中等症から重症のクローン病を有する患者さんにおいて、リサンキズマブの最新解析データを公表

アッヴィのプレスリリース

アッヴィ、中等症から重症のクローン病を有する患者さんにおいて、リサンキズマブが12週時の臨床的寛解および内視鏡的改善を達成したことを示す最新の解析データを公表

●既存治療や生物学的製剤で効果不十分または不耐容であった患者さんを対象としたADVANCE試験において、リサンキズマブはプラセボとの比較で主要評価項目である12週時の臨床的寛解および内視鏡的改善を達成1

●生物学的製剤で効果不十分または不耐容であった患者さんを対象としたMOTIVATE試験において、リサンキズマブはプラセボとの比較で同様の主要評価項目を達成1

●インターロイキン-23(IL-23)阻害薬のリサンキズマブは、成人の中等症から重症のクローン病およびその他の免疫関連疾患の治療薬として開発中1,10,11

●Digestive Disease Week(R)(DDW)Virtual Conference 2021でこれらの結果を公表

 

イリノイ州ノースシカゴ、2021524日(米国時間)-アッヴィ(NYSE: ABBV)は、中等症から重症のクローン病を有する患者さんを対象とした2つの第III相寛解導入療法試験において、主要評価項目である12週時の臨床的寛解および内視鏡的改善を達成した患者さんの割合が、リサンキズマブの2つの用量(600 mgおよび1200 mg)群の両方で、プラセボ群より有意に高い(それぞれ、p<0.001)とする最新の解析データをDigestive Disease Week (R)(DDW)Virtual Conference 2021で発表しました1。今回の発表は、年初のトップラインデータの発表に続いて、2つの臨床試験(ADVANCE試験およびMOTIVATE試験)から得られたデータに関する初めての発表です。

 

ADVANCE試験は、既存治療で効果不十分または不耐容であった患者さん(non-bio-IR)や生物学的製剤で効果不十分または不耐容であった患者さん(bio-IR)、MOTIVATE試験は、生物学的製剤で効果不十分または不耐容であった患者さん(bio-IR)を対象とした試験です。ADVANCE試験では、中等症から重症のクローン病を有する患者さんを対象としたサブグループ解析により、リサンキズマブは過去の治療歴に関わらず効果を示し、bio-IR患者さんと比較してnon-bio-IR患者さんで高い有効性が認められました1*

 

カルガリー大学内科教授兼IBD部門長のリモ・パナチオーネ医学博士(M.D.)は次のように述べています。「身体的、心理的および経済的に多大な負担ともなり得る、予測不能な疾患であるクローン病の患者さんの多くは、現在の治療法では疾患をコントロールすることが困難です。リサンキズマブ群では、12週時の臨床的寛解および内視鏡的改善を達成する患者さんの割合がプラセボ群より有意に高いデータをDDWで発表することができ嬉しく思います」

 

最新の解析データは、5月23日日曜日、午後2時32分から午後2時46分まで(米国中部標準時)の「Clinical Science Late-Breaking Abstract Plenary」セッション(演台番号775a)の一部としてDDW 2021で発表されました。

 

ADVANCE試験における12週時の有効性の結果1

評価項目 被験者集団 リサンキズマブ 600 mg % (n/N) リサンキズマブ 1200 mg % (n/N) プラセボ % (n/N)

CDAIに基づく臨床的寛解(米国内)a

全体

45.1 (152/336)* 41.9 (142/339)* 24.6 (43/175)*

Non-Bio-IR

48.6 (69/142) 48.6 (69/142) 23.1 (18/78)

Bio-IR

42.6 (83/194) 37.1 (73/197) 25.8 (25/97)

SF/APに基づく臨床的寛解(米国外)b

全体

43.5 (146/336)* 41.3 (140/339)* 21.1 (37/175)*

Non-Bio-IR

47.9 (68/142) 45.1 (64/142) 19.2 (15/78)

Bio-IR

40.2 (78/194) 38.6 (76/197) 22.7 (22/97)

内視鏡的改善c

全体

40.3 (135/336)* 32.2 (109/339)* 12.0 (21/175)*

Non-Bio-IR

50.2 (71/142) 44.0 (62/142) 12.8 (10/78)

Bio-IR

33.0 (64/194) 23.7 (47/197) 11.4 (11/97)

 

