オハヨーバイオテクノロジーズ株式会社のプレスリリース
セミナーには、長年にわたって小児歯科、健康教育に従事され日本小児歯科学会 専門医・指導医を務める岡崎 好秀教授を講師に迎え、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種対象外である子ども(12歳未満)こそ見直したい“唾液力の重要性”や“親子でより健康的な生活を送るためにできること”についてお話しいただきました。
■「子どもの口腔リスクの現状」
岡崎教授は、『子どものむし歯は、幼児、小学生問わず年々減少している一方で、将来的に歯周病の原因となる歯肉炎については増加している』ことを説明し、歯垢が放置され歯肉炎につながってしまうことに触れ、『子どもに分かりやすく言うと、食後すぐにお皿を洗うとすぐに汚れが取れるが、一晩乾燥させるとそこに汚れがこびりつき取れなくなる。これが歯石と考えればいい。』と述べました。
そして、現代の子どもの口腔リスクの要因として『1.砂糖摂取機会の増加、2.食習慣の変化、3.マスク着用による口呼吸の増加』を挙げ、『子どもたちの口のためには、まず砂糖の摂取機会を減らすことが大切。またどんどん柔らかい食べものが増えてきており、歯周病になりやすい。さらに現在は、新型コロナウイルスの影響でマスクを使う頻度が増え、どうしても息がしづらく口呼吸になる。そうすると口の中が乾燥して、むし歯、歯周病、口臭の原因につながっていく。』と述べました。
■「唾液力の重要性」
『唾液には非常に面白い話がたくさんある。例えば、“よだれの多い赤ちゃんは丈夫に育つ”という言葉や“唾液の多い高齢者は長寿を得る”という言葉。このように唾液とは大きなファクターであり、その一つとして唾液にはカラダを守る作用がある。』と述べ、唾液には『外からの細菌&ウイルスの侵入を最前線で防ぐ、むし歯を防ぐ、歯周病を防ぐ、消化を助ける、口臭を防ぐ』といった働きがあることを説明しました。
また『現代の子どもは昔に比べて唾液が少ない』ことを指摘し、その理由として『今の子どもは食べる時に水分がないと飲み込めない。“流し込み食べ”をするとカラダは唾液を出す必要がなくなる。』と述べました。
さらに、『唾液力は「量と質」が重要』であることを説明し、『量とは「唾液の量」であり、質とは唾液に含まれる免疫物質「リゾチーム・lgA(免疫グロブリンA)」の数』であると語りました。そして唾液力を向上させるためには、『食生活の改善(よく噛む)、あいうべ体操、菌そうを変える(バクテリアセラピー)』が必要であると述べました。
■「コロナ禍における口腔ケア」
コロナ禍における口腔ケアの重要性については、『新型コロナウイルスは目と鼻と口から入ってくる。目は触らなければいい。鼻には粘液細胞があり、入ったちりやほこりの8割程度は除去される。口の場合は、細菌が直接肺に入ってしまう。それが新型コロナウイルスやインフルエンザの重症化の原因であるということは十分に考えられる。』『歯周病菌は歯ぐきを溶かす。そうすると当然口の中の粘膜が弱る。それにより新型コロナウイルスにもかかりやすくなる。そのため最近では「新型コロナウイルスの予防のためには丁寧に歯を磨きましょう」と言われるのも、このような理屈。』と述べました。
最後に親子の口腔ケアのポイントについて、『1.よく噛んで食べる、2.乳幼児期は砂糖の味を教えない、3.しっかりと歯を磨く、4.歯科医院での定期健診、5.あいうべ体操、6.良い菌を摂る(バクテリアセラピー)』の6点を挙げました。
岡崎 好秀教授
― プロフィール ―
国立モンゴル医学科学大学 歯学部 客員教授
1978年愛知学院大学歯学部卒業 同年大阪大学歯学部小児歯科を経て
1984年より岡山大学病院 小児歯科 講師(歯学博士 岡山大学)
2013年4月より 国立モンゴル医学科学大学 客員教授
2017年4月~2020年3月 岡山大学病院 スペシャルニーズ歯科センター 診療講師
専門:小児歯科・障がい児歯科・健康教育
― オハヨーバイオテクノロジーズ株式会社 会社情報 ―
日本カバヤ・オハヨーホールディングスグループとして、2017年4月に設立。日本人の健康寿命を延ばし、豊かな人生を実現するため「医と食のバランスを変える」という10年ビジョンを掲げ、グループのヘルスケア事業をリードしてまいります。