同志社大学心理学部 畑敏道教授 研究グループ成果発表 

同志社大学のプレスリリース

本研究成果のポイント(詳細についてはリリース文を参照願います)

動物を対象として、数十秒程度の時間の長さの短期的な記憶と長期的な記憶の形成プロセスを調べられる行動課題を考案した。 

この課題を用いて、時間の長さについての長期的な記憶を形成する際に、背側海馬が重要な役割を果たしていることを初めて明らかにした。

研究成果は、時間の情報が脳でどのように処理されているのかを知るための重要な手がかりとなりうる。

 

概要

脳の海馬は、空間の「地図」に基づいて行動するために重要であることが古くから知られており、これに関する研究に2014年のノーベル医学・生理学賞が贈られました。一方、経過時間の長さによって海馬の異なったニューロンが活動していることが明らかになるなど、経過時間の処理にも海馬が関与していることが最近明らかになってきました。しかし、経過時間の長さについての記憶が作られる時に、海馬が何か役割を果たしているのかについては明らかではありませんでした。

このたび、本学心理学部 畑 敏道教授、山下達也氏(本学心理学部生(当時))、鎌田泰輔氏(本学大学院心理学研究科生(当時)、現京都大学大学院医学研究科メディカルイノベーションセンター特定研究員)の研究グループは、数十秒程度の時間の長さについての長期的な記憶を形成する「固定化」の際に、背側海馬が重要な役割を果たしていることを初めて明らかにしました。

私たちは普段時間がすぐに過ぎてしまうことを惜しんだり、なかなか過ぎてくれない時間にいらだったりします。この研究成果は、時間の情報が脳でどのように処理されているのかを知るための重要なヒントとなることが期待されます。

 本研究成果は、Wiley社のオンラインジャーナルであるEuropean Journal of Neuroscience誌に2021年5月27日に掲載されました。

 

 

                                          以 上

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