花王株式会社広報部のプレスリリース
多くの親にとって、乳幼児の「肌あれ」は心配事のひとつです。どのようなことに気をつけると良いのでしょうか?
アトピー性皮膚炎の重症度にハウスダスト中の「アレルゲン量」※1が関連していることは知られていますが、アトピー性皮膚炎とは診断されていない肌あれとアレルゲン量との関連については、ほとんど報告がありません。そこで、今回は「肌状態とアレルゲン量の関係」に着目しました。
■乳幼児の肌状態とアレルゲン量は関係する!
1歳前後の健常乳幼児42名を対象として、乳幼児が普段過ごしている居間や寝具からハウスダストを採取し(図1)、肌状態と住環境中のアレルゲン量の関係を調べました。その結果、ハウスダスト中の「ダニの糞由来のアレルゲン量」※2が少ないと「皮疹(肌に見られる発疹)」※3が軽度な傾向にあることがわかりました(図2)。
また、ダニの糞由来のアレルゲン量が少ない家庭の乳幼児で、「保湿ケア習慣がある」※4場合、肌状態がさらに良い傾向にありました。
1歳前後の健常乳幼児42名を対象として、乳幼児が普段過ごしている居間や寝具からハウスダストを採取し(図1)、肌状態と住環境中のアレルゲン量の関係を調べました。その結果、ハウスダスト中の「ダニの糞由来のアレルゲン量」※2が少ないと「皮疹(肌に見られる発疹)」※3が軽度な傾向にあることがわかりました(図2)。
また、ダニの糞由来のアレルゲン量が少ない家庭の乳幼児で、「保湿ケア習慣がある」※4場合、肌状態がさらに良い傾向にありました。
図1 採取したハウスダストの例
図2 ダニの糞由来のアレルゲン量と皮疹の関係
以上の結果から、乳幼児の肌を健やかな状態に保つためには、こまめな掃除などによりダニが増殖しにくい清潔な住環境に整え、アレルゲンなどの外部刺激から肌を守ることが重要であるとわかりました。そのうえで、しっかりと保湿ケアをすることが大切だと考えられます。
なお、本研究内容は、第45回日本小児皮膚科学会学術大会(2021年7月3~4日)、第85回日本皮膚科学会東京支部学術大会(2021年11月13~14日)にて発表しました。
※1 アレルギー反応を引き起こす物質(抗原)の量のこと
※2 「Der1」と呼ばれるダニの糞に含まれるタンパク質を定量
※3 皮膚科専門医による皮疹評価をもとに4段階にスコア化し、肌あれの指標とした
※4 週に4回以上保湿剤を肌に塗布する場合を「保湿ケア習慣がある」とした