敏感肌には多様な肌状態が存在することを明らかに 角層の炎症状態・アミノ酸量・肌色特性の解析から、複数の敏感肌タイプの存在を確認

第一三共ヘルスケア株式会社のプレスリリース

IFSCC パース大会(IFSCC Congress 2026)にて発表

 第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区、社長:内田高広、以下「当社」)は、敏感肌を自認する人の角層の状態を多面的に解析しました。その結果、敏感肌を自認する人は、自認しない人よりも角層の炎症指標が高く、角層中の総遊離アミノ酸量が少ないことが分かりました。一方で、敏感肌には肌のバリア機能が比較的保たれていても炎症指標が高いタイプや、従来は炎症との関連があまり注目されてこなかった黄みを特徴とするタイプが存在することが明らかになりました。

 これらの結果から、敏感肌を自認する人には共通の特徴がある一方で、異なる特徴をもつ複数のタイプが存在する可能性が示されました。

 本研究の成果は、本年9月28日から10月2日に開催されたIFSCC パース大会(IFSCC Congress 2026)にて発表しました。

 当社は、まだ「敏感肌」という言葉が一般的ではなかった時代から、敏感肌に悩む方々の課題に向き合い、長年にわたり研究を推進してきました。その一環として、敏感肌の多様な肌状態への理解を深め、一人ひとりの肌状態に応じたスキンケアの提案に役立てるため、本研究を実施しました。

 今後も敏感肌に着目した研究を推進し、その知見を肌状態に応じたスキンケア製品の開発に活かすことで、敏感肌に悩む一人でも多くの生活者のQOL(生活の質)向上に貢献してまいります。

1.研究の背景と目的                           

 敏感肌は、通常では問題にならないような刺激に対しても、ヒリつきやかゆみ、つっぱり感などを感じやすい肌状態として知られています。敏感肌の方は、バリア機能が低く、肌が乾燥しやすいといわれていますが、一方で敏感肌を自認していても肌のバリア機能低下が見られず、一般的な皮膚の計測では肌状態の違いを十分に捉えられない場合もあるなど、一口に敏感肌といっても、その肌状態は一様ではありません。

 そこで本研究では、敏感肌に共通してみられる特徴を捉えるとともに、その多様な肌状態を明らかにすることを目的としました。

2.研究概要および成果                      

 本研究では、敏感肌を自認する人と自認しない人を対象に、角層の炎症状態や水分量、バリア機能、肌色特性、および角層中の遊離アミノ酸量の違いを解析しました。

<方法>

 20~50代の敏感肌を自認する女性33名と、自認しない女性79名を対象に、頬部の角層水分量、経表皮水分蒸散量(TEWL)、および肌色特性(L*値、a*値、b*値、透明感スコア)を測定しました。

 また、頬部から採取した角層を用いて、炎症指標であるIL-1RA/IL-1α比とプラスミン活性および角層中の総遊離アミノ酸量を測定しました。さらに、敏感肌を自認する人を対象に、階層型クラスター分析を実施しました。

<研究成果(1)> 敏感肌を自認する人に共通する肌特徴を確認

 敏感肌を自認する人では、自認しない人と比較して、IL-1RA/IL-1α比およびプラスミン活性が高く、角層水分量と角層中の総遊離アミノ酸量が少ないことを確認しました。一方で、経表皮水分蒸散量(TEWL)には有意な差は見られませんでした。

 また、肌色特性(L*値、a*値、b*値、透明感スコア)を比較した結果、敏感肌を自認する人では、明るさを示すL*値と肌の透明感を示す透明感スコアが低く、赤みを示すa*値および黄みを示すb*値が高い傾向にありました【図1】。

 これらの結果から、敏感肌を自認する人では角層の炎症状態やアミノ酸量に特徴がみられ、肌の見た目にも違いが現れる可能性が示されました。

     図1 敏感肌を自認する人の角層炎症、肌色特性および総遊離アミノ酸量の特徴

<研究成果(2)> バリア機能が保たれていても、角層の炎症指標が高い敏感肌が存在

 敏感肌を自認する人を、角層水分量およびTEWLに基づく階層型クラスター分析により、角層水分量とバリア機能が比較的保たれたタイプ(Cluster A)、角層水分量は比較的保たれているがバリア機能が低下したタイプ(Cluster B)、角層水分量とバリア機能が低下したタイプ(Cluster C)の3つに分類し、それぞれの特徴を解析しました。

 各タイプについて角層炎症指標を比較したところ、角層水分量とバリア機能が低下したタイプ(Cluster C)だけでなく、角層水分量とバリア機能が比較的保たれたタイプ(Cluster A)においても、プラスミン活性が高いことが確認されました。さらに、角層中の総遊離アミノ酸量についても、同タイプ(Cluster A)において少ないことが確認されました【図2】。

 これらの結果から、一般的な角層水分量・バリア機能測定では大きな機能低下がみられない場合でも、角層内部では炎症に関連する変化や、アミノ酸量の低下が生じている敏感肌が存在する可能性が示されました。

         図2 角層水分量・バリア機能に基づく敏感肌の分類と角層の特徴

<研究成果(3)>  赤みだけでなく、黄みを特徴とする敏感肌が存在

 敏感肌を自認する人を、肌の赤みを示すa*値および黄みを示すb*値、および明るさを表すL*値に基づく階層型クラスター分析により3つのタイプ(Cluster D・E・F)に分類し、それぞれを「赤みが強いタイプ」「中間的なタイプ」「黄みが強いタイプ」と特徴づけました。

 各タイプについて角層炎症指標を比較したところ、赤みが強いタイプ(Cluster D)だけでなく、黄みが強いタイプ(Cluster F)においてもプラスミン活性が高いことが確認されました。また、同タイプ(Cluster F)では、角層中の総遊離アミノ酸量が少ないことも確認されました【図3】。

 この結果から、敏感肌の見た目の特徴は赤みだけではなく、黄みを含む多様な肌色として現れる可能性が示されました。

            図3 肌色特性に基づく敏感肌の分類と角層の特徴

<研究成果 総括>

 本研究により、敏感肌には炎症指標であるプラスミン活性が高く、角層中の総遊離アミノ酸量が少ないといった共通の特徴があることが分かりました。一方で、バリア機能が比較的保たれていてもプラスミン活性が高いタイプや、赤みだけでなく黄みを特徴とするタイプなど、異なる特徴を持つ複数の肌タイプが存在する可能性が示されました。

 これらの結果は、一口に敏感肌といってもその肌状態は一様ではなく、多様な肌状態が存在する可能性を示しています。

3.今後の展望                              

 今後は、敏感肌にみられる角層の炎症状態やアミノ酸量の変化と、バリア機能や肌色特性などとの関係について、さらに研究を進めます。こうした研究を通じて、敏感肌の多様な肌状態への理解を深め、一人ひとりの肌状態に応じたスキンケアの提案につながる知見を蓄積し、製品の開発に活かしてまいります。


<ご参考>

第一三共ヘルスケアについて

 第一三共ヘルスケアは、OTC医薬品領域におけるリーディングカンパニーとしての強みを基盤に、機能性スキンケア・オーラルケア・食品分野へと事業領域を拡大し、生活者の健やかな人生に寄り添うトータルヘルスケア企業として成長を続けています。

 私たちの理念を体現するコーポレートスローガン「Fit for You ひとりひとりの健やかな人生のライフパートナー」を掲げ、誰もが安心してセルフケア・セルフメディケーションに取り組める社会の実現に貢献してまいります。

<リリース原文(PDF)>

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/content/000142731.pdf

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