MOTIVATE試験における12週時の有効性の結果1
評価項目 被験者集団 リサンキズマブ 600 mg % (n/N) リサンキズマブ 1200 mg % (n/N) プラセボ % (n/N)
CDAIに基づく臨床的寛解(米国内)a
Bio-IR 42.2 (80/191)* 40.8 (78/191)* 19.3 (36/187)*
SF/APに基づく臨床的寛解(米国外)b
Bio-IR 34.6 (66/191)* 39.3 (75/191)* 19.3 (36/187)*
内視鏡的改善c
Bio-IR 28.8 (55/191)* 34.1 (65/191)* 11.2 (21/187)*

* リサンキズマブの全用量群とプラセボ群の間に認められたすべての差に統計学的有意性がみられた(p<0.001)。ADVANCE試験のサブグルーブ(non-bio-IRおよびbio-IR)に関する統計学的検定は実施していない。

a  CDAI(クローン病活動指数)に基づく臨床的寛解は、CDAIスコアが150未満の場合と定義。

b  SF(排便回数)/AP(腹痛)(PRO-2とも呼ばれる)に基づく臨床的寛解は、1日当たりの平均SFスコアが2.8以下、1日当たりの平均APスコアが1以下であり、かついずれもベースラインから悪化していない場合と定義。

c  内視鏡的改善は、簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD)がベースラインに比べ50%超(病変が回腸に限局しているベースラインのSES-CDが4の患者さんではベースラインに比べ2点以上)減少した場合と定義。

 

両試験ともに、12週間の寛解導入療法期間におけるリサンキズマブの安全性プロファイルは、過去の臨床試験から得られた、これまでに確認されているリサンキズマブの安全性プロファイルとおおむね一致しており1、新たな安全性のリスクは認められませんでした。

 

ADVANCE試験において、重篤な有害事象(SAE)が発現した患者さんの割合は、リサンキズマブ600 mg群で7.2%、1200 mg群で3.8%、プラセボ群では15.1%でした1。リサンキズマブ群で最も多く認められた有害事象(AE)は、頭痛、上咽頭炎および倦怠感でした1。重篤な感染症の発現率は、リサンキズマブ600 mg群で0.8%、1200 mg群で0.5%、プラセボ群では3.8%でした1。治験薬の投与中止に至ったAEの発現率は、リサンキズマブ600 mg群2.4%、1200 mg群で1.9%、プラセボ群では7.5%でした1。ADVANCE試験では、プラセボ群で死亡例が2例報告されました1。主要有害心血管イベント(MACE)やアナフィラキシー反応と判定、報告された事象はありませんでした1

 

MOTIVATE試験において、SAEが発現した患者さんの割合は、リサンキズマブ600 mg群で4.9%、1200 mg群で4.4%、プラセボ群では12.6%でした1。リサンキズマブ群で最も多く認められたAEは、頭痛、関節痛および上咽頭炎でした。重篤な感染症の発現率は、リサンキズマブ600 mg群で0.5%、1200 mg群で1.0%、プラセボ群では2.4%でした1。治験薬の投与中止に至ったAEの発現率は、リサンキズマブ600 mg群で1.0%、1200 mg群で2.4%、プラセボ群では8.2%でした1。死亡例は、リサンキズマブ1200 mg群で1例報告されました。死亡原因は、試験開始後8日目に診断された肺扁平上皮がんであり、治験責任医師により治験薬と関連なしと判定されました。MACEやアナフィラキシー反応と判定、報告された事象はありませんでした1

 

これらの試験の結果は、学術雑誌に投稿し発表する予定です。クローン病に対するリサンキズマブの使用は承認されておらず、その安全性および有効性も規制当局による評価はされていません。現在、クローン病に対する維持療法試験が進行中であり、完了次第、これらの寛解導入療法試験結果とともに、規制当局に提出する予定です。

 

リサンキズマブは、ベーリンガーインゲルハイムとアッヴィの業務提携の一環で、アッヴィが世界的に開発と販売を主導しています。

 

クローン病について

クローン病は、胃腸(または消化器)管に炎症が起きることにより、持続的な下痢や、腹痛、直腸出血をきたす慢性、全身性の疾患です2,4,5。進行性の疾患であり、時間経過とともに悪化します2,3。さらにクローン病の徴候・症状は予測できないため、患者さんにとって身体面だけでなく精神面、経済面にも大きな負担となることもあります4

