妊娠に対する不安は、「経済的負担」52.6%が最多で、「仕事との両立」35.5%、「自分の時間がなくなる」33.5%、「親としての責任の重さ」27.1%が続いた。 ●女性は男性より多くの項目で不安を抱えやすく、特に「自身の体力・スタミナ」、「親としての責任の重さ」、「出産や子育ての知識不足」、「自身の年齢」などで大きな男女差がみられた。 ●妊活や妊娠に関する情報収集として、最も多かったのは「インターネット検索」31.0%。女性は「生理日管理・妊活アプリ」26.7%という回答も多く、男性は「配偶者・パートナーからの情報」13.5%が他の情報源より相対的に高い結果に。 ●妊活期の取り組みは、「パートナーと話し合う」25.9%、「協力する」24.3%、など、パートナーとのコミュニケーションが中心の結果に。妊活・妊娠においても、パートナーからのサポート数が多いほど妊活行動の実施率が高い傾向に。 〈31P~43P〉 |
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企業や自治体の妊娠・妊活支援を詳しく認知している層はいずれも1割未満 ●企業の妊娠・子育て支援制度について、「詳細まで知り活用している」は、子どもがいる人(第1子を授かる前)で6.1%、現在子どもを希望している人で4.9%にとどまり、自治体の制度についても同条件で5.6/4.1%と少数派。 ●企業に求める支援内容は「休暇制度の充実」(子どもがいる人(第1子を授かる前):32.3%/現在子どもを希望している人27.2%)が最多。続いて「労働時間短縮・残業削減」が3割弱、「出産準備費用の補助金」や「無料の健康診断・検査サービス」も2割以上と、実務的・経済的な支えが多く挙げられた。 ●「自治体への要望は「出産準備費用の補助金や祝い金」(34.9%/31.4%)が最多。次いで「妊娠・出産準備の費用補助」や「妊娠期の無料健診・検査サービス」も3割前後と上位になるなど、費用負担軽減を求める傾向。さらに、「不妊治療・事前検査費用の補助」「保険適用外治療・サプリの費用補助」「住宅環境整備の費用補助」など、家計に直結するニーズもいずれも2割以上と広く選ばれた。 |
今回の調査では、日常的に健康に気を付けている人が約7割に上る一方で、将来の妊娠を見据えた健康づくりに取り組む割合は1割程度にとどまることが明らかになりました。プレコンセプションケアの基盤となる食事や睡眠、運動といった日常的な取り組みは多くの人が実施できているなか、妊娠に関連する知識や行動の必要性はまだ十分に浸透していないという結果からも、プレコンセプションケアに関わる行動の定着には課題がある現状が読み取れます。
また、健康づくりの継続を妨げるのは、知識不足に加えて、時間・体力・経済的負担など複合的な制約があることもわかりました。一方で、パートナーからのサポートは健康行動の継続を後押しし、企業・自治体の支援は充実度には一定の評価がありつつも、制度自体の認知に課題がみえます。
こうした結果からも、“将来の選択肢を持ち続けるための新しいライフデザイン”としてのプレコンセプションケアは、個人の努力だけではなく、身近な人・企業・自治体が連携し、行動を支える仕組みと環境の整備が不可欠であることがわかります。
本白書が、誰もが自分の未来を主体的に選び取れる社会の実現に向けたきっかけとなることを期待しています。
『ルナルナ』は今後も、サービス提供と「FEMCATION」を通じて、婦人科医療へのアクセシビリティ向上を図ると共に、年齢や性別を問わず誰もが、女性のカラダやココロについて正しく学べる機会を創出し、あらゆる女性たちが、より生きやすく、暮らしやすく、働きやすい社会の実現の一助となることを目指します。
≪国立成育医療研究センター 社会医学研究部 部長/
女性の健康総合センター 室長 森崎 菜穂 先生からのメッセージ(概要)≫

プレコンセプションケアは「妊娠を望む女性だけのもの」ではなく、性別や年齢を問わず、すべての人が自身の健康と生き方を見つめ直すための取り組みです。
若年期の生活習慣が将来の妊娠・出産や次世代の健康にも影響することが研究により明らかになっており、幼少期から心身の変化に向き合う経験が重要とされています。また、健康を支えるには本人だけでなく、家族や学校、職場など周囲の理解と支援が不可欠です。思春期から更年期まで連続する女性の健康課題に向き合うには、医療・教育・行政・企業が連携し、制度や環境づくりに反映することが求められます。
本白書がそのための課題を示し、社会全体でプレコンセプションケアを支える文化づくりへの一歩となることを心から願っています。
★先生からのメッセージの詳細はこちら:
https://www.mti.co.jp/wp-content/uploads/2025/12/FEMCATION_reports_04.pdf
【調査概要】
●調査テーマ:プレコンセプションケアに関する意識と行動実態調査
●調査期間:2025年7月10日(木)~2025年7月11日(金)
●調査方法:インターネットリサーチ
●有効回答数:全国の20~49歳の男女 各1,547人
★『ルナルナ』について★https://lnln.jp/

生理日管理をはじめ、初潮前後の心身のサポートから、妊活・妊娠・出産・更年期、ピル服薬や医療機関の受診支援※2まで、すべての女性の一生に寄り添うウィメンズヘルスケアサービス。アプリの累計ダウンロード数は2,200万以上(2025年6月時点)で、蓄積されたビッグデータを用いて、独自の予測アルゴリズムを確立し、より精度の高い排卵日予測も可能※3です。また、女性のカラダとココロの理解浸透プロジェクト「FEMCATION」を通して学びの場を創出するなど、社会全体で寄り添いあえる環境づくりに取り組んでいます。
2025年11月にサービス提供開始から25周年を迎え、“世界でいちばん、あなたのことを知っている。”の新ステートメントを発表。自治体と協働したプレコンセプションケアの推進や妊活支援に注力するなど、社会と連携しより多くの女性が自分のカラダと向き合えるための取り組みを推進しています。
「FEMCATION」の詳細はこちら:https://lnln.jp/about/actions/#femcation
※1 健やか親子21 -妊娠・出産・子育て期の健康に関する情報サイト https://sukoyaka21.cfa.go.jp/
※2 医療機関の受診サポート「ルナルナ メディコ」・『ルナルナ オンライン診療』 https://sp.lnln.jp/brand/services/for_doctor
ピルのオンライン診療「ルナルナ おくすり便」 https://okusuri.lnln.jp/s/lp/lunaapp_okusuri_lp/okusuri_main/index.html
※3 排卵日予測に係るニュースリリース https://www.mti.co.jp/?p=22438
※『ルナルナ』「FEMCATION」は株式会社エムティーアイの登録商標です。

