「認知行動療法」の保険適用が拡大も、制度認知度はわずか5.8%。“知れば”62%が「受けてみたい」に変化【2026年5月最新調査】

「認知行動療法」自体を知らない人が約半数。知っている人の中でも、最大の障壁は“費用”ではなく“どこで受けられるかわからない”こと。制度が前進する今こそ、適切な情報発信を。

株式会社Awarefyのプレスリリース

株式会社Awarefy(本社:東京都新宿区、代表取締役 CEO:小川 晋一郎、以下「アウェアファイ」)および、アウェアファイが運営する「こころの総合研究所」(所長:高階 光梨、以下「こころ総研」)は、日本在住の約950名を対象に実施した「認知行動療法の認知度調査(2026年5月)」の分析結果を公開いたしました。

本調査は、2026年6月に施行された認知行動療法(以下、CBT)や心理支援加算に関する診療報酬改定(以下、本改定)を前に、2026年5月末時点でのCBTの認知・アクセス・制度認知の現状を捉えることを目的としたものです。

調査結果サマリー

  • 過去1年でメンタル不調を感じた人は7割超にのぼるも、専門機関の利用は2割弱にとどまる。

  • CBTは、メンタルヘルスケアの中で最も「よく知らない」存在。マインドフルネスと比較しても、「よく知らない」が約5割(マインドフルネス・瞑想は3割程度)と認知度に大きな差がある。

  • CBTは「受けたい」という意向が実際の利用に結びつきにくいことが明らかに。受けたいと思ったことがある人は14.5%いる一方、実際に受けたことがある人はわずか3.5%にとどまる。

  • その背景として、「受けたいと思ったが受けられなかった」人が9.2%おり、意向があっても障壁によって利用に至らないケースが少なからずあることがうかがえる。

  • 本調査から明らかになったCBTへのアクセスの障壁は、1位「どこで受けられるか情報が分からない」、2位「費用が高い・経済的に難しい」、3位「効果があるか不安・自分にあうか分からない」。

  • 本改定について、9割強が「知らなかった」と回答。一方、改定内容を知ったことで、6割強にCBTを受けることへの期待の高まりが認められた

本調査の背景と目的

認知行動療法(CBT)(*1)は、気分や行動に影響する「考え方」と「行動」のパターンに働きかける心理療法で、うつ病や不安症など幅広い精神疾患への治療効果が示されています。また近年は医療機関での治療としてだけでなく、そのアプローチを、日々のストレスに対するセルフケアや行動変容に役立てる動きも広がっています。

また、令和8年度の診療報酬改定(*2)により、これまで医師・看護師に限定されていた保険適用下でのCBTの実施者に、新たに「公認心理師」が加わり、心理支援加算の対象疾患も拡大されました。これにより、専門的な心理支援をより少ない費用負担で受けられる可能性が広がりました。国内のメンタルヘルスケアの普及に向けた体制整備の大きな一歩といえます。

一方で、こうした制度的前進が、実際にメンタル不調を抱える人々の認知や選択行動にどの程度反映されるかは、これまで把握されてきませんでした。新たな制度が社会にどう届いていくかを見届ける上で、日本人のメンタルケアに関するリテラシー、不調を感じたときの対処行動の実態、そして「CBT」というアプローチの認知度・利用状況に関するデータを取得し、定点で追跡していくことが重要であると考えます。

そこで今回は第一歩として、改定施行前にあたる2026年5月時点でのCBTの普及の程度を捉えるため、CBTの認知度・利用意向・利用状況・利用への障壁に関する現状調査を実施しました。

*1 認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy; CBT)とは、気分や行動に影響する「考え方」と「行動」のパターンに働きかけることで、気分や生活の困りごとを和らげていく心理的アプローチ(心理療法)です。うつ病・不安症・強迫症・PTSDなど幅広い精神疾患への治療効果や再発予防効果が示され、診療ガイドラインでも標準的な治療として推奨されています。近年は医療だけでなく、産業保健・教育・生活習慣の改善など幅広い分野で活用されています。

*2 令和8年度診療報酬改定(2026年6月施行)により、これまで医師・看護師に限定されていたCBTの保険適用下での実施に、新たに公認心理師が加わりました。また、心理支援加算の対象疾患も、心的外傷後ストレス障害(PTSD)から神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害等へと拡大されました。特定の条件を満たした医療機関において、公認心理師が実施するCBTやストレス関連疾患等への心理支援を、より少ない費用負担で受けられる可能性が広がっています。 

https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001706379.pdf

調査結果

1. 過去1年でメンタル不調を感じた人は7割超にのぼるも、専門機関の利用は2割弱にとどまる

調査対象者全体のうち、過去1年間でメンタル不調を感じたことがある人は72.9%にのぼりました。一方、過去1年間で精神科・心療内科・心理カウンセリング等を受診・利用した人は17.3%にとどまり、不調を感じた割合と、実際に専門機関を利用した割合との間に大きなギャップがあることが明らかになりました。

