特定非営利活動法人日本唾液ケア研究会のプレスリリース
第9波のピーク前こそやるべき対策として「体内マスク」の強化を推奨
■調査結果サマリー
・現在のマスクの着用実態割合は、約5割が「常に外している」「状況に応じて外している」と回答し、残り5割は「状況問わずマスクを着用することが多い」と回答(Q1)
Q1-1
Q1-2
・マスクを外す割合が高い場所として「屋外での移動時」(70.7%)が選ばれ、昨年時の回答割合と比べ30%以上の差があった(Q2)
Q2
・今年の夏にマスクを外すと答えた人は、昨年時とくらべ2.5倍増。20代~30代では約6割が外すと回答し、40代以降とは意向が異なった(Q3)
Q3-1
Q3-2
・マスクを外す理由1位は「息がしづらい」、外さない理由1位は「感染症にかかりたくない」が選ばれた(Q4・Q5)
Q4
Q5
・マスクの自由化以降での体の変化や不調については、「口臭が気になる」「口の渇きが気になる」の回答が多く、併せて「鼻水」や「咽頭痛」を訴える人もいた(Q6)
Q6
・健康によいとわかっているものの、習慣的に行うことが難しい対策については、1位「バランスのよい食事」(32.0%)、2位「免疫力を意識した生活」(29.6%)であった(Q7)
Q7
・反対に対策として行っていることとして、1位「手洗いうがい」(32.4%)、2位「発酵食品の摂取」(25.9%)、3位「小まめな水分補給」(23.1%)が選ばれた(Q8)
また、Q6で不調を感じると答えた人と、感じないと答えた人の習慣の差を見たところ、とくに「リラックスの時間を作る」「睡眠時間の確保」「発酵食品の摂取」に差が見られた
Q8
・世の中の人が健康のために摂っている食品1位は「ヨーグルトなどの乳製品」(39.5%)、2位「野菜・果物類」(39.3%)、3位「納豆や豆腐などの大豆製品」(31.1%)だった(Q9)
Q9
■専門家の解説
NPO法人日本唾液ケア研究会 理事長 槻木 恵一(歯学博士)
<マスク着用の実態調査から見えてくる、年代別それぞれの感染症予防>
マスク自由化から3か月が経ち、マスクを外す人が若年層を中心に増えてきたことが調査の結果として明らかとなりました。若年層では比較的軽症ですむ新型コロナですが、高齢者における重症化リスクは少なくありません。「コロナ明け」といわれていますが、新型コロナウイルス感染症はなくなったのではありません。逆に、最近は増えている傾向にありますし、後遺症も心配です。高齢者やハイリスクの人は無理にマスクを外すのではなく、安心できる状況になるまで様子を見てもいいかもしれません。
また、若年層やミドル世代は、屋外にいるときは外し、人込みでは着用するなど状況に応じてマスクを活用するのがいいでしょう。
<感染症は口から始まる!口の乾燥には注意が必要>
本調査からマスク自由化以降に感じる不調では、「口臭が気になる」、「口が乾く」などの口のトラブルが上位に見られました。口は感染症の入り口です。口が乾燥を感じたら、ウイルスや細菌から身を守る防御力が低下したサインと考えていいでしょう。
口の乾燥の大きな原因として、口呼吸があげらます。マスク着用が長かったため、口呼吸がクセになりマスクをはずしても続けてしまうことがあるようです。口呼吸を改善するとともに、注目したいのは唾液です。
口を潤しているのは唾液です。唾液を唾液の量と質をしっかり高めて、感染症の予防対策を行うこともこの時期大変有効な手段となります。
<唾液中のIgAを増やし、「体内マスク」を強化する>
唾液の中には、抗菌&抗ウイルス物質が含まれています。その主役は、新型コロナウイルスにも有効性が証明されたIgAという抗体です。唾液中のIgA抗体は、口の中でマスクと同様に、外から入ってくる細菌やウイルスをブロックするため、口の中にあるマスク「体内マスク」といわれています。
唾液中のIgA抗体は誰にも備わっている免疫機能で、ウイルスや細菌にくっつき、粘膜から感染するのを防ぎます。この唾液中のIgA抗体は、ヨーグルトを毎日続けて食べると増えることがわかっています。本調査においても、不調を感じなかった人ほど、積極的にヨーグルトや発酵食品を食べていることがわかりました。
健康のために意識的に行っていることでは、「ヨーグルト等の乳製品」が1位となり、免疫力を高めるために有効であることが広く知られてきたことは喜ばしいことです。
<マスク自由化時代の感染症予防>
マスク自由化の今こそ、「唾液中のIgA抗体=体内マスク」の存在を広く知っていただき、今後の感染症対策に活用していただきたいと考えています。今後、新型コロナ以外にインエンザなど増えていくと予想しています。感染症対策としてマスクを外した人は体内マスクを強化し、マスク着用を続ける人も二重の防御として体内マスクを意識していきましょう。
■調査概要
・調査期間 :2023年6月1日~6月2日
・調査対象者:20~60代男女(全国)
・調査人数 :1,000人
・調査手法 :インターネット調査
NPO法人日本唾液ケア研究会ホームページ
https://peraichi.com/landing_pages/view/salivacare/