 

ADVANCE試験およびMOTIVATE試験について1,6,7

ADVANCE試験およびMOTIVATE試験は中等症から重症のクローン病を有する成人患者さんを対象に、リサンキズマブの有効性と安全性を評価するために設計された第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、寛解導入療法試験です。この2つの第III相寛解導入療法試験の目的は、リサンキズマブの2つの用量(600 mgおよび1200 mg)の有効性と安全性をプラセボと比較し、評価することです。ADVANCE試験は、様々な背景の患者さん(既存治療や生物学的製剤で効果不十分または不耐容であった患者さん)からなる集団を対象とし、MOTIVATE試験は、生物学的製剤で効果不十分または不耐容であった患者さんを対象としました。

 

両試験ともに、米国内と米国外でわずかに異なる主要および副次評価項目を設定しました。主要評価項目は、12週時の臨床的寛解(米国内ではCDAIを用い、CDAIスコア150未満を寛解と定義しました。米国外ではPRO-2を用い、1日の排便回数と腹痛スコアにより評価しました)、および、内視鏡的改善(米国内外で共通)でした。内視鏡的改善は、中央審査委員の判定による簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD)がベースラインに比べ50%超(病変が回腸に限局しているベースラインのSES-CDが4の患者さんではベースラインに比べ50%以上)減少した場合と定義しました。詳細は、www.clinicaltrials.gov(ADVANCE試験:NCT03105128、MOTIVATE試験:NCT03104413)をご覧ください。

 

リサンキズマブについて

リサンキズマブは、インターロイキン-23(IL-23)のp19サブユニットに結合することによりIL-23を選択的にブロックするIL-23阻害薬です8,9。炎症プロセスに関与するサイトカインであるIL-23は、クローン病を含む多くの慢性免疫関連疾患に関連すると考えられています8,9。2019年4月、リサンキズマブは全身療法または光線療法の候補となる、中等症から重症の成人尋常性乾癬の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)より承認されました。リサンキズマブの用量は150 mg(75 mg製剤を2本投与)で、0週および4週時の投与後、12週毎に皮下注射で投与します。また、リサンキズマブは、2019年4月にEUにおいても承認されました。乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)を対象とするリサンキズマブの第III相試験が進行中です6,7,10,11。リサンキズマブのクローン病に対する規制当局の承認はされておらず、その安全性および有効性は評価されていません。

 

米国におけるリサンキズマブについて9

リサンキズマブは、全身療法または光線療法が対象となる中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者さんの治療を適応としています。

 

重要な安全性情報9

感染症

本剤は感染症のリスクを増大させる可能性がある。臨床的に重大な活動性の感染症を有する患者に対しては、回復するか、十分な治療が行われるまで、本剤の投与を開始しないこと。

 

慢性感染症を発症している患者または回帰感染の既往歴がある患者では、本剤の処方に先立って、リスクとベネフィットを検討すること。患者に対しては、臨床的に重大な感染症の徴候・症状があらわれた場合には、医師の診察を受けるよう指導すること。臨床的に重大な感染症があらわれた場合または標準治療で効果が得られない場合には、患者の状態を十分に観察し、回復するまで本剤の投与を中止すること。

 

本剤投与前の結核検査

本剤の投与開始に先立って、結核感染の有無を確認し、潜在性または活動性結核があり、十分な治療経過を確認できない患者については、治療を考慮すること。本剤投与中および投与後は、活動性結核の徴候および症状の有無を観察すること。活動性結核を有する患者に本剤を投与しないこと。

 

予防接種

本剤の投与開始に先立って、最新の予防接種ガイドラインに基づき、年齢に応じたすべての適切な予防接種の実施を検討すること。本剤を投与されている患者においては生ワクチンの使用を避けること。

 

副作用

本剤投与に伴って高頻度(1%以上)に報告された副作用は、上気道感染、頭痛、倦怠感、注射部位反応、白癬感染などであった。

 

上記は、すべての安全性情報を完全に要約したものではありません。

処方薬の副作用をFDAに報告することが奨励されています。http://www.fda.gov/medwatch をご覧いただくか、1-800-FDA-1088にお電話ください。

 

薬剤の支払いが難しい場合は、アッヴィがお手伝いできるかもしれません。詳細については、AbbVie.com/myAbbVieAssist をご参照ください。

 