  • 受診していない 761件

  • 精神科/心療内科/メンタルクリニックを受診した 145件

  • 医療機関ではないが、心理カウンセリングなどの専門支援を受けた 21件

※複数選択可

2. CBTを「知っている」は半数程度。一方、「使ったことがある」は7手段中最下位。

2-1. CBTの認知度

CBTをどの程度知っているかに関して尋ねたところ、「名前を聞いたことがあるが内容は知らない」人が37.4%、「内容まで知っている」人は16.3%と、程度に関わらず「CBTを認識している」人は半数程度(53.7%)であることが分かりました。

  • 聞いたことがない 425名(46.3%)

  • 名前を聞いたことがあるが内容は知らない 343名(37.4%)

  • CBTの内容を知っている 150名(16.3%)

なお、過去1年間に不調を経験した人とそうでない人に分けて分析すると、不調を経験していない人は1年以内に不調を経験した人に比べてCBTの認知率が低く(「聞いたことがない」の回答:不調なし層は62.7%、不調あり層は40.2%)、過去1年間の不調経験がCBTの認知に影響している可能性も示唆されました。

2-2. メンタルケアの手段としてのCBTへの認識

7種類のメンタルケアの方法について、それぞれに対する認識を「よく知らない」から「使ったことがある」までの4段階で尋ねたところ、「使ったことがある」の回答結果は、以下の通りとなりました。

「使ったことがある」の回答結果(回答者の多い順)

・運動・睡眠などのライフスタイル改善 563名(61.3%)

・書籍・ネット記事での情報収集 505名(55.0%)

・医師に処方された薬を使う治療(抗うつ薬、抗不安薬など) 196名(21.4%)

・マインドフルネス・瞑想 154名(16.8%)

・市販の漢方薬・サプリメント等の使用 122名(13.3%)

・メンタルヘルスアプリ(セルフケア系) 100名(10.9%)

・認知行動療法(CBT) 62名(6.8%)

CBTは7種類のメンタルケアの方法の中で使用経験が最も低く、「使ったことがある」が6.8%、「次に使いたい」が15.0%、「使いたくない・使う予定はない」が28.1%、「よく知らない」が50.1%と、「よく知らない」が半数にのぼる結果となりました。

同じ心理的アプローチに位置づけられるマインドフルネス・瞑想(「使ったことがある」16.8%、「よく知らない」32.4%)と比較しても大きな差があり、メンタルケアの中でも最も馴染みがない方法であることが明らかになりました。

2-3. 利用意向・利用に向けた行動

「CBTを受けたいと思ったことがありますか」という問いに対して、受けたいと思ったことがある人は14.5%、ない人が85.5%(*3)でした。

また、「CBTを実際に受けようと、医療機関に問い合わせる等の行動をしたことがありますか」という設問に対しては、「ある」と回答した人が2.8%、「ない」と回答した人が97.2%でした。

2-4. CBTの利用経験

「CBTを実際に受けたことがありますか」という問いに対しては、以下のような結果となりました。

  • 受けたいと思ったことがない(*3) 802名(87.4%)

  • 受けたいと思ったが受けられなかった 84名(9.2%)

  • 受けたことがある 32名(3.5%)

「受けたいと思ったが受けられなかった」経験がある人が9.2%確認され、利用意向が高く行動を起こしても、様々な障壁によって実際の利用には至ることができなかった人がいることがうかがえます。

*3 「CBTを受けたいと思ったことがない」という回答は、利用意向を尋ねた設問(85.5%)と、利用経験を尋ねた設問の選択肢(87.4%)の両方に登場します。両者は独立した設問として尋ねており、設問の文脈や選択肢の並びの違いから、同じ趣旨の回答であっても割合にわずかな差が生じています。本リリースでは、各設問の回答結果をそのまま掲載しています。

3.CBT利用を阻む壁は、情報・費用・効果への不安

「受けたいと思ったが受けられなかった」人(n=84)に対して、その理由を尋ねたところ、1位は「どこで受けられるか情報が分からない」、2位は「費用が高い・経済的に難しい」、3位は「効果があるか不安・自分に合うか分からない」でした。

