断熱性能、床暖房の健康への効果を確認  ~血圧抑制や住宅内での活動量増加、子どもの健康への寄与~

積水ハウス株式会社のプレスリリース

慶應義塾大学 理工学部システムデザイン工学科 伊香賀俊治研究室、積水ハウス株式会社、一般社団法人日本ガス協会は、現行省エネ基準の断熱性能に満たない住宅の居住者への調査データと、現行省エネ基準の断熱性能を満たす住宅で主にエアコンを使う居住者と主に温水床暖房を使う居住者への調査データとを比較分析するなどし、一定の断熱性能があり部屋が暖かいと健康に良い、また足元が暖かいと健康に良いことを示す調査結果を得ました。

【調査結果】
◆血圧に関して
現行省エネ基準を満たしているかどうかを問わず、居間の床付近が暖かい方が、高血圧である確率が低い。(21℃以上だと14℃未満より50%低い)
なお、推定血圧値を算出すると、現行省エネ基準の断熱性能に満たない住宅の場合より、満たす住宅で床暖房使用の場合の方が低い。(30歳男性で2.1mmHg、80歳男性で3.4mmHg低い)

◆住宅内での活動量に関して
現行省エネ基準の断熱性能を満たす住宅において、部屋間の室温差が小さい方が、またエアコン使用の場合に比べて床暖房使用の場合の方が、座り続ける時間が短く活動量が多い。(温度差が1℃小さいと1日あたり約27分、エアコン使用より床暖房使用の方が1日あたり約32分短い)
※部屋間の室温差=居間と脱衣所の温度差

◆子どもの健康に関して
・アトピー性皮膚炎である確率は、現行省エネ基準の断熱性能を満たす住宅において、居間が暖かい方が、またエアコン使用の場合に比べて床暖房使用の場合の方が低い。(居間が20℃以上だと20℃未満より70%、エアコン使用より床暖房使用の方が60%低い)
・中耳炎である確率は、現行省エネ基準の断熱性能を満たす住宅において、エアコン使用の場合に比べて床暖房使用の場合の方が低い。(50%低い)
・喘息である確率は、現行省エネ基準を満たしているかどうかを問わず、居間の床付近と脱衣所両方が寒い場合に比べて両方が暖かい場合の方が低い。(60%低い)

【本調査結果の健康に対する価値】
◆血圧に関して
居間の床付近の暖かさにより血圧が抑制されると、厚生労働省「健康日本21(第二次)」にて掲げる40~80歳代の最高血圧を平均4mmHg低下させる目標達成に貢献する。

◆住宅内での活動量に関して
居間と脱衣所の温度差の小ささや居間の床付近の暖かさにより住宅内での活動量が増えると、高齢者の活動量減少による足腰の衰えから生じる様々な健康リスクや事故リスクの低減に寄与する。また、2020年のWHOガイドラインには、座っている時間を減らすことが全世代共通の推奨事項とされており、現在の新型コロナウイルス感染症流行下において懸念される人々の身体活動の減少、住宅内での座り過ぎの改善にも貢献する。

◆子どもの健康に関して
居間の暖かさや居間の床付近の暖かさ、脱衣所の暖かさにより子どもの疾病が抑制されると、継続的な通院による親子の身体的・精神的負担の回避に寄与する。

【調査手法】
現行省エネ基準の断熱性能に満たない住宅の居住者、現行省エネ基準の断熱性能を満たす住宅で主にエアコンを使う居住者と主に温水床暖房を使う居住者を被験者とする測定調査及びアンケート調査の結果を、適切な統計分析手法を用いて分析しました。

◇測定調査の内容
・温度および湿度(居間1mおよび床付近、寝室、脱衣所をはじめとした住宅各部)
・血圧(朝2回、夜2回/日の測定)
・身体活動量(装着型活動量計による測定)
・測定期間中の被験者の行動(行動日誌による記録)

◇アンケート調査の内容
・健康に関わる症状
・疾病の有無
・冬季における暖房の使用状況
・日常の生活行動
・住宅の建築情報

<参考資料1>
「断熱と暖房が大切」・・・「【調査結果】」の内容をまとめた資料

<参考資料2>
「暮らし創造研究会について」

■参考資料1,2はこちらからご確認いただけます
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/topics_2021/20211215

※本リリースの内容は、慶應義塾大学 理工学部システムデザイン工学科 伊香賀俊治研究室、積水ハウス株式会社、一般社団法人日本ガス協会が共同で実施した調査等の結果を、統計学に基づく一定の手法でまとめた結果であり、実際には住宅の構造、居住者の既往症をはじめとする健康状態等により結果が異なることがあります。また本リリースにより、上記の効果を保証したり医学的に裏付けたりするものではありません。

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