肌に「折りジワ※1」を刻ませない製剤を開発 「表情」で皮膚が折りたたまれて形成されるシワを低減

ポーラのプレスリリース

ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:釘丸和也)は、表情の動きによって形成される“折りジワ”を皮膜剤と粉体を組み合わせた製剤でシワ形成を低減する技術を開発しました。この製剤の化粧膜は柔軟かつ折れ曲がりに対する耐性に優れるため、皮膚に表情圧※2がかかってもシワが残りにくいという特長を持ちます。これにより、表情により深まる折りジワを形成しにくくすることが期待されます。                         
※1表情の動きによって形成されるシワ  ※2表情の動きによって皮膚にかかる力

  • メーク発想で シワ特化型スキンケア製剤を進化

目尻などの表情圧が大きい部分では、加齢に伴いシワが深まることが分かっています。そのため、ポーラ化成工業では2019年、耐圧性と伸縮性に優れた化粧膜技術※3を開発し、シワの形成・定着を加速する表情圧を製剤の物理的な力で軽減することに成功しています。しかし、肌が折りたたまれる部位には局所的に大きな力がかかるため、さらに耐圧機能を強化し、「折り目が付きにくい膜(曲げに強い膜)」を実現しようと考えました。
今回の研究は、メークアップ製品の開発経験豊富な研究員のひらめきにより実現しました。通常はメークアップ製品に機能性を与える用途で使われる粉体をスキンケア製品に応用することで、折り目が付きにくい化粧膜をつくることに成功しました(図1)。
※3 参考リリース: 「シワ形成につながる表情圧を抑える製剤の開発」
(2019年10月8日)
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20191008_3.pdf

  •  「折り目が付きにくい膜」が実現

研究では、さまざまな特性の粉体を皮膜剤と組み合わせ、塗布膜の折り目の付きやすさを評価しました。その結果、「伸縮性のある皮膜剤」に「弾力性のある粉体」を組み合わせることで、局所的に大きな力がかかった時も折り目が付きにくい膜となることを見出しました(補足資料1)。
 

  •  肌で実際に折りジワ抑制効果を発揮

実際の肌でも、この化粧膜技術を用いた新製剤が折りジワの形成を抑制できるかを検証しました。肌に製剤を塗布し、表情圧をかける前後で目尻のシワの増加比率を調べると、従来製剤と比べて新製剤の方が折りジワが付きにくいことが確認できました(図2)。

今後もポーラ化成工業では、シワ改善のパイオニアとして、お客さまに寄り添いながら、シワをはじめとするさまざまな肌悩みの解決策を提供し続けます。
 

 

【補足資料1】 壊れにくい膜を形成する粉体の選定
粉体の形状や硬さの影響を確認するため、特性の異なるさまざまな粉体について、塗布膜の折り目の付きにくくする機能を評価しました。粉体をそれぞれ伸縮性のある皮膜剤に混合し、人工皮革に均一に塗布し乾燥させて塗布膜をつくり、180°折り曲げ、荷重を一定時間かけた後、画像解析にて塗布膜の折り目の有無を調べました。ここでは代表として、扁平で硬い粉体、球状の硬い粉体、球状で弾力性のある粉体を比べた結果を示します(図3)。

硬い粉体を用いた場合は、粉体の形状によらず折り目が生じたのに対し、弾力性のある球状粉体を用いた場合は、折り目は確認されませんでした。
折り曲げ部位では、粉体同士がぶつかります。このとき、粉体が硬いと、互いに押し合い位置が大きく移動し、皮膜剤の膜にヒビが入りやすいのだと考えられます。一方、粉体に弾力性があると、その場で互いにゴムボールのように変形して力を受け止めることができるため、膜が壊れにくく折りジワが抑制されると推察できます。

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