自由記述では、以下のような声があがりました。

  • 内容もよくわからないし、どこの病院で受けられるかわからない

  • 複数回受ける必要があり、費用が高いイメージがある

  • 自分に効果があるのか、どこで受ければいいのか、考えていたら体が動かなかった

なお、実際にCBTを受けたことがある人(n=32)の実施形態は、「心理師・カウンセラーによる対面実施」「医師による対面実施」に続き、「書籍で自分で実施」が3位に入りました。
CBTの実施形態のなかで最も役に立ったものとしては、上記の専門家による支援に続き「YouTube、テレビ、SNS、Webサイト等で学び自分で実施」が3位にランクインするなど、専門家による提供にとどまらず、多様な形でCBTを実践されている実態が示されました。

4. 制度改定の認知度は約5.8%。しかし「知れば」62%の意向が上がる

こうした現状において、今回施行された公的医療保険の制度改定はどのように受け止められているのでしょうか。

まず、本改定については、約94.2%が「知らなかった」と回答しました。公認心理師によるCBT提供、心理支援の対象疾患拡大のいずれの項目も、認知度は5~9%程度と極めて低い水準でした。

一方、調査内で改定の内容を伝えたうえで、医療機関でCBTを受けることへの期待の変化を尋ねたところ、「ぜひ受けてみたいと思うようになった」が6.2%、「今は必要ではないが困った時に受けてみたいと思うようになった」が55.8%となり、制度変更を知ったことで62.0%の人の意向が高まったことがわかりました。

  • 是非受けてみたいと思うようになった 57名(6.2%)

  • 今は必要ではないが困った時に受けてみたいと思うようになった 512名(55.8%)

  • 特に変わらない 336名(36.6%)

  • 受けたくないと思うようになった 10名(1.1%)

  • その他 3名(0.3%)

受けられなかった理由の2位に「費用」があがっていたことをふまえると、本改定はその障壁を下げる一因となる可能性があります。一方、「どこで受けられるのか分からない」「どのような内容で、どんな人に合っているのか分からない」といった壁は引き続き存在しています。

専門家コメント(早稲田大学 人間科学学術院 教授 熊野 宏昭氏

今回の調査結果で最も印象的だったのは、認知行動療法(CBT)がまだ「ほとんど知られていない」という事実が、データとして明確に可視化されたことです。マインドフルネスは広く注目されるようになってから20年ほどの比較的新しいアプローチですが、すでに多くの人に知られ、実際に使われています。一方、CBTには50年にわたる実践と研究の蓄積があるにもかかわらず、メンタルケアの選択肢の中で最も「よく知らない」と回答された割合が高く、さらに利用へのハードルがあることも示されました。

だからこそまず大切なのは、「CBTは自分の役に立つかもしれない」と思ってもらえるよう、正確な情報を社会に行き渡らせ、少しでも多くの方にCBTを身近に感じてもらうことです。そういった意味では、医療保険に収載されたことで、大きな病院で受けられる機会が増えることになり、これからの認知度は徐々に高まることになるでしょう。そのうえで、どこで、どのような形でCBTを受けるかという選択肢が広がり、一人ひとりが自分の状況や好みに合った方法を選べる社会になっていくことが望まれます

今回の調査でも、費用や対面への抵抗が利用の壁になっている一方、書籍や動画を通じて自分なりにCBTを実践してきた人が一定数いることが示されました。専門家による対面のCBTだけでなく、オンラインでのCBTや、より気軽に始められるアプリなども含めて、多様な入り口が用意されていくことが、CBTを必要とする人に届けるうえで重要だと考えられます。

浮き彫りになった「情報の壁」の分厚さ:必要な人にCBTを届けるために(こころ総研 所長/主席研究員 高階光梨、研究員 武井友紀)

明らかになった「CBT利用までの2つの壁」

本調査の結果から、CBTの認知(知っている人)は53.7%、利用意向(受けたいと思ったことがある人)は14.5%、実際の利用は3.5%と、認知から利用へと進む各段階には大きな隔たりがあることが見えてきました。さらに「CBTを受けたいと思ったが受けられなかった」経験がある人も9.2%にのぼり、意向があっても、実際の利用に結びつかない人が一定数存在することがうかがえます。これは、仮にCBTを知った10人いたとしても、最終的に利用まで辿り着けるのはおよそ0.65人となり、わずか1人にも満たないという計算になります。これらの隔たりを生んでいるのが、主に「情報の壁」と「費用・心理的な壁」の2つです。

一つ目の「情報の壁」は、そもそもCBTというアプローチ自体が十分に知られていないことです。「名前を聞いたことはあるが、どういうものかは分からず、興味やニーズを感じるまでに至らない」という状態の人が多くみられました。

