<アデランス研究発表>第65回 日本脂質生化学会において毛髪中の脂質分析に関する研究成果を発表

株式会社アデランスのプレスリリース

 毛髪・美容・健康のウェルネス事業をグローバル展開する株式会社アデランス(本社:東京都品川区、代表取締役社長 津村 佳宏)は、2023年6月8日(木)~6月9日(金)にKKRホテル熊本(熊本県熊本市)において開催された第65回 日本脂質生化学会に参加し、当社が取り組んでいる毛髪中の脂質分析に関する研究成果を一般演題で口頭発表しました。

 日本脂質生化学会は、脂質生化学分野の研究者が一堂に集い意見交換することを目的として発足した、欧米各国では類を見ない学会です。日本は脂質生化学分野において世界をリードしてきており、人類の健康に資する数多くの発見と医療革新、新規治療薬、機能性食品の開発へ結びつく数々の成果を挙げています。アデランスは当学会の「脂質生化学研究を一層強化し、世界をリードする脂質研究を我が国に生み出す」という理念に寄与できるよう、毛髪関連企業の第一線として、毛髪の可能性を追求し、新たに毛髪を健康分野で活用することを目指して、脂質分析の研究を進めております。

■  研究目的

 毛髪は毛細血管を介して血中成分や、毛球部の細胞成分を取り込みながら伸長するため、生体内情報を長期的にモニタリングできる「メモリー組織」としての活用が期待されている。毛髪は血液や尿と比べて日内や日間変動の影響が少なく、また、常温での輸送や保管が可能であり、採取の際の侵襲性も低いことから、医療機関以外での受診が可能になるなど健康計測の新たな手法としての展開が見込まれている。

 一方で、これまで毛髪中に含まれる脂質分子の詳細なプロファイルや長期的な安定性に関してほとんど明らかになっておらず、バイオマーカー候補の探索が十分に進んでいない。 

 本研究では毛髪中の脂質の高網羅的なスクリーニングを行うと共に、得られた同定脂質について経時的な変動を追跡し、将来的に健康指標として活用可能な候補分子の探索を行った。

図:「メモリー組織」としての毛髪図:「メモリー組織」としての毛髪

■  結果・考察

 脂質分析の結果、約500個の脂質分子が最終的に同定された。多変量分析の結果からアミノ酸や有機酸のような親水性代謝物に比べると、脂質は経時的に減少する分子が少ないことが明らかとなった。また、毛髪中では血中とオーバーラップする脂質分子が数多く含まれていることが分かったため、血中の脂質プロファイルとの相関性などの検証を進める予定である。さらに、今後はこれらの情報をもとに、各種の疾患サンプルのリピドミクス解析にも着手し、健康指標となる候補分子の絞り込みにも取り組む。

 これらの毛髪の可能性を追求することで、将来、人類にとって価値のある新たな健康評価システムの実用化に繋げたいと考えている。

  • 学会概要

学会名称 :第65回 日本脂質生化学会
会期   :2023年6月8日(木)~6月9日(金)
会場   :KKRホテル熊本(熊本県熊本市)
実行委員長:熊本大学大学院生命科学研究部 薬学生化学分野 教授 杉本 幸彦先生

演題   :毛髪による健康診断の確立に向けた脂質の高網羅的な探索

演者   :株式会社アデランス 研究開発部 五十嵐 亨平

 アデランスはトータルヘアソリューションにおけるリーディング企業の使命として、経営理念の一つである「最高の商品」の開発および毛髪関連業界の発展を目指し、機能性人工毛髪や医療用ウィッグの研究開発、育毛・ヘアスカルプケア関連研究、抗がん剤脱毛抑制研究など、毛髪に関連した多種多様な研究を積極的に取り組んでおります。

 その研究の成果を国内外の学会を通じて発信し、研究成果を発表していくことは、毛髪界の更なる進展となり、ひいては多くの方の髪の悩みの解消だけでなく心身の健康にも寄与し、当社のCSR(企業の社会的責任)であると考えております。

 

株式会社アデランスは、おかげ様で2023年をもって創業55周年を迎えます。新時代を表す「NEXT ADERANS」として掲げ、創業当初からの理念「世界のブランド アデランス」を目指し、毛髪・美容・健康・医療・衛生のグローバルウェルネスカンパニーとして夢と感動を提供し続けていきます。

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