こちらから、詳細な処方情報および服薬ガイドについてご参照ください。

 

世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。

 

消化器領域におけるアッヴィについて

潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の領域を大きく発展させるため、アッヴィは強固な臨床試験プログラムを実施し、最先端の研究に取り組んでいます。革新と学習、そして適応を通して、IBDによる患者さんの負担をなくし、患者さんの生活を長期にわたって改善していくことを目指しています。消化管領域におけるアッヴィについて、詳細はこちらをご覧ください。

 

アッヴィについて

アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvieFacebookLinkedInInstagramでも情報を公開しています。

 

Forward-Looking Statements

Some statements in this news release are, or may be considered, forward-looking statements for purposes of the Private Securities Litigation Reform Act of 1995. The words “believe,” “expect,” “anticipate,” “project” and similar expressions, among others, generally identify forward-looking statements. AbbVie cautions that these forward-looking statements are subject to risks and uncertainties that may cause actual results to differ materially from those indicated in the forward-looking statements. Such risks and uncertainties include, but are not limited to, failure to realize the expected benefits from AbbVie’s acquisition of Allergan plc (“Allergan”), failure to promptly and effectively integrate Allergan’s businesses, competition from other products, challenges to intellectual property, difficulties inherent in the research and development process, adverse litigation or government action, changes to laws and regulations applicable to our industry and the impact of public health outbreaks, epidemics or pandemics, such as COVID-19. Additional information about the economic, competitive, governmental, technological and other factors that may affect AbbVie’s operations is set forth in Item 1A, “Risk Factors,” of AbbVie’s 2020 Annual Report on Form 10-K, which has been filed with the Securities and Exchange Commission, as updated by its subsequent Quarterly Reports on Form 10-Q. AbbVie undertakes no obligation to release publicly any revisions to forward-looking statements as a result of subsequent events or developments, except as required by law.

 

 

1.D’Haens G, Panaccione R, Colombel JF, et al. Risankizumab induction therapy in patients with moderate-to-severe Crohn’s disease: results from the ADVANCE and MOTIVATE phase 3 studies. Presented at Digestive Disease Week(R) (DDW) Virtual Conference 2021, May 21–23.

2.The Facts about Inflammatory Bowel Diseases. Crohn’s & Colitis Foundation of America. 2014.Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/sites/default/files/2019-02/Updated%20IBD%20Factbook.pdf. Accessed on April 9, 2021.

3.Crohn’s disease. Symptoms and Causes. Mayo Clinic. 2020. Available at: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/crohns-disease/symptoms-causes/syc-20353304. Accessed on April 9, 2021.

4.The Economic Cost of Crohn’s Disease and Ulcerative Colitis. Access Economics Pty Limited. 2007.Available at: https://www.crohnsandcolitis.com.au/site/wp-content/uploads/Deloitte-Access-Economics-Report.pdf. Accessed April 9, 2021.

5.Kaplan G. The global burden of IBD: from 2015 to 2025. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2015Dec;12(12):720-7. doi: 10.1038/nrgastro.2015.150.

6.A Study of the Efficacy and Safety of Risankizumab in Participants With Moderately to Severely Active Crohn’s Disease. ClinicalTrials.gov 2021. Available at https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03105128. Accessed on April 9, 2021.

7.A Study to Assess the Efficacy and Safety of Risankizumab in Participants With Moderately to Severely Active Crohn’s Disease Who Failed Prior Biologic Treatment. ClinicalTrials.gov. Available at https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03104413. Accessed on April 9, 2021.

8.Duvallet E, Sererano L, Assier E, et al. Interleukin-23: a key cytokine in inflammatory diseases. Ann Med. 2011. Nov 43(7):503-11.

9.SYRIZI (risankizumab) [Package Insert]. North Chicago, Ill.: AbbVie Inc.

10.A Study to Assess the Safety and Efficacy of Risankizumab for Maintenance in Moderate to Severe Plaque Type Psoriasis (LIMMITLESS). ClinicalTrials.gov 2021. Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03047395. Accessed on April 9, 2021.

11.A Study Comparing Risankizumab to Placebo in Participants With Active Psoriatic Arthritis Including Those Who Have a History of Inadequate Response or Intolerance to Biologic Therapy (Ies) (KEEPsAKE2). ClinicalTrials.gov 2021. Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03671148. Accessed on April 9, 2021.

 

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