山本精工株式会社のプレスリリース
〜創業70年の精密部品加工メーカーがメイドインジャパンに特化した新事業〜
山本精工株式会社(大阪市生野区、代表取締役:山本正人)は、日本の精密技術と工芸を融合したB to Cブランド「YUKYU JINROU(悠久刃楼)」を発表し、初のコレクションとなる両刃カミソリをECサイトにて11月6日(金)より販売開始します。金属部品加工で培った精密技術と伝統の職人技が生む工芸を掛け合わせ、現代の生活にフィットする一生モノの道具をご提案してまいります。

■ ブランド誕生の背景
今、日本の製造業は大きな転換期を迎えています。人手不足や原材料・エネルギーコストの上昇、海外との競争が続く一方、半導体、AI、ロボット、医療機器など、高い技術力が求められる分野では、日本の工業技術に対する期待が日増しに高まっています。
その一方で、一般の生活者が日本の「ものづくり」が生み出す高度な技術に触れることのできる機会は、そう多くありません。だからこそ山本精工株式会社は、精密部品・機械加工に携わる中小企業として、日本が築き上げてきた「ものづくり」の価値を今こそ知ってもらいたい。私たちのノウハウと専門技術を生かし、消費者が直接手に取れる製品にその真価を反映できないか、と考えました。
オール日本製にこだわり、機能性と意匠美を両立した使い続ける道具を標榜する「YUKYU JINROU(悠久刃楼)」は、こうして誕生したのです。
半導体製造装置や産業機械、ロボット等に用いられる金属部品には、ミクロン単位の加工精度が求められます。当社はそのニーズに対応するため、社内で徹底した品質管理体制を敷き、高精度な機械部品の安定供給を続けてきました。私たちはこの「精度」という技術資産を、両刃カミソリに結実させました。
■ 精密技術が可能にした高精度
両刃カミソリはシンプルな構造でありながら、刃の露出量や角度、固定精度、ヘッド(刃の取り付け部)とハンドル(持ち手)の重量バランスなど、わずかな寸法差が使用感に影響する道具です。またハンドルは、形状が使い心地を大きく左右するとともに、意匠を表現する格好の素地ともなります。私たちはここに両刃カミソリの可能性を見出し、工業と工芸の技術を注ぎ込みました。

まず、製品の要となるヘッドの製造にMIM(Metal Injection Molding:金属粉末射出成形)を採用。金属粉末と樹脂バインダーを混合した原料を金型へ射出成形し、その後、脱脂・焼結して高密度な金属部品に仕上げる先進的な粉末冶金技術です。これにより医療用器具や高級腕時計に使われるSUS316L(サージカルステンレス)を、剃り心地と深剃りのバランスを追求した理想的な形状に仕上げることができました。

■ 工芸が命を吹き込む唯一無二の個性
一方でハンドルは、真鍮や銅の素材を滑らかな円筒形に削り出すとともに、麻の葉や菱文様といった日本の伝統文様を、高精度な切削加工によって刻み込んでいます。YUKYU JINROUの両刃カミソリの最大の特徴は、文様の深さや線幅、切削面の質感まで細かく管理されたハンドルに、工芸の作家が一つひとつ手作業により漆塗りや伝統着色といった伝統技法を施し、完成させることにあります。
ハンドルの構想は、プロジェクトメンバーが京都をはじめとする各地の工房を一軒一軒訪ね歩き、私たちの思想に共感いただいた作家と一緒に、技法や素材との相性を一つひとつ検証するところからスタートしました。




殆どの作家にとって、精密加工された真鍮や銅に工芸技術を応用するというのは、初めての試みでした。技法上の課題を乗り越え、1年以上の製作期間を掛け仕上がったハンドルは、手作業ならではの揺らぎを感じさせる表情豊かなものとなりました。

手にすればずっしりとした重量感と温かみのある手触りを感じさせる両刃カミソリは、毎朝の身だしなみに、たしかな品格を与えます。
経年による味わいの変化が楽しめ、刃を交換すれば剃り味は永続します。使い続けられる一生モノの道具とともに、優雅なクラシックシェービングをお愉しみいただけることでしょう。
■ 商品ラインナップ
工業と工芸、精度と感性、再現性と唯一性を一つの思想のもとに統合し、時間を繋ぐものづくりを体現した両刃カミソリのコレクションを、コンセプトと用いる技術に応じて4つの「章」で表現しました。
【旋之章|SEN NO SHO】… 旋削 × 伝統着色
旋削で均整の取れた面を生み出し、糠焼きや
化学変化を応用した伝統着色により、複雑で
奥行きある模様を表現。
■ 天青朧なり ¥16,280(税込)
■ 銀静遥なり ¥16,280(税込)
■ 岩漿顕なり ¥16,280(税込)

【環之章|KAN NO SHO】… 精密切削 × 漆塗り

精密切削で連続性のある紋様を全周に刻み出し、
漆塗りやいぶし仕上げとの組み合わせによって、
抒情的な黒色を引き出した。
■ 菱・黒連 ¥18,700(税込)
■ 麻・流連 ¥18,700(税込)
【鍛之章|TAN NO SHO】… 鍛金 × 朱銅
鍛金によって生まれる凹凸が、素材そのもの
の力強さを表出。朱銅という着色技法を使い
特徴的な色合いと風合いを生み出した。
■ 朱鎚 ¥27,500(税込)

【艶之章|TSUYA NO SHO】… 精密切削 × 色漆・金属粉

精密切削によって刻まれた和の紋様を
真鍮粉や銀粉などで彩った。
見る毎に表情を変える地と図のハーモニー。
■ 舞踊天降・黒耀 ¥29,700(税込)
■ 舞踊天降・瑠璃 ¥29,700(税込)
「YUKYU JINROUに懸ける想い」(山本精工株式会社 代表取締役 山本正人 コメント)
ブランドを立ち上げたのは、単に「良いカミソリをつくりたい」という理由からではありません。日本には、世界に誇れる金属加工の技術や長い年月をかけて受け継がれてきた種々の工芸があります。しかし、その魅力や価値は、まだ十分に知られているとは言えません。
YUKYU JINROUを通じて、国内外の多くの方に工業と工芸の魅力を知って、「メイドインジャパンって、こんなにも素晴らしいものだったのか」と肌で感じてもらいたい。そして、日本のものづくりの価値をさらに高めていきたいと考えています。
IT・AIをはじめとするデジタル分野に人材が集まる一方で、金属加工や工芸では働き手が減り、技術や文化の継承も難しくなっています。YUKYU JINROUをきっかけに、「ものづくりの仕事って格好良い」「自分もこの世界で働いてみたい」と思う人が一人でも増えてくれれば本望です。

そして、もう一つ伝えたいことがあります。
日本企業の大部分を占める中小・零細企業でも、自分たちの技術や強みを掛け合わせれば、新しい価値を生み出し、世界に挑戦できるということです。大企業だからできるのではなく、中小・零細企業だからこそできる挑戦がある。
YUKYU JINROUがそのモデルケースとなり、「自分たちにもできるかもしれない」と全国の中小・零細企業に刺激や希望を与えられたら嬉しい。日本の工業と工芸を未来へつなぎ、メイドインジャパンの価値を高め、ものづくりに関わる人を増やし、中小企業の可能性を示していく。その想いを形にしたブランドです。
■ 発売日・販売情報

ブランド名 :YUKYU JINROU(悠久刃楼)
発売日 :2026年11月6日(金)
販売場所 :公式ECサイト https://yukyujinrou.com/
11月6日(金)10:00より販売開始