二つ目の「費用・心理的な壁」は、CBTに関心を持ち、受けてみようとした人が直面する障壁です。具体的には、「どこで受けられるか分からない」「費用が高い」「効果があるか不安・自分に合うか分からない」といった点が上位に挙がりました。自由記述でも、「どう選べばよいのか分からなかった」「地域の医療機関や通院先では受けられなかった」「効果がイメージしづらく踏み切れなかった」といった声が複数寄せられており、利用にいたるまでの見通しの持ちづらさが表れています。

なお、この「費用・心理的な壁」もまた、もとをただせば「情報が届いていないこと」から生じている可能性が高い点も見逃せません。心身の不調でエネルギーが低下している状態では、自ら情報を検索し、精査することは容易ではなく、壁はより一層高くなります。

2つの壁を乗り越えるためにいま求められること

メンタルヘルスケアの普及や実践において重要なのは、一人ひとりが、適切なタイミングで自分にケアが必要だと気づけること、どのような選択肢があるかを知っていること、そして自分に合った選択肢を選べることです。こうした個人の気づきや選択は、本人の努力だけで支えられるものではありません。それを可能にするのは、選択肢が知られ、手が届き、選べる状態が整った社会の仕組みです。そのためには今回のような制度の改定や適切な情報発信を通じて、その仕組みを整えていくことが欠かせません。

例えば今回の診療報酬改定は、「費用の壁」や「効果への不安」の一部を直接的に軽減し、CBTへのアクセスを阻む壁を低くする変化だといえるでしょう。実際本調査でも、改定の内容を知ることで「ぜひ受けたい」「将来困った時に受けてみたい」とCBTへの利用意向が高まった人が約62%にのぼりました。

一方、本調査ではメンタルヘルスケアの方法としてCBTがほとんど知られていない、どこで受けられるか情報が分からないといった情報の壁の分厚さも示されました。制度が整ったとしても、そもそもCBTやCBTを受けるための資源が知られていなければ、必要な人が必要なときに手に取ることはできません。だからこそ、制度を整えることと並行して、適切な情報発信に取り組んでいくことが引き続き重要になります。

こころ総研では、今後も本調査のような取り組みを通じて、制度の前進が当事者に届き、メンタルヘルスケアに対する人々の認知や行動を変えていくプロセスを見つめるとともに、その変化を後押しする情報発信に努めてまいります。そして、必要な方が必要な時にCBTという選択肢を手に取れる社会づくりに貢献できるよう、サービスの改善に取り組んでまいります。

調査対象者の詳細

対象エリア:全国

対象者条件:18歳以上、日本国内在住者

サンプル

・サンプル数:959(うちIMC項目に適切に回答した918名を分析対象)

・性別:女性 573名(62.4%)、男性 329名(35.8%)、回答しない 15名(1.6%)、その他 1名(0.1%)

・年齢:平均40.9歳(SD=11.5)

調査手法:インターネット調査等 ※アウェアファイユーザーを対象とした調査ではありません

調査期間:2026年5月25日〜5月31日

実施主体:株式会社Awarefy「アウェアファイこころの総合研究所」

※参考リンク

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AIメンタルパートナー「アウェアファイ」

AIメンタルパートナーアプリ「アウェアファイ」
公式キャラクター「ファイさん」

AIなどのテクノロジーに、科学的なエビデンスのある「認知行動療法」等に基づくアプローチをかけあわせたスマートフォンアプリです。これまで100万人以上の方をサポートしてきました。AIキャラクター「ファイさん」との対話機能や、自分の心のコンディションをふりかえる機能、マインドフルネス瞑想に取り組める音声ガイドや課題別の学習コースなど、メンタルヘルスケアに役立つコンテンツが300種以上揃っています。

アプリのダウンロードはこちらから。

■ 株式会社Awarefy(アウェアファイ)

私たちは、最先端AIテクノロジーに、科学的なエビデンスのある「認知行動療法」等に基づくアプローチをかけあわせたAIメンタルパートナー「アウェアファイ」アプリの開発・運営を中心とした事業を展開しています。人々が自分の大切にしたいことと向き合える社会を実現すべく、アプリの機能拡充にとどまらず、復職・職場復帰を目指す方をサポートする施設「アウェアファイ リワーク」の運営など、メンタルヘルスケアの領域での貢献を目指します。

所在地:東京都新宿区西新宿2丁目6-1 新宿住友ビル24階 GROWTH新宿 ROOM-4

代表取締役CEO:小川 晋一郎

事業内容:アプリ「アウェアファイ」の企画・開発・運営、福祉リワーク施設「アウェアファイ リワーク」の運営等

企業HP:https://www.awarefy.com/

【本件に対するお問い合わせ先】

アウェアファイ広報担当

メール:press@awarefy.com

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