VOCs DeepTech Lab、慶應義塾大学・京都大学が保有する「呼気による肝疾患の検出方法」の独占的通常実施権を取得

VOCs DeepTech Lab 株式会社のプレスリリース

呼気中の揮発性酸化脂質を用いた非侵襲評価技術の社会実装へ

 VOCs DeepTech Lab株式会社(本社:東京都新宿区信濃町35 慶應義塾大学信濃町キャンパス2号館9階、以下「VDL」)は、学校法人慶應義塾(以下、慶應義塾大学)および国立大学法人京都大学(以下、京都大学)が共同で保有する「肝疾患の検出方法」に関する知的財産について、独占的通常実施権を取得しました。

 対象となる技術は、呼気ガス中の揮発性酸化脂質を指標として肝疾患の検出を補助するもので、身体への負担が少ない呼気を用いた新たな非侵襲評価技術への応用が期待されています。

本実施権は全世界を対象とし、対象特許の存続期間にわたる独占的通常実施権で、VDLによる第三者への再実施許諾(サブライセンス)が認められています。また、契約上、対象となる権利について、権利者から第三者へのライセンスは行われない条件となっています。

VDLは、本実施権を基盤として、大学における研究成果を社会実装へとつなぎ、呼気VOCsを活用した非侵襲評価サービスの事業化を進めてまいります。

1.背 景

 呼気には、体内の代謝や酸化反応などに由来する多様な揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOCs)が含まれています。近年、こうした呼気中の分子情報から疾患や身体状態に伴う変化を捉える研究が進められています。慶應義塾大学、京都大学等の研究グループは、鉄依存性の細胞死であるフェロトーシスに伴って生じる揮発性酸化脂質に着目し、呼気中の揮発性分子と肝疾患との関連について研究を進めてきました。2025年9月には、フェロトーシスに伴う揮発性酸化脂質を呼気バイオマーカーとして捉える研究成果が公表されています。

今回VDLが独占的通常実施権を取得した知的財産は、呼気ガス中の揮発性酸化脂質を指標として、肝疾患の検出を補助する技術に関するものです。

2.対象となる知的財産   

発明の名称:肝疾患の検出方法     

出 願 番 号:特願2023-202279号     

出   願  日 :2023年11月29日

公 開 番 号:特開2025-087542号     

出  願  人  :学校法人慶應義塾、国立大学法人京都大学

実 施 権 者:VOCs  DeepTech Lab株式会社   

権利の種類:独占的通常実施権

対 象 地 域:日本

期      間   :対象特許の存続期間まで   

再実施許諾:第三者への再実施許諾(サブライセンス)可能

※上記の公開特許に加え、契約上の対象となる関連知的財産の公表範囲については、大学側との確認を踏まえて最終決定します。

3.本技術の概要

 本技術は、被験者から採取した呼気ガス中の揮発性酸化脂質を検出し、その情報を肝疾患の検出補助に用いることを目的としています。呼気は採血や組織採取と比べて身体への負担が少なく採取できることから、将来的な非侵襲評価技術への応用が期待されます。なお、本技術は現時点で既存の検査や医師による診断を代替するものではなく、臨床的有用性については今後の検証が必要です。

また、公開特許には、肝疾患治療薬の候補を評価するスクリーニング方法に関する技術も記載されています。VDLは、疾患評価に加え、研究開発領域における本技術の活用可能性についても検討していきます。

4.共同研究による臨床検証と社会実装

 VDLは、慶應義塾大学との共同研究「呼気ガスの揮発性有機化合物センシングシステムの開発」を通じ、肝疾患患者等を対象として、呼気VOCsに関する臨床的な検証を進めています。

共同研究による科学的検証と、本実施権に基づくVDLの事業化・社会実装の取り組みは、それぞれ別個のものです。VDLは、大学・医療機関における研究成果を尊重しながら、臨床データによる検証を積み重ね、呼気VOCsを用いた非侵襲評価技術としての実用化可能性を検討していきます。

5.独占的通常実施権取得の意義

 今回の実施権取得により、VDLは対象となる知的財産について、日本を対象として、対象特許の存続期間にわたり事業化を進めるための権利基盤を確保しました。さらに、再実施許諾(サブライセンス)が認められていることから、将来的には国内外の企業・研究機関等との連携を含む事業展開を検討することができます。

VDLは、大学で創出された研究成果と知的財産を、科学的な検証を経て実際のサービスや技術へとつなぐ役割を担い、呼気VOCsによる新たな非侵襲評価技術の確立を目指します。

6.今後の展望

 VDLは、呼気VOCsに関する臨床研究を進めるとともに、本実施権を活用した技術開発および事業化の検討を進めます。まずは肝疾患領域における科学的な検証を着実に積み重ね、将来的に既存の検査を補完し得る、身体への負担が少ない新たな評価手段としての社会実装を目指します。

7.VOCs DeepTech Lab株式会社 代表コメント

VOCs DeepTech Lab株式会社 

 大学で生まれた研究成果を社会に届けるためには、科学的な検証を積み重ねることに加え、知的財産を適切に活用し、実際に利用できる技術へと発展させていくことが重要だと考えています。

今回の独占的通常実施権の取得は、呼気VOCsに関する研究成果を社会実装へとつなげるための重要な事業基盤となります。大学・医療機関の研究者の皆様と連携しながら、科学的な信頼性を最優先に、呼気を用いた新たな非侵襲評価技術の実現を目指してまいります。

8.用語

  • VOCs(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)
    常温で揮発しやすい有機化合物の総称です。呼気には、体内の代謝等に由来するさまざまなVOCsが含まれています。

  • 揮発性酸化脂質
    脂質の酸化過程で生じ、揮発性を有する分子群。本技術では、呼気中に存在するこれらの分子を肝疾患に関連する指標として利用します。

9.会社概要

会社名:VOCs DeepTech Lab株式会社
所在地:〒160-0016 東京都新宿区信濃町35 慶應義塾大学 信濃町キャンパス2号館9階
事業内容:呼気VOCsに関する研究開発、解析技術および社会実装

10.本件に関するお問い合わせ

VOCs DeepTech Lab 株式会社
お問合せ窓口:経営企画室
Email:info@vocs-deeptech.com

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