「睡眠不足と肌の関係」に着目! ポスター発表が世界トップ10に選出 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)2021 カンクーン中間大会 丸善製薬

丸善製薬株式会社のプレスリリース

植物を中心とする天然物より、医薬品や医薬部外品、化粧品、食品の原料を製造する丸善製薬株式会社(所在地:広島県尾道市、代表取締役社長:日暮 泰広)では、本年10月18日~28日に開催された、化粧品分野における世界的な学術発表の場であるIFSCC 2021 カンクーン(メキシコ)中間大会のポスター部門において、成長ホルモンの働きに着目した「睡眠不足と肌の関係」についての技術発表(※1)が、トップ10ポスターに選出されました。
丸善製薬では、本技術発表および関連する研究成果を活用し、皮膚機能のさらなる解明や、当社が製造する化粧品原料「トウキンセンカ花エキス(販売名:トウキンセンカ抽出液BG-J)」並びに「ウンシュウミカン果皮エキス(販売名:和ism<ウンシュウミカン>)」の応用研究に取り組んでまいります。

【IFSCCとは?】
国際化粧品技術者会連盟(The International Federation of Societies of Cosmetic Chemists  略称:IFSCC)は1959年に設立された、化粧品の科学と技術の向上および国際的な協力などを目的とした世界的組織です。
「日本化粧品技術者会(略称:SCCJ)」をはじめ、約80の国と地域を代表する組織が加盟しており、
世界中で16,000名を超える会員が所属しています。
特に、IFSCCにより毎年開催される「学術大会」(Congress: 本大会/偶数年開催、Conference: 中間大会/奇数年開催)においては、各国の化粧品技術者が一堂に会し、最新の研究成果が発表され、優秀な発表の表彰が行われます。本年は、IFSCC中間大会がカンクーン(メキシコ)にてオンライン方式で開催されました。

【本技術発表の内容】
1. 研究の背景
成長ホルモン(以下GH)は、その名の通り身体の成長を促すホルモンです。成長期を過ぎた大人では、身体の恒常性維持に関与しています。肌においては、GHは皮膚線維芽細胞に作用しインスリン様成長因子(IGF)-1産生を介して、コラーゲンやヒアルロン酸の産生を促します。更に、表皮角化細胞に対してもIGF-1の働きを介し、細胞増殖や修復に関与しており、健康で若々しい肌の維持に重要な役割を果たします。
GHは、深い睡眠時に多く分泌されますが、睡眠が浅くなるなどの「質の悪い睡眠」や、加齢によってその分泌量が低下することが知られています。
そこで、GHの供給量が低下した肌を再現するため、当社独自の「睡眠不足モデル」を用いた評価法を確立し、GH量が低下する状況においても、GHの働き(IGF-1の産生)を「ブースト」することにより、健康な肌状態の維持に貢献する植物エキスを探索するべく、検討を行いました。

2. 研究結果の概要
36歳由来の皮膚線維芽細胞を用いて、わずかなシグナルは誘導するものの、有意なIGF-1 mRNAの発現は誘導しない低濃度のGHと植物エキスを併用することで、適量のGH存在下と同等レベルのIGF-1誘導を促す素材を検討し、トウキンセンカ花エキスに作用が見出されました(図1)。

図1 GHとトウキンセンカ花エキスの併用によるIGF-1 mRNA発現促進作用図1 GHとトウキンセンカ花エキスの併用によるIGF-1 mRNA発現促進作用

 

また、低濃度GHとトウキンセンカ花エキスの併用により、皮膚線維芽細胞におけるI型コラーゲンおよびヒアルロン酸の産生が促進されました(図2、図3)。

 

 

 

図2 GHとトウキンセンカ花エキスの併用によるI型コラーゲン産生促進作用図2 GHとトウキンセンカ花エキスの併用によるI型コラーゲン産生促進作用

図3 GHとトウキンセンカ花エキスの併用によるヒアルロン酸産生促進作用図3 GHとトウキンセンカ花エキスの併用によるヒアルロン酸産生促進作用

さらに、IGF-1による表皮角化細胞の増殖促進作用を増強する植物エキスとしてウンシュウミカン果皮エキスが見出されました(図4)。

 

 

図4 IGF-1とウンシュウミカン果皮エキスの併用による表皮角化細胞増殖促進作用図4 IGF-1とウンシュウミカン果皮エキスの併用による表皮角化細胞増殖促進作用

3. 考察
深い睡眠時に分泌されるGHは、IGF-1の産生を介し、肌の修復やその健康維持に重要な役割を担っています。一方で、多忙なライフスタイルの影響などにより、質と量の両面において十分な睡眠を取れていると実感している消費者は少ないと言われています。睡眠不足による肌状態の悪化という体感性の高い症状への対策のため、成長ホルモンに着目し、「睡眠不足状態の肌」を実験的に再現しました。これにより睡眠不足の肌において、その健康維持をサポートする植物エキスが見出されました。

丸善製薬ではこれらの知見を活かし、仕事や育児などによって睡眠不足に陥りやすい責任世代(30代以降)の肌状態の改善につながる皮膚生理学的検討と、本研究にて有効性が示唆された当社の化粧品原料「トウキンセンカ花エキス(販売名:トウキンセンカ抽出液BG-J)」並びに「ウンシュウミカン果皮エキス(販売名:和ism<ウン
シュウミカン>)」の更なる応用研究を進めてまいります。

※1 発表タイトル
To overcome insufficient sleep – Screening of plant extracts that reinforce the effect of growth hormone in dermal fibroblasts – (睡眠不足に打ち勝つために - 皮膚線維芽細胞における成長ホルモンの作用を増強させる植物エキスの探索 -)

会社概要

商号  : 丸善製薬株式会社
代表者 : 代表取締役社長 日暮 泰広
所在地 : 広島県尾道市向東町14703-10
設立  : 昭和24年7月13日
事業内容: 医薬品、医薬品用素材抽出物、医薬部外品用素材抽出物、
化粧品用素材抽出物、食品添加物、食品、食品用素材抽出物、
健康食品、健康食品用素材抽出物の製造販売
資本金 : 9,800万円
URL  : https://www.maruzenpcy.co.jp

当資料に記載の技術情報については、関連法規制の規定等をふまえ、広告宣伝や販売等の目的に使用することはお避けください。
「和ism\ワイズム」は、丸善製薬の登録商標